異世界バトスポッ!

司時 緋水銀

にじゅうにたまっ!



「わぁぁっ……わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ……!!!」


キラキラキラキラ…


そこにあるもの全てが光って見えるっ…!!!
なんて素敵な場所……っ!
樹の建物に入るのなんて初めてだよ!
内装とかもシャンデリアとかあって凄い!お洒落!
でも!一番目を引くのは…っ!


「いらっしゃいませ、『ボウル・リングスポーツショップ』へようこそ」


そこには氷像で見た女の人…ボールリングさんの銅像!
中央から吹き抜けの二階あたりまで堂々と立ってる!
その横っ…!
そのボールリングさんの周りには…!!!


「おっきいっ……たまっ!!!ぐるぐる回ってるっ!」
「こちらは【ボウル・リング】様の考案した球技で使用する三大球……『炎球』『氷球』『雷球』…それらを拡大し模造したもの…我が国の誇りでもあります」


受付のお姉さんが説明してくれる。
氷の球は知ってるけど他にも炎の塊と電気の塊みたいな球があるよ!
どうなってるのどうなってるの!!何これすごい!


「これっ、これくださいっ!」
「えっ」


受付にいたお姉さんにこの大きい球買えるかどうか聞いてみたよ!


「こら、おたま。勝手に行っちゃだめでしょ?」
「あ…ごめんなさい…」


ミュリお姉さんとニャンちゃんも受付にきたよ!


「何してたにゃ?」
「これ!これ欲しい!いくらかな!?」
「にゃ…これはどう見ても売り物じゃないにゃよ…それにこんな大きい球どうする気にゃ…?」
「もちろん愛でるんだよ!」


私のお部屋にも球に関する物がいっぱいあるよ!
スポーツで使う球だけじゃなくて…球状の物なら何でも!
いつもお年玉とか全部使いきっちゃうんだ!


「こちらはお売りする事はできませんが、球技に使う同サイズのボールであれば各ショップにて取り扱っておりますよ?」


受付のお姉さんが指した案内板には…『炎獄の遊戯』『アイスクラッシュヘヴン』『トールオブディストラクション』の専門店っていうのがあった!
球技の名前かな?なんか物騒な名前の球技だよ!
一階にあるのはその3つの球技のお店みたい!


とりあえず私達は受付のお姉さんにお礼を言って奥のお店がある方に進んでみたよ!




「わぁっ…!わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
奥に進むとそこには3球技のお店が向かいあっていた!
そこには商品棚に陳列された炎球、氷球、雷球の普通のサイズのやつがあったよ!


「あれ!あれ全部買うっ!」
「落ち着きなさい、そんなに必要ないでしょう…。それにあれは糸で模造した…ぬいぐるみみたいなものよ?」


さわさわ…


「あ!本当だ!」


興奮しちゃってわからなかった!
うーん…可愛いけど…これはボールにはならないなぁ…
私は本物が欲しいんだよ!


「球技に使う本物のボールはあまり市場に出回っていないわ、『不損の氷球』もそう。あれを造れるのはごく一部の魔女だけだし…仮に出回っていても物凄く高いわよ?」


うーん…そっかぁ…。
確かに地球でも公式用ボールは結構するもんね…


「それを真似た魔導師が造ったものならあるわよ?ゴムボールの周りに魔法をコーティングしたものだから激しく使ってるとすぐ壊れちゃうけど」
「ちなみに本物があった場合いくらくらいするにゃ?」
「確か……一つ100万ギョクくらいかしら?」
「100万ギョクにゃ?!高級装備が一式揃うにゃ!」


100万ギョクってお金の単位かな?
高いのか安いのかよくわからないよ!


「昨日あなたから聞いた地球の通貨と大体同じよ、だから100万エンって考えたらいいわ」


そうだ、昨日少しの間寝付けなくて…消灯した後ミュリお姉さんにお話に付き合ってもらったんだ。
ミュリお姉さんには少し地球のお話をしたんだ、そしたらミュリお姉さんは地球の文明とかの事を直ぐに理解しちゃったんだよ!
ミュリお姉さんの頭の良さにビックリした!


「うーん…1個100万円かぁ…どれくらい働けば買えるかなぁ…」
「そこで諦めるんじゃないのが流石おたまって感じだにゃ…」


昨日王様から報償金を受けとったんだ。
一人20万ギョク。
こんなにもらえないって言ったんだけど……勝てばこれくらい普通なんだって。むしろ少ないって王様は言ってたけど…


「それよりおたま、あなたはこれからどうするの?直ぐに地球に帰る方法が見つからなかったときは」
「勿論スポーツするよ!色々な球ちゃんとフィールドで触れ合いたいから!」
「だったら尚更お金は大事に使わなきゃダメよ?どの球技をするにも安全にプレーするには専用の装備が必要なんだから。何の球技をするか決めてから買った方がいいわ」


そっか!そうだよね!
でも難しいなぁ…地球でもそうだったけど…どんなボールも魅力的だから…一つの球技に決める事ができないんだよ~。


「おたまはアイスクラッシュヘヴンの専属選手にはならないにゃ?」
「勿論大きな大会の時は私で良ければ出るよ!でもそれまで色々なスポーツしてみたいんだ!」


「…そうね、あたしもおたまにアイスクラッシュヘヴンに専念して欲しいけど…大会まではまだ時間がある。それまでに色々なスポーツに触れてみてほしい、自由枠はおたまにとっておくわ」
「うん!それまでにもっと成長して活躍してみせるよ!」


氷の球ちゃんともそれまでにもっともっと仲良くしないとね!




「さぁっ!誰か挑戦してみない?このボールを手以外の体の部分にバウンドさせて百回連続で落とさなかった人には何と100万ギョク贈呈するよ~!魔法の使用は禁止!参加料は一回一万ギョク。一万ギョク払えば何回でも挑戦可能だよ~」


突然、向かい合った店前の中央から大きな声がした。
見てみると人だかりができている。


「何かのイベントかにゃ?面白そうだにゃ」
「……聞いた事のない声ね、お店の人間なら皆知ってるはずなんだけど…」


中央には黒いローブを目深に被った女の子 (たぶん)が灰色のボールを持ってるよ!
美しい!何あのボール!
例えるなら白も黒も清濁どころか全てを呑み込んでしまいそうな…天王星みたいな一色の惑星…美しいよ~。
落とさないようにって事はリフティングみたいなものかな!?
私得意だよ!朝から夜まで一回も落とさなかった事もあるよ!


<俺はやるぜ!><私もっ!><俺様もだ!>


皆が一斉に参加料を払ってチャレンジするよ!


「はいはい、順番順番。じゃあ並んで~」


ワイワイ…ガヤガヤ…


一気に長蛇の列ができたよ!
二十人くらい並んでる!


「にゃ~…百回も落とさずは結構厳しいにゃ~」
(……何か怪しいわね、変な匂いがするわ…でも店の従業員がこの騒ぎに誰も駆け付けないって事は…お店公認のイベントなのかしら…)




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ポンッ、ポンッ、トントントン…


「はい残念失格~、じゃあ次の人~」


二十分も経たない内に二十人くらいいたお客さんみんなが失敗して列に誰もいなくなっちゃった!
そんな難しいのかな?


<くっそ~何でだ?調子悪いな…><私結構得意なのにな~…2回しかできなかった~><最高記録31回かぁ…><一回挑戦で一万失うのはでかいな…>


「はいはい、もう誰もいないのかなぁ~」


黒いローブの女の子は挑発するように手をパンパンと叩く。


「はい!はい!私が球を愛しますっ!」
「はい、じゃあ次はそこのあ…お嬢さん。はいみんな拍手~」


私は手を上げたよ!
新しい球と触れ合えるなら一万でも安いくらいだよ!


「にゃあ~…早速無駄遣いしたにゃ…おたま…。止めなくていいのかにゃ?ミュリフォーリア」
「……………いえ、やらせてみましょう」


タッ!


私は黒いローブの子に一万ギョクを渡し…灰ボールちゃんを手に取り、集中する。


こんにちわ、新たなボールさん。君はどんなボールさんなのかな?
私とお話しようよ!
うん、大丈夫。フードを被って視界が良くないけど…ちゃんとわかるから。
君の声をちゃんと聞くからね。


ポーンッ………


私は頭上に灰ボールさんを高く舞い上げた。











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