異世界バトスポッ!

司時 緋水銀

じゅういちたま!

「5分経過したわ、両チーム自分の陣地につきなさい」
ピーッ!


『さぁー!再開しましたアイスメイクヘヴン!氷像へのダメージはこれで五分!タイムを要求したアースリンドウ連邦だが果たしてここからどんな猛攻を見せてくれるのかっ!?そしてボールアイ王国はそれをどう防ぐのか!?』


ワァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!




ここからが正念場だよ!
一回の攻撃でお互い氷像の半分を壊せるんだから…下手をしたら次の攻撃で決まっちゃう可能性もある!
つまりここを防いでボールを奪わない限り…王手をかけられちゃう!


「……」「……」「……」「……」「……」


相手チームは誰一人顔も合わせないし話そうともせず配置につく。
何か様子が変だよ……ぅうん。
この雰囲気は……地球での試合でも味わった事がある……


「相手チームの様子がおかしいですね……喧嘩でもしたのでしょうか?」


ミーちゃんも同じ感覚を共有していた。
でも……違う、喧嘩して仲違いしている感じじゃない。
追い詰められて…牙を剥いたわけでもない。


そう、これは……強者が…弱者を…蹂躙する感覚。
兎を狩るのに油断して遊んでいた獅子が手を噛まれ…怒りと共に身を引き締めた感覚。
絶望的な力の差を…容赦なく加減なく兎に味わせようとする感覚…!


ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ………


静かに私達の間を風が通り抜けた。
それは…嵐の前のそよ風……狂風の前の魔風…私達にとっての……逆風。


【ネオ・シーウィズスレッドウインド】
ザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザッ………ピィィィィ…………ッン………!!


『おっとぉ!?ボールを持ったシルファニア選手が先ほどのフウジン選手と同じように縦横無尽にフィールドを駆けるーっ!!そして……シルファニア選手の通った軌跡には緑色の細いものが張り巡らされているーっ!?』
『あれは……『風の糸』?シルファニアの属性から考えられるのはそうだけど……一体…』


「くだらん、私の真似でもしてるつもりか?この風に触れると怪我をすると言いたいのならば……燃やし尽くしてやればいいだけだ」


ボォッ!


私達の周りにも緑色の細い糸みたいなものが張り巡らされ、それに取り囲まれる。
これに触れると……体が切れちゃうとか?
これじゃあ動けないよ!
フウちゃんが炎で糸みたいなものを燃やそうとしているけど…。


「…!!待って!!ダメよフウジン!!」
「!?」ピタッ!


何かに気づいたミュリお姉さんがフウちゃんに叫ぶ。
フウちゃんは寸での所で動きを止めた。


「あたし達の陣地に既に張り巡らされてる!炎で燃やせばそれが伝わってニャンコ達の場所まで炎が行く!」
「……っ!ちぃ……っ!ならば……全て斬り刻んで術者を潰す!フォローしろミュリフォーリア!!」


ビュッ…!!


【絶氷血雨の舞】


ザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクッ!


「……………っ……かはっ………!?」
「フウジンっ!!!」


っ!!
フウちゃんが動き出そうとした瞬間……相手キャプテンさんのさっきのつらら攻撃が一斉にフウちゃんを襲った!
避けきれなかったフウちゃんの身体につららが突き刺さる。


「すごいわ、完全に意表を突いたと思ったのにすぐに急所から逸らしたわね。しかももう既に仲間の周りの風糸だけは斬っているなんて……純粋な戦いであったなら貴女はこの場で一番強かったでしょうね」


どさぁっ……!


フウジン……ダメージ75%……残りHP18%


「フウちゃんっ!!」
「フウジンさんっ!!!」


パラパラパラッ……


私達の周りの糸は全て斬り落とされた。
でもっ…フウちゃんは氷上に倒れてしまった。
血があんなにっ…!!どうしよう……っ!!
助けに行きたいけど……っ……私には……。


「……くっ!フウジン!」
ミュリお姉さんが氷像の前から動き、フウちゃんを助けに行こうとする。


「みゃははっ!いいのっ!?氷像フリーにして!?じゃあ遠慮なくシュートしちゃうよ!」
「我も参加するわ、終わりよミュリフォーリア」
「……っ!!」


【ネオ・トルネードシュート】!!
【神殺氷刃の舞】
小さな女の子から真横を向いた黒い竜巻と相手キャプテンさんから氷の剣が放たれボールと共に氷像へ向かう!


【アイスメイクシールド】!!
ガキィィィィィィィィィンッ!!


ミュリお姉さんと氷像の間に一面氷のガラスみたいなものが張られ、竜巻とボールを防いだ!


「ちっ…やるじゃん、でもまだまだこれから!!」


【ネオ・トルネードシュート】!!!!
【神殺氷刃の舞】
ガキィィンッガキィィンッガキィィンッガキンガキンッガキンガキンッ!!!


竜巻と剣に乗せたボールが何度もミュリお姉さんの氷盾を襲う!!


…………………ピキッ……ピキピキピキピキ……ピキピキピキピキ…
「……っ!!くぅっ……!!!」


まずいよ!
ミュリお姉さん苦しそうだしどんどんと氷のガラスがひび割れていく!
このままじゃっ……でもフゥちゃんが倒れた今…ボールを奪える人がいない!
もう攻撃を食らっても私がやるしかないよ!
何とかしてボールを奪うくらいならできるっ!
二人を助けにいかなきゃ!!


ガクンっ!!バタッ!
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……


「うぅっ!?」
「なっ……!!?こ…これ…は…?」


私が動き出そうとした時、足だけが動かなくなって思い切り前のめりに倒れてしまった。
…何でっ!?
ミーちゃんにも同じような事が起きたようで回復の手が止まっている。
ミーちゃんは体全体が重そうで…まるで重りでもつけられたかのように氷上にうずくまっていた。
これは…たぶんあの人達の能力っ…!


「動かないで、貴女達の相手は私達よ」
「正しい、最も…動きたくてももうこのプレー中は動けないというのが正しい」


眼鏡の子と宝塚の人が私達の前に姿を現す。
この二人は確か…………『空間』と『重力』を使う人達…っ!
でもっ……私達への攻撃は出来ない筈なのに!


「正しくない、君はボールへ向かう動きを見せていた…だから足を封じさせてもらったのさ…これはルールに反しない」
「そうです、更に言えばこれは貴女達の体力を減らす攻撃ではなく単なる足止めです。この状況下で動けるのは貴女達二人だけ…ならば貴女達が助けに入ると思うのは当然です、それを止めるのはルール上なんら問題はありませんよ?回復を続けたいのであればどうぞ、能力を封じたわけではありませんから」


っ!!う…動けないっ…!
体は動くのに足だけが……っ何で!?
まるで……足だけ何かに閉じ込められてるみたいに……っ!!
何か…足が温かいしっ…!?
………閉じ込められてる?…………空間……


「もう貴女達に勝ち目はありません、私達の氷像前からはアイギールの絶対防御を外さない。彼女の一面集中防御ならばマリアの攻撃ですら破れない、仮にボールを奪っても突破はできません…怪我をしたくないのならもう動かない事をオススメします」


防御………一面………重力。
風…氷……回復……。


ガキンガキンッガキンガキンッガキンガキンッ!!!
パリンッ……ピキピキピキピキ…


「っ!!………これは……無理みたい……なら……せめて……最後は……希望にかけてみるしかないわ……貴女に…押し付けちゃって…ごめんなさいね…おたま……」
「防御属性もないのによく耐えたわね、でも…今度こそ終わりよ」
「あーもうっ!しつこいなぁ!体力使うから嫌だったけど全力の一撃で終わらせてやるっ!!」


【フル・ネオ・サイクロンバースト】
ビュオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!


どす黒く……不吉を孕む風の塊が小さな女の子の頭上に集結する。
氷の球はその塊の中に取り込まれ…それは一つの巨大な黒いボールとなった。


【アイスメイクフルアーマー】
ピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキッ!!


対峙するミュリお姉さんの体を氷の鎧が包んだ。


「死ねーーーーーーーーーーーーーーーーーーぇぇっ!!!」


ゴオッ!!!


「絶対っ……!次のプレーに繋ぐからっ……あとは頼んだわよ…みんな」


バッ!!








………カッ!!!


…………ドォォォォォォォォォォォォォンッ…………!!


『ボールアイ王国』
・氷像損傷率……95%……残り耐久値……5%
・ニャンコ……残りHP87%
・フウジン……残りHP18%


・ミュリフォーリア…ダメージ97%……残りHP……3%


制限時間…残り8分。

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