トライアングルラブ

美乃坂本家

第27話 バラ色の恋 前編

時は秋、いよいよ文化祭の準備に入った。
「さあ、うちのクラスは、劇を出すわよ?」と明子先生。
「どんな話に、するんですか?」とはるか。
「劇の名前は、バラ色の恋よ!
はて、この名前は、倉木麻衣の「バラ色の人生」のパクリでは、ないか。そう、知恵がなかった作者が、恐れ多くも、もじったのである。
「主人公とヒロインを、決めましょう!」
クラスが、ざわついた。
ヒロインには、現役女優のはるかが、クラスにいる。それに、ふさわしいのは、誰だかわかるかな?

「立候補して、みんなで投票しましょう?」と明子先生。

あすか、はるか、しのぶが手を挙げた。明らかに、大輝を意識している。

大輝は、またかと思っていた。すると3人が大輝の手を取って、立候補しますと言った。
「はい、それじゃ主人公は、大輝くん。ヒロインは、今から、投票してもらいます。」

その結果、なんと、あすかが、ヒロインになった。クラスの女性は、あすかを応援した。

はるかは、しのぶとともに、教室を出て行った。
バラ色の恋の、おおまかな、あらすじは、時代は、ヨーロッパの中世。音楽と美術が盛んな国で、お金持ちのいえの女性、フランシスカと、ビンボーな家に生まれた男性、ゴイドル。
ふとしたことで、恋に落ちた二人。しかし、両家の親は、不釣り合いな結婚として、反対する。

ここまで書いたら、まるで、ロミオとジュリエットではないか。あえて言おう。パクリである。
作者は、葵わかなさんのファンなので、悲劇ではなく、喜劇のお話を考えてみる。シェイクスピアが生きていたら、怒るだろうな。

さて、はるかとしのぶは、あすかをいじめる役割をしようとたくらんでいた。特に、はるかは、女優として、恥をかかされたと、思っていた。

後日、体育館で、劇の練習があった。
ゴイドル「あなたは、どうして、フランシスカなのですか?」
フランシスカ「あなたこそ。どうして出会ってしまったのでしょう?」
ゴイドル「逃げよう、フランシスカ。駆け落ちするんだ。」
フランシスカ「そうね。賛成」
物語は、佳境に入っていた。いきなり、姉のレイチェルが二人の中に入ってきた。レイチェルは、はるかである。
「家族の反対を、押し切って駆け落ちに走るなんて、この姉が、許さない。」どうに入っている。

「姉さん、許して。もう、こうするしか、ないの」とフランシスカ。
バシーン、本気のビンタ。
「あなたは、その男と結婚しても、不幸になるだけ。」
あすかは、まさかのマジビンタに、腹を立てた。
「何すんのよ、この大根女優。」と言って、はるかの左ほほをバチっと打った。
「カット!」明子先生が、叫んだ。

中編に続く。

君は、ネバーランドの夢を見る

          

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