漫才

冬野氷景

漫才

ボケ・ツッコミ「はい~どうも~よろしくお願いします~」


ボケ「なぁ、なんか最近めっちゃ流行ってるよな~異世界転生とか転移って」


ツッコミ「あぁ~まぁだいぶ前から流行ってるけどな。異世界に日本人とかが行って魔王倒したりモテモテになったりするやつやろ?」


ボケ「そうそう、素人がそーゆー小説書いて投稿すんのがあんねん。小説家になろうってやつや」


ツッコミ「それでデビュー出来たりするんやから夢のある話やね」


ボケ「そうや、そんでな?俺も実は書いて投稿しよ思ってんねん。もしこのクソしょーもない俺らの漫才が花開かなかった時のためにな」


ツッコミ「お前相方の前でよくそんな発表できるな!?クソしょーもない言われて俺どんなモチベーションでこの漫才やればええねん!まぁ、ええわ。そんでどんな話考えてんの?」


ボケ「やっぱオーソドックスなファンタジーやね、魔法!勇者!魔王みたいなベタなやつがええな」


ツッコミ「まぁゲーム世代が一番手出しやすい分野やな」


ボケ「ほんでな?話考えるためにお前勇者役やってくれや。俺が魔王やるから」


ツッコミ「なるほどな、役になりきれば話思い浮かぶかもしれんからな。ほな、やろか」


~ショートコント 異世界転生 ~


おぎゃあ!おぎゃあ!おぎゃあ!


おや?赤ん坊の泣き声がするぞ?
そう、それはそなたの泣き声だ。そう、そなたはトラックに轢かれて死亡したのだ。
思い出せるだろう?意識を失う際、頭の中に神の声が響いた事が。
その神は言った、『異世界に転生させてやろう』、と。
そうだ、そなたは産まれ変わったのだ。
地球から、この異世界へと。
神は言った、『勇者になって魔王を倒し、世界を救え』。
「なんて勇ましい顔つきだ、この子はきっと勇者となり世界を救う存在になるぞ」
両親は産まれたてのそなたを見て、そう言った。
やはりか、仕方あるまい。
世界を救うため、頑張ってやろうと勇者はそう決意して


ツッコミ(勇者)「ちょちょちょちょい待てや!」


ボケ(魔王)「何ぞ?」


ツッコミ(勇者)「何ぞ?やないねん!一体どっから始める気や!?」


ボケ(魔王)「一番大事なとこや、勇者に転生した主人公がどうやって育ち、仲間と出会い、挫折を繰り返して成長していくかを」


ツッコミ(勇者)「長すぎるわ!魔王いつ出てくるんや!?」


ボケ(魔王)「初登場が1205話や」


ツッコミ(勇者)「できるか!?売れへんわそんなファンタジー小説!それに何で魔王口調でナレーションしてんねん!どういう立ち位置なんやこの魔王!違うねん、もっとシンプルなんが最近の主流やねん。もういきなり勇者と魔王の戦いから始めようや」


ボケ(魔王)「アホかお前、勇者いきなり魔王に遭遇して勝てるか。レベル1やぞ?」


ツッコミ(勇者)「ええねんええねん。最近はそんな面倒くさいレベルとかなしに主人公は超強いやつが受けてんねん。ほな始めるで」


♪~(戦いのBGM)~♪


ボケ(魔王)「ふっふっふっ、よくぞ参ったな勇者よ」


ツッコミ(勇者)「お前が世界征服を企んでる魔王だな!?そんな事はさせない!俺がお前を倒してやる!」


ボケ(魔王)「ふぃっふぃっふぃ、やってみるがいい。そなたをロードローラーでひき肉にした後、ミキサーでよく混ぜて、電子レンジでチンしたのち、自動卵割り機で卵を添えて」


ツッコミ(勇者)「世界観!!!めっちゃ現代の文明知ってるやんこの魔王!?あと自動卵割り機いらん!!」


ボケ(魔王)「あ~待って?レジュメまとめっから。絶対結果にコミットすっから。り」


ツッコミ(勇者)「意識たけぇ~!現代人でも難しい用語魔王が使うなや!り(りょうかい)ちゃうわ!世界観統一せんと売れへんやろが!」


ボケ(魔王)「フェフェフェッ……来い!実はカッパ族だった事が判明した勇者よ!」


ツッコミ(勇者)「いらん設定つけたすなよ!もうちょいカッコいいやつにしたれよ勇者を!!何やカッパ族て!」


ボケ(魔王)「ふぉふぉふぉっ、我が力の真髄……味あわせてやる!」


ツッコミ(勇者)「笑い方で個性出すんならせめて統一せな!サンタさんみたいになってるやないか!」


ボケ(魔王)「くっ……中々やるな勇者よ……しかし我は負けられぬのだ!!気になるア・イ・ツに世界をプレゼントすると決めたのだからな!」


ツッコミ(勇者)「気持ち悪いな!言い方が80年代やん!」


ボケ(魔王)「ちなみにお前の事だ、勇者」


ツッコミ(勇者)「えっ……///いや違う違う!そんな複雑な設定いらん!」


ボケ「詳しいなお前」


ツッコミ「実は……俺もう作家でデビューしてんねん。こんなしょーもないお笑いじゃやってけんからな」


ボケ「いい加減にしろ、もうええわ」


二人「どうもありがとうございました」















コメント

  • ノベルバユーザー603772

    言葉は出てくるけどそれが何かわからないのも漫才でも完結おめでとうございます。
    ありがとうございました。

    0
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