転生したら天使に職業を選べと言われたので全部選んだら大変なことになりました
第一章 十五話 テントを建てようとしたら何か違う物が生まれました。
「えー、それでは第三次試験の説明をします!」
シェスタが魔石を片付けた後、冒険者達に言う。
「第三次試験は野営です。皆さんには明日の朝まで野営をしてもらいます!」
続けてシェスタが言う。
野営……都会に住んでた俺とは縁のないものだな。
「なあエッシェル、お前は野営したことあるか?」
「したことあるっていうよりそれで暮らしてたよ?」
あ、そういえばあの虹色の森で暮らしてたんだったか。
「そういえばそうだったな。それは心強いな」
「でも私あの森でしか野営したことないからあの森以外じゃ無理だよ?」
「よく考えたら確かにそうだな……」
実質二人とも野営経験なしでこの試験に挑むのか……
「この試験ではテントの立て方、食料の調達、そして調理、魔物への警戒などの点から得点を計算します。テントと野営場所はこちらが用意しますので、まずは野営場所に移動します。何か質問のある方はいますか?」
シェスタが冒険者達に言うが、特に手を挙げる者はいない。
「それでは皆さん、私についてきて下さい!」
シェスタがそう言い訓練場の森側の出口に向かうと、冒険者達が立ち上がりシェスタについて行く。
「最初から野営するって分かってたら宿を余分に取らなくても良かったんだがな…」
冒険者達について行きながら、俺は宿のことを考えていた。
「でもさ、あの宿を取ったお金ってもともと…」
「その話はやめてくれ。何気に少しだけまだ罪悪感が残ってるんだ」
「えーどーしよっかなー」
エッシェルとそんなことを話しながら歩いているうちに、俺たちは森の中の拓けた場所に来ていた。
「皆さん、ここが野営場所になります!」
シェスタが振り返り、言う。
シェスタの隣には、大小様々なテントが折りたたまれた状態で積まれていた。
テントの布の部分は少し汚れた布で、骨格の部分は木でできていた。
「1人用~4人用まで様々なテントがありますので、自力で1人用のテントを立てて野営したり、他の人と協力して2人用以上のテントを立てて野営したりするなど、この辺りでお好きな形式で野営して下さい。これ以上は特に私から口を出すことはありませんので、各自自由に野営して下さい」
シェスタがそう言うと、すぐに端の方に移動した。
恐らく冒険者達に大部分を任せることで協調力や応用力を測ろうとしているのだろう。
「じゃー俺はこの4人用テントにするぜ!!誰か俺に協力したい奴はいるかー?」
一番前にいた冒険者が一番大きなテントを抱え、大きな声で言う。
「俺協力するぜー!!」
「僕も協力します!!」
「俺も協力させてくれ!」
最初に声をあげた冒険者にすぐに人が集まって来た。
多分ああいう率先して行動できるタイプの人が得点が高いのだろう。俺には無理な話だが。
「わ、私と一緒に組める人いますかー!」
最初の冒険者が声を上げて以来、連鎖的に協力の募集が始まった。
その結果、気が付くと俺とエッシェル以外の冒険者達はみんなチームを作り、テントを立て始めていた。
「俺たちは普通に二人用テントにするか」
「うん!そうだね!」
エッシェルが居て良かった。危うくぼっちになるところだった。
俺たちは白い二人用テントを取り、かなり場所が空いているスペースへ移動した。
俺はひとまず地面にテントを置く。
「なあエッシェル、お前建て方知ってるか?」
「知らない」
ですよねー。
いくら森で暮らしてたとはいえテントなんて無さそうだったし。
うーむ、何か良いスキルでも無いものか…
ー錬金建築士・錬金建築 MP消費:重量10kgにつき1MPー
急に頭に浮かんでくる。
これを使えばテントを建てられるだろう!
自分のスキルに感謝だな。錬金って書いてあるのがちょっと気になるがまあいい。
「錬金建築」
俺は地面に置いてあるテントに手をかざす。
すると、突然テントが突然金色の光に包まれ、みるみる大きくなってゆく。
「何これー!!」
エッシェルがどんどん大きくなるテントを間近で興味津々に見て居たが、念のためエッシェルを連れて後ろに下がる。
「ん?ちょっとテントにしては大きくないか…?」
俺が考えていた二人用テントの大きさを軽く超え、金色の光はどんどん大きくなってゆく。
そしてかなりの大きさまで膨れ上がると、金色の光が立方体のような形に変形し始める。
「流石にテントってあんなに大きくないと思うんだが…」
気がつくと、既に光の立方体はテントの3倍程度の高さになっていた。
そこで急に光の膨張が止まる。
「あれ?止まったよ?」
膨張が止まった光を見てエッシェルが言った直後。
パァン!という音と共に光が弾け、俺たちの前にテントが現れた。
いや、決してテントではない。元テントだ。
そう。俺たちの前に現れた元テントは、完全に小さなログハウスになっていたのだ。
「どうしてこうなった。」
「なあエッシェル。自分でやっといて何だが、これテントじゃないよな?」
「うん。私テント作ったことないけどこれが違うのは分かるよ」
他の冒険者達もざわついている。もうこれがテントじゃないのは明らかだ。
これはテントではなく、ログハウスだ。
俺たちの目の前には、地に刺された柱によって少し地面から浮いている、小さめとはいえ本格的な造りのログハウスが建てられていた。
明らかに丸太で組まれた壁、明らかに加工された木の板で作られた床、明らかに木の板と丸太で組み立てられた階段。どう考えてもあれを組み立ててできるものでは無かった。
ただ、窓についているカーテンのような布が少し汚れた白い布でできていることから、あの組み立てる前のテントと同じ素材で出来ていることは分かった。
「ちょっとシェスタにこれで良いか聞いてくるな」
「うん」
俺は少し離れたところで椅子に座りながら本を読んでいるシェスタに走ってゆく。
せっかくあれが建ったんだし、テントとして認められなくてもテントの代わりとしてどうにか許して欲しいところだ。
「なあ」
「あらタケルさんね。何かしら?」
シェスタに声をかけると、読んでいた本を閉じ、俺に反応する。
「その、テントについてなんだが……」
「あら、もしかして作り方が分からないのかしら?」
「ああ。作り方が分からなくてどうにかしようとしたらああなってしまった。」
俺はログハウスになってしまった元テントを指差す。
「情けないわね。魔法は使えるのにテントは建てら……れ……」
シェスタがログハウスを見て言葉を失う。
「どんな間違え方したらテントがああなるのよ!!!!!!!!明らかにログハウスじゃないの!!!!!」
シェスタが立ち上がりながらログハウスを指差し、叫ぶ。
とうとう二人に勝てる事が見つかったと思った矢先、すぐに大きく裏切られたシェスタの叫びが夜の森に響き渡った。
「俺も分からん。テントを作ろうとしたらログハウスが出来たんだ。というかあれテントの代わりで大丈夫か?」
「いろいろ言いたいことはあるけれど……まあ住める場所が建ったわけだからいいわ。今度どうやって建てたらああなるのか教えてね」
かなり呆れた表情をして、シェスタが再び椅子に座る。
「全く何よテントを建てようとしたらログハウスが建ったって……」
「どうだったー?」
俺が戻ると、エッシェルがすぐに言う。
「これでもなんとか大丈夫みたいだ」
「ってことは今日はここに泊まれるんだね!!やったー!」
エッシェルが元気にログハウスの中に入っていく。
「確かにここに泊まるのは少し楽しみだな。あれ、もしかしたらこの中に出来たベッドって……」
俺もログハウスの中に入る。
中には汚れた白い布で出来たベッドが二つあった。
「やっぱそうか。できれば綺麗なベッドで泊まりたかったんだがな」
「死体のベッドよりマシだよー!」
そう言いながらエッシェルがベッドにダイブする。
「死体のベッド!?!?」
相当壮絶な過去があったのか……?
「そうだエッシェル、寝る前に食料調達しないとダメだぞ。」
「えー。お腹空いてないー」
6時くらいまで昼食を食べてたんだから当たり前か。
実を言うと俺もあまり空いていない。
「まあでも試験だからな。調達するぞ」
「はーい」
エッシェルがベッドから起き上がる。
まるで小さい子供と一緒にいるみたいだ。
これでも身長は150~160cmくらいある上に胸も結構あるのにな。
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皆さんこんにちは(こんばんは)、神王です。誤字脱字がありましたら、いってください。あと、お気に入りとハートをお願いします。これからも転生したら天使に職業を選べと言われたので全部選んだら大変なことになりましたをよろしくお願いします。
シェスタが魔石を片付けた後、冒険者達に言う。
「第三次試験は野営です。皆さんには明日の朝まで野営をしてもらいます!」
続けてシェスタが言う。
野営……都会に住んでた俺とは縁のないものだな。
「なあエッシェル、お前は野営したことあるか?」
「したことあるっていうよりそれで暮らしてたよ?」
あ、そういえばあの虹色の森で暮らしてたんだったか。
「そういえばそうだったな。それは心強いな」
「でも私あの森でしか野営したことないからあの森以外じゃ無理だよ?」
「よく考えたら確かにそうだな……」
実質二人とも野営経験なしでこの試験に挑むのか……
「この試験ではテントの立て方、食料の調達、そして調理、魔物への警戒などの点から得点を計算します。テントと野営場所はこちらが用意しますので、まずは野営場所に移動します。何か質問のある方はいますか?」
シェスタが冒険者達に言うが、特に手を挙げる者はいない。
「それでは皆さん、私についてきて下さい!」
シェスタがそう言い訓練場の森側の出口に向かうと、冒険者達が立ち上がりシェスタについて行く。
「最初から野営するって分かってたら宿を余分に取らなくても良かったんだがな…」
冒険者達について行きながら、俺は宿のことを考えていた。
「でもさ、あの宿を取ったお金ってもともと…」
「その話はやめてくれ。何気に少しだけまだ罪悪感が残ってるんだ」
「えーどーしよっかなー」
エッシェルとそんなことを話しながら歩いているうちに、俺たちは森の中の拓けた場所に来ていた。
「皆さん、ここが野営場所になります!」
シェスタが振り返り、言う。
シェスタの隣には、大小様々なテントが折りたたまれた状態で積まれていた。
テントの布の部分は少し汚れた布で、骨格の部分は木でできていた。
「1人用~4人用まで様々なテントがありますので、自力で1人用のテントを立てて野営したり、他の人と協力して2人用以上のテントを立てて野営したりするなど、この辺りでお好きな形式で野営して下さい。これ以上は特に私から口を出すことはありませんので、各自自由に野営して下さい」
シェスタがそう言うと、すぐに端の方に移動した。
恐らく冒険者達に大部分を任せることで協調力や応用力を測ろうとしているのだろう。
「じゃー俺はこの4人用テントにするぜ!!誰か俺に協力したい奴はいるかー?」
一番前にいた冒険者が一番大きなテントを抱え、大きな声で言う。
「俺協力するぜー!!」
「僕も協力します!!」
「俺も協力させてくれ!」
最初に声をあげた冒険者にすぐに人が集まって来た。
多分ああいう率先して行動できるタイプの人が得点が高いのだろう。俺には無理な話だが。
「わ、私と一緒に組める人いますかー!」
最初の冒険者が声を上げて以来、連鎖的に協力の募集が始まった。
その結果、気が付くと俺とエッシェル以外の冒険者達はみんなチームを作り、テントを立て始めていた。
「俺たちは普通に二人用テントにするか」
「うん!そうだね!」
エッシェルが居て良かった。危うくぼっちになるところだった。
俺たちは白い二人用テントを取り、かなり場所が空いているスペースへ移動した。
俺はひとまず地面にテントを置く。
「なあエッシェル、お前建て方知ってるか?」
「知らない」
ですよねー。
いくら森で暮らしてたとはいえテントなんて無さそうだったし。
うーむ、何か良いスキルでも無いものか…
ー錬金建築士・錬金建築 MP消費:重量10kgにつき1MPー
急に頭に浮かんでくる。
これを使えばテントを建てられるだろう!
自分のスキルに感謝だな。錬金って書いてあるのがちょっと気になるがまあいい。
「錬金建築」
俺は地面に置いてあるテントに手をかざす。
すると、突然テントが突然金色の光に包まれ、みるみる大きくなってゆく。
「何これー!!」
エッシェルがどんどん大きくなるテントを間近で興味津々に見て居たが、念のためエッシェルを連れて後ろに下がる。
「ん?ちょっとテントにしては大きくないか…?」
俺が考えていた二人用テントの大きさを軽く超え、金色の光はどんどん大きくなってゆく。
そしてかなりの大きさまで膨れ上がると、金色の光が立方体のような形に変形し始める。
「流石にテントってあんなに大きくないと思うんだが…」
気がつくと、既に光の立方体はテントの3倍程度の高さになっていた。
そこで急に光の膨張が止まる。
「あれ?止まったよ?」
膨張が止まった光を見てエッシェルが言った直後。
パァン!という音と共に光が弾け、俺たちの前にテントが現れた。
いや、決してテントではない。元テントだ。
そう。俺たちの前に現れた元テントは、完全に小さなログハウスになっていたのだ。
「どうしてこうなった。」
「なあエッシェル。自分でやっといて何だが、これテントじゃないよな?」
「うん。私テント作ったことないけどこれが違うのは分かるよ」
他の冒険者達もざわついている。もうこれがテントじゃないのは明らかだ。
これはテントではなく、ログハウスだ。
俺たちの目の前には、地に刺された柱によって少し地面から浮いている、小さめとはいえ本格的な造りのログハウスが建てられていた。
明らかに丸太で組まれた壁、明らかに加工された木の板で作られた床、明らかに木の板と丸太で組み立てられた階段。どう考えてもあれを組み立ててできるものでは無かった。
ただ、窓についているカーテンのような布が少し汚れた白い布でできていることから、あの組み立てる前のテントと同じ素材で出来ていることは分かった。
「ちょっとシェスタにこれで良いか聞いてくるな」
「うん」
俺は少し離れたところで椅子に座りながら本を読んでいるシェスタに走ってゆく。
せっかくあれが建ったんだし、テントとして認められなくてもテントの代わりとしてどうにか許して欲しいところだ。
「なあ」
「あらタケルさんね。何かしら?」
シェスタに声をかけると、読んでいた本を閉じ、俺に反応する。
「その、テントについてなんだが……」
「あら、もしかして作り方が分からないのかしら?」
「ああ。作り方が分からなくてどうにかしようとしたらああなってしまった。」
俺はログハウスになってしまった元テントを指差す。
「情けないわね。魔法は使えるのにテントは建てら……れ……」
シェスタがログハウスを見て言葉を失う。
「どんな間違え方したらテントがああなるのよ!!!!!!!!明らかにログハウスじゃないの!!!!!」
シェスタが立ち上がりながらログハウスを指差し、叫ぶ。
とうとう二人に勝てる事が見つかったと思った矢先、すぐに大きく裏切られたシェスタの叫びが夜の森に響き渡った。
「俺も分からん。テントを作ろうとしたらログハウスが出来たんだ。というかあれテントの代わりで大丈夫か?」
「いろいろ言いたいことはあるけれど……まあ住める場所が建ったわけだからいいわ。今度どうやって建てたらああなるのか教えてね」
かなり呆れた表情をして、シェスタが再び椅子に座る。
「全く何よテントを建てようとしたらログハウスが建ったって……」
「どうだったー?」
俺が戻ると、エッシェルがすぐに言う。
「これでもなんとか大丈夫みたいだ」
「ってことは今日はここに泊まれるんだね!!やったー!」
エッシェルが元気にログハウスの中に入っていく。
「確かにここに泊まるのは少し楽しみだな。あれ、もしかしたらこの中に出来たベッドって……」
俺もログハウスの中に入る。
中には汚れた白い布で出来たベッドが二つあった。
「やっぱそうか。できれば綺麗なベッドで泊まりたかったんだがな」
「死体のベッドよりマシだよー!」
そう言いながらエッシェルがベッドにダイブする。
「死体のベッド!?!?」
相当壮絶な過去があったのか……?
「そうだエッシェル、寝る前に食料調達しないとダメだぞ。」
「えー。お腹空いてないー」
6時くらいまで昼食を食べてたんだから当たり前か。
実を言うと俺もあまり空いていない。
「まあでも試験だからな。調達するぞ」
「はーい」
エッシェルがベッドから起き上がる。
まるで小さい子供と一緒にいるみたいだ。
これでも身長は150~160cmくらいある上に胸も結構あるのにな。
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皆さんこんにちは(こんばんは)、神王です。誤字脱字がありましたら、いってください。あと、お気に入りとハートをお願いします。これからも転生したら天使に職業を選べと言われたので全部選んだら大変なことになりましたをよろしくお願いします。
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