転生したら天使に職業を選べと言われたので全部選んだら大変なことになりました
第一章 二十二話 ギルドに戻りました。
無事魔人一行を追い払った俺たちは、街の冒険者ギルドに戻った。
街は塀に囲われているため、南にある門から街に戻ったのだが、門にはいつもよりも多くの兵士たちが居た。
そして、冒険者ギルドの中もなにやら騒がしい。恐らく魔人達の襲撃を警戒しているのだろう。
「ふー!なんとか戻ってこれたねー!」
冒険者ギルドにエッシェルが入る。
「ああ。無事追い払えたとはいえ、あの魔人の感じからして多分すぐ街に襲撃して来ると思うがな」
俺もエッシェルに続いて冒険者ギルドに入る。
いつもの調子ならテーブルに座っている冒険者達にエッシェルが軽くからかわれるところなのだろうが、それがないのが冒険者ギルドが通常の状態でないことを表していた。
「ねー、なんかあそこに人がいっぱい集まってるよ?」
エッシェルが人だかりが出来ている場所を指差す。
「クエスト掲示板の辺りか。何かあるのか?」
俺たちは集まる冒険者達の隙間から覗く。
そこには通常のクエストはなく、ただ一つ"緊急クエスト"と赤字で書かれた紙があった。
"近々来ると思われる魔人の襲撃から街を守って下さい。報酬は魔人の攻撃の規模から設定します。(最低ランク:D)"
と書かれている。どうやらギルドは冒険者達を募って魔人達を撃退するらしい。
「難易度的にはDランクじゃさすがに甘すぎると思うが、きっと多くの冒険者を集めたいんだろうな」
「でも私達Dランクどころかまだ冒険者にすらなれてないよ?」
あ。そういえばそうだった。
「そこはシェスタに相談してなんとかしてもらおう」
「そうだね」
そして俺たちはシェスタを探しにカウンターまで行った。
カウンターにはかなりの列が出来ていたので、受付の人と話すまでかなりの時間がかかった。
「なあ、シェスタに会いたいんだが……」
「あっ、はい!今すぐお呼びします!」
もう少し理由とかを聞かれると思ったが結構話が早いな。
「あ、いや、俺たちが裏に行くことは出来るか?」
流石にカウンターで長話するのは気が引ける。
「はい!かしこまりました!こちらからどうぞ」
すぐにカウンターの扉を開けて入れてくれた。
手際が良くて助かるな。
カウンターの裏の面接室のような場所に入ると、そこには入り口から一番近い席で俯いているシェスタが居た。
本を読んでいるわけでもないし、一体何をしているのだろう。
「なあ、何してるんだ?」
聞いてみる。
「今私は、タケルさんとエッシェルさんを死なせてしまったのが悔しくて、後悔してるのよ」
すごく暗いトーンで言う。
というか何故俺たちは死んだことになっているんだ。
「俺たち別に死んでないんだが……」
「貴方何を言って……」
こっちを振り返ったシェスタが目を見開く。
「……?」
エッシェルが無言で見つめられて首をかしげる。
「逃げ切れたの……?」
シェスタが涙目で言う。
「いや、魔物達を倒しただけだが……」
「まったく、相変わらず貴方達らしいわね」
いつも呆れた声で言っているのに、今回は笑みを浮かべて声を震わせながら言っていた。
「タケルが助けに来てばーん!!って魔物をやっつけてくれたの!!」
エッシェルが嬉しそうに言う。
改めて言われると少し恥ずかしいな。
「ただ魔人は仕留められなかった。すまんな」
「いえ、貴方達が無事だっただけで十分よ。それにしてもよく生きてるわね」
シェスタが出かけた涙をハンカチで拭き取り、言う。
「そちらの席に座っていいわよ」
シェスタが向かい側の席を指す。
「ああ、ありがとな」
俺たちはシェスタに指された二つの席に座る。
この配置、初めてこのギルドに来た時を思い出すな。
「それで、あの魔物達は倒せたのかしら?」
「ああ。魔物は全部倒した」
「…………流石ね。強さは昨日の魔物と同じだったかしら?」
「ううん、魔法耐性をつけてるって言ってたよ。私の第六階位の通常詠唱の火属性魔法を受けても全然びくともしなかったもん」
「貴方第六階位の魔法が使えるの!?!?」
シェスタが身を乗り出す。
「うん。いつも使ってるのは三〜五だけどね」
「それにしても第六階位の魔法が弾かれるなんて一体どれほど強力な耐性を付けたのよ……」
「とりあえず魔術師の冒険者は回復魔法が使える冒険者以外は緊急クエストに入れない方が良さそうね」
「……というか、どうやってそんな魔物達を倒したのかしら?かなり絶望的な数いたわよね」
「ああ、それなら俺が自分とエッシェルに強化魔法をかけて倒したぞ」
「強化魔法も使えるのね……それで、武器は何を使って倒したのかしら。貴方達二人とも特に武器のようなものは持ってないみたいだけれど」
「それなら私は魔法で炎の剣を作って戦ったよ?」
「俺は素手だ」
「貴方達しれっとかなり恐ろしいことを連発して言うわね……」
「剣を作ったエッシェルさんもかなり異常だけれど、あんなに強い魔物と素手で戦って勝つなんて、タケルさんの攻撃力はどうなってるのよ」
「攻撃力?それって測れるのか?」
「ええ。この街にはないけれど、王都とかにある測定器を使えば測れるわよ」
まじか。今度是非測ってみたいところだな。
「ちなみに貴方達、それぞれ何発くらいで魔物を倒したのかしら」
「それって一体につき何発かけたかってことか?」
「ええ、そうよ」
「それならエッシェルも俺も一発だぞ」
「………………」
シェスタが急に固まる。
「……なあ、大丈ーー」
「一発って本気で言ってるの!?!?!?」
おお、いきなり大声を出されてびっくりしてしまった。
「ああ。エッシェルは普通に両断して、俺は普通に吹き飛ばした」
「普通じゃないことに普通って使わないでもらえるかしら……」
「あれって普通じゃないのか?身体強化使ってたわけだし」
エッシェルに聞いてみる。
「うーん、身体強化使わないであれだったらすごいと思うけど、身体強化使った後なら普通なんじゃない?」
「じゃあ一体何が普通じゃなーー」
「普通なわけないでしょ!!!!」
今度は急に立ち上がった上で大声を出されたので、また驚いてしまった。
「そもそも普通身体強化って筋力がほんの少し上がるくらいよ!?」
「そうなのか」
「ええ。普通は何が起きてもあんな魔物を素手で一撃で仕留める威力なんて出せないわ!!!」
まじか。俺の身体強化が強かったのは上位職の魔法の身体強化だからとかそんな感じなのだろうか。
「まあいいわ。とにかく無事で良かったわ」
そう言いながらゆっくり座る。
俺たちを心配してくれてたのは嬉しいな。
皆さんこんにちは(こんばんは)、神王です。誤字脱字がありましたら、いってください。あと、お気に入りとハートをお願いします。これからも、転生したら職業を選べと言われたので全部選んだら大変なことになりました。をよろしくお願いします。
街は塀に囲われているため、南にある門から街に戻ったのだが、門にはいつもよりも多くの兵士たちが居た。
そして、冒険者ギルドの中もなにやら騒がしい。恐らく魔人達の襲撃を警戒しているのだろう。
「ふー!なんとか戻ってこれたねー!」
冒険者ギルドにエッシェルが入る。
「ああ。無事追い払えたとはいえ、あの魔人の感じからして多分すぐ街に襲撃して来ると思うがな」
俺もエッシェルに続いて冒険者ギルドに入る。
いつもの調子ならテーブルに座っている冒険者達にエッシェルが軽くからかわれるところなのだろうが、それがないのが冒険者ギルドが通常の状態でないことを表していた。
「ねー、なんかあそこに人がいっぱい集まってるよ?」
エッシェルが人だかりが出来ている場所を指差す。
「クエスト掲示板の辺りか。何かあるのか?」
俺たちは集まる冒険者達の隙間から覗く。
そこには通常のクエストはなく、ただ一つ"緊急クエスト"と赤字で書かれた紙があった。
"近々来ると思われる魔人の襲撃から街を守って下さい。報酬は魔人の攻撃の規模から設定します。(最低ランク:D)"
と書かれている。どうやらギルドは冒険者達を募って魔人達を撃退するらしい。
「難易度的にはDランクじゃさすがに甘すぎると思うが、きっと多くの冒険者を集めたいんだろうな」
「でも私達Dランクどころかまだ冒険者にすらなれてないよ?」
あ。そういえばそうだった。
「そこはシェスタに相談してなんとかしてもらおう」
「そうだね」
そして俺たちはシェスタを探しにカウンターまで行った。
カウンターにはかなりの列が出来ていたので、受付の人と話すまでかなりの時間がかかった。
「なあ、シェスタに会いたいんだが……」
「あっ、はい!今すぐお呼びします!」
もう少し理由とかを聞かれると思ったが結構話が早いな。
「あ、いや、俺たちが裏に行くことは出来るか?」
流石にカウンターで長話するのは気が引ける。
「はい!かしこまりました!こちらからどうぞ」
すぐにカウンターの扉を開けて入れてくれた。
手際が良くて助かるな。
カウンターの裏の面接室のような場所に入ると、そこには入り口から一番近い席で俯いているシェスタが居た。
本を読んでいるわけでもないし、一体何をしているのだろう。
「なあ、何してるんだ?」
聞いてみる。
「今私は、タケルさんとエッシェルさんを死なせてしまったのが悔しくて、後悔してるのよ」
すごく暗いトーンで言う。
というか何故俺たちは死んだことになっているんだ。
「俺たち別に死んでないんだが……」
「貴方何を言って……」
こっちを振り返ったシェスタが目を見開く。
「……?」
エッシェルが無言で見つめられて首をかしげる。
「逃げ切れたの……?」
シェスタが涙目で言う。
「いや、魔物達を倒しただけだが……」
「まったく、相変わらず貴方達らしいわね」
いつも呆れた声で言っているのに、今回は笑みを浮かべて声を震わせながら言っていた。
「タケルが助けに来てばーん!!って魔物をやっつけてくれたの!!」
エッシェルが嬉しそうに言う。
改めて言われると少し恥ずかしいな。
「ただ魔人は仕留められなかった。すまんな」
「いえ、貴方達が無事だっただけで十分よ。それにしてもよく生きてるわね」
シェスタが出かけた涙をハンカチで拭き取り、言う。
「そちらの席に座っていいわよ」
シェスタが向かい側の席を指す。
「ああ、ありがとな」
俺たちはシェスタに指された二つの席に座る。
この配置、初めてこのギルドに来た時を思い出すな。
「それで、あの魔物達は倒せたのかしら?」
「ああ。魔物は全部倒した」
「…………流石ね。強さは昨日の魔物と同じだったかしら?」
「ううん、魔法耐性をつけてるって言ってたよ。私の第六階位の通常詠唱の火属性魔法を受けても全然びくともしなかったもん」
「貴方第六階位の魔法が使えるの!?!?」
シェスタが身を乗り出す。
「うん。いつも使ってるのは三〜五だけどね」
「それにしても第六階位の魔法が弾かれるなんて一体どれほど強力な耐性を付けたのよ……」
「とりあえず魔術師の冒険者は回復魔法が使える冒険者以外は緊急クエストに入れない方が良さそうね」
「……というか、どうやってそんな魔物達を倒したのかしら?かなり絶望的な数いたわよね」
「ああ、それなら俺が自分とエッシェルに強化魔法をかけて倒したぞ」
「強化魔法も使えるのね……それで、武器は何を使って倒したのかしら。貴方達二人とも特に武器のようなものは持ってないみたいだけれど」
「それなら私は魔法で炎の剣を作って戦ったよ?」
「俺は素手だ」
「貴方達しれっとかなり恐ろしいことを連発して言うわね……」
「剣を作ったエッシェルさんもかなり異常だけれど、あんなに強い魔物と素手で戦って勝つなんて、タケルさんの攻撃力はどうなってるのよ」
「攻撃力?それって測れるのか?」
「ええ。この街にはないけれど、王都とかにある測定器を使えば測れるわよ」
まじか。今度是非測ってみたいところだな。
「ちなみに貴方達、それぞれ何発くらいで魔物を倒したのかしら」
「それって一体につき何発かけたかってことか?」
「ええ、そうよ」
「それならエッシェルも俺も一発だぞ」
「………………」
シェスタが急に固まる。
「……なあ、大丈ーー」
「一発って本気で言ってるの!?!?!?」
おお、いきなり大声を出されてびっくりしてしまった。
「ああ。エッシェルは普通に両断して、俺は普通に吹き飛ばした」
「普通じゃないことに普通って使わないでもらえるかしら……」
「あれって普通じゃないのか?身体強化使ってたわけだし」
エッシェルに聞いてみる。
「うーん、身体強化使わないであれだったらすごいと思うけど、身体強化使った後なら普通なんじゃない?」
「じゃあ一体何が普通じゃなーー」
「普通なわけないでしょ!!!!」
今度は急に立ち上がった上で大声を出されたので、また驚いてしまった。
「そもそも普通身体強化って筋力がほんの少し上がるくらいよ!?」
「そうなのか」
「ええ。普通は何が起きてもあんな魔物を素手で一撃で仕留める威力なんて出せないわ!!!」
まじか。俺の身体強化が強かったのは上位職の魔法の身体強化だからとかそんな感じなのだろうか。
「まあいいわ。とにかく無事で良かったわ」
そう言いながらゆっくり座る。
俺たちを心配してくれてたのは嬉しいな。
皆さんこんにちは(こんばんは)、神王です。誤字脱字がありましたら、いってください。あと、お気に入りとハートをお願いします。これからも、転生したら職業を選べと言われたので全部選んだら大変なことになりました。をよろしくお願いします。
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