トライアングルラブ

美乃坂本家

第2話 あすかの家出

いろいろあった、卒業式の帰り道、大樹、あすか、しのぶは、一緒だった。
「ねえ?どうして、第2ボタンを、しのぶにやったの」あすかが、責めるように、大樹に尋ねた。

大樹は、はぐらかそうとした。「さあ、そうだったけ?」
「私、しのぶに手渡しするの、見たんだから!」
少し悔しさをにじませる。
しのぶは「あすかが、欲しかったら、あげる」と助け船を出した。

これが、逆効果だった。
「バカにしないでよ!本当に欲しいのは、大樹の気持ちなんだから」
2人とも、驚いた。その大輝の言葉は、大樹への告白とも受け取れた。

それは、今まで三人とも、口に出してはいけない、禁句。

大樹は、ぶっきらぼうに、いった。
「俺は、お前を、恋愛の対象に見れない、ごめん」
すると、あすかは、いきなり、大樹のほおをバチーンと叩いた。
目を白黒させたのは、しのぶだった。
「いてーな、手加減なしかよ」大樹は、ほおをさすりつつ、いった。
あすかは、「ざまーみろ」と言って、走り去った。

あすかは、胸にある決心を、固めていた。

その夜、あすかは、家出した。何故だか、わからない。そして、そのことは、大樹のLine に伝えられた。

大樹には、あすかが、どこにいるか、確信があった。それは、幼い頃から使っていた秘密基地。

あすかをそこで見つけた時、彼は、怒った。
「心配したじゃないか」
あすかは黙っている。Line で知ったしのぶも後からきた。そして、あすか、帰ろう」声をかけた。

しかし、それでも、あすかは、黙っている。取り付く島がないようだ。

その頃、満月だった。そして、ポツリとあすかは言った。「どうして、こんな感じになったんだろう」

業を煮やした大樹が言った。「別れは、新たなスタートなんだ。この先、何があっても三人が変わらないと誓おう」

しのぶは、言った。「私もそう」あすかも「そうね、よろしくね」

車で、迎えに来てくれた。車の中で「secret of my heart」が流れていた。あすかは、口ずさんだ。
疑ってもないねと。

大樹がなんて曲かと尋ねたら、あすかは、倉木麻衣と、答えた。「そんな曲は知らない。俺は、ビートルズオンリーだから」
「何、ずうとるび?」とあすか。
「お前ー」

こうやって、中学生の波乱の卒業式は、終わった。高校生になると、この3人の関係は、どのような、恋模様になるのか、それは、神のみぞ知る。

君は、ネバーランドの夢を見る

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