クリティカル・リアリティー
第十四話 正当
「弘成、悪い! 説明できる時間がない!」
「えちょ」
知音が俺を引っ張るのでとりあえず走る。門から複数の男の怒声が聞こえてくる。駐車場を抜け再度『西』に入る。
健人の目が澄んでいる、以前の健人とは違う様子に思える。
「ちっ、四人か……一人倒すか。健人! お前弘成について行ってくれ」
「ああ、わかった。……弘成、二人はどこだ?」
「あ、二組にいる、二階東の。知音は」
「知音に任せよう。とにかく逃げるんだ。」
健人は言い切ると同時に階段に向かう。後ろからは激しく響く音が聞こえ、何かがが切れる音も聞こえた。知音は大丈夫だろうか。
考えている内に教室の前に着き、扉を勢い良く開ける。
「チカヅクナァ!」
テレビは流れている。番組が終わってからかヨミ島付近の海中継の映像が流れている。
「……明人、陽向、俺だよ、健人」
「……知音も……それに真凛と利名子もいるよ」
「……ぅえ?」
二人はその言葉に反応して素直に近づいてくる。
そうなのか?あの場には知音しかいなかったが……
「あぶねぇ!」
不意をつく形で男がエントランスに侵入してくる。男は何か持っていて、とても大きい。健人は俺を押し退け一番前に立つ。でも、そしたら健人は……
そう考えていたが健人は何か、『壁』を作り男の攻撃を防ぐ。
男は焦り出すが、健人は至って冷静に詰め寄り手首辺りから透明で鋭利な武器?を作り首を斬りつける。男は倒れ持っていた武器を手放す。健人はその武器も壊し、使えなくする。
「一人だけか」
何が起きたか分からないが、二人の目は今まで会った人の中で一番マトモな目をしていた。
「健人も……あいつらみたいに……人を殺すんだ」
「……陽向」
「ごめんもう近づかないで」
「俺ッ……達を! 信じてくれ!」
「……」
「俺達は、救世主なんだ。
………………は、はは……なんて」
「………俺は信じるよ。俺達を……助けてくれ」
そうだ。仲間なんだから、たとえ今までの健人じゃなくてもだ。
「健人。そろそろ行くぜ」
通路から大量の血を浴びた知音が歩いてくる。
三人を倒したらしい。正確には、殺したらしい。……凄いな、知音は。
俺は知音達と情報共有することになった。俺達が変わった人間に襲われた事。貴田財団の者と名乗る人にあった事。そして、その人が変な人に襲われた事。一つ一つを教えた後、知音が説明してくれた。
まず、この世界のルールについて。俺達が生き返った事に、生き返らせたのは知音達ということ。利名子、真凛の他に俊樹とさっきの大学生、レオさんという人と一緒にいるらしく、合流することになった。
* * *
……それから、十時間経った。何度か同じような奴らに襲われるが、全て知音と健人の二人が撃退した。二人曰く、俺達が目覚めた日から現れたようで、二人からは疲れを感じる。
「……! 携帯鳴り出したぞ、レオさん達どうしたんだろ」
健人が立ち止まり、俺も合わせて止まる。携帯を覗くとメールが一通来ていた。
内容は、『今日、戻ってこれそう? 前に行ってた場所の地図だ。これみて来てほしい。』
「……せえよ」
「よし、『覆面共』に気を付けて向かうぞ」
健人がなんと言ったか聞き取れなかったが、二人の案内によってその場所に向かう。
知音も言うようにあの三人組は危険だ、それに立花さんを殺した男にも会いたくはない……
夜になり辺りも暗くなる、人以外に襲われても気づけないかもな。
どこに向かってるんだろうか。
知音が立ち止まる。
「人の声がする」
人の声……? 耳を澄ますと少し遠くから叫びに近い声が微かに聞こえる。聞いたことのある声だ。
「俺……様子見てくるぜ、健人は三人を案内してくれ」
「あっ……」
陽向が引き留めようとするが知音は気づかずに暗闇に消えていく。
「俺が案内するからしっかりついてきてよ、陽向」
数分で目的地についた。が、そこは怪しげな屋敷や広場でもなく、普通の家で、といっても観た外装はとても豪華で大きい。レオさん……はここに住んでいるのかなと考えていると、ドアが開き見たことのない女性が現れる。
「おかえり」
「ただいま……です」
メガネをかけ、長髪の女性は大人びている。この人は一体……
「あ、この人は」
「私は望月雅姫と言います。神里健人クンの従姉です!君達が烈王クンが言ってた子達ね?疲れたよね?さあさあ入って。」
優しそうな人だ。健人の親族だし、心配しなくても良さそうだ。
「あれっ? 知音クンは? 一緒だよね?」
「知音は……また様子を見に行ってます、今日中に戻ってくると思います、大丈夫です」
「……なんで一人にしたの??」
健人に顔を近づけ怒っている。
「……‼ やっぱり戻ります」
「あーやっぱりいいよ、ごめんねほら皆入って」
「失礼、しまーす」
玄関から綺麗で靴が整っている。二階建てか、賃貸では無さそうだが、親の家なのか?
「ここがリビング」
あ。
「また会えて良かったよ、陽向」
陽向は肩を震わせ二人の元へと近づいていく。
「あらら?」
陽向は声を震わせながら二人に抱きつく。
『真凛っ………利名子っ……』
「えちょ」
知音が俺を引っ張るのでとりあえず走る。門から複数の男の怒声が聞こえてくる。駐車場を抜け再度『西』に入る。
健人の目が澄んでいる、以前の健人とは違う様子に思える。
「ちっ、四人か……一人倒すか。健人! お前弘成について行ってくれ」
「ああ、わかった。……弘成、二人はどこだ?」
「あ、二組にいる、二階東の。知音は」
「知音に任せよう。とにかく逃げるんだ。」
健人は言い切ると同時に階段に向かう。後ろからは激しく響く音が聞こえ、何かがが切れる音も聞こえた。知音は大丈夫だろうか。
考えている内に教室の前に着き、扉を勢い良く開ける。
「チカヅクナァ!」
テレビは流れている。番組が終わってからかヨミ島付近の海中継の映像が流れている。
「……明人、陽向、俺だよ、健人」
「……知音も……それに真凛と利名子もいるよ」
「……ぅえ?」
二人はその言葉に反応して素直に近づいてくる。
そうなのか?あの場には知音しかいなかったが……
「あぶねぇ!」
不意をつく形で男がエントランスに侵入してくる。男は何か持っていて、とても大きい。健人は俺を押し退け一番前に立つ。でも、そしたら健人は……
そう考えていたが健人は何か、『壁』を作り男の攻撃を防ぐ。
男は焦り出すが、健人は至って冷静に詰め寄り手首辺りから透明で鋭利な武器?を作り首を斬りつける。男は倒れ持っていた武器を手放す。健人はその武器も壊し、使えなくする。
「一人だけか」
何が起きたか分からないが、二人の目は今まで会った人の中で一番マトモな目をしていた。
「健人も……あいつらみたいに……人を殺すんだ」
「……陽向」
「ごめんもう近づかないで」
「俺ッ……達を! 信じてくれ!」
「……」
「俺達は、救世主なんだ。
………………は、はは……なんて」
「………俺は信じるよ。俺達を……助けてくれ」
そうだ。仲間なんだから、たとえ今までの健人じゃなくてもだ。
「健人。そろそろ行くぜ」
通路から大量の血を浴びた知音が歩いてくる。
三人を倒したらしい。正確には、殺したらしい。……凄いな、知音は。
俺は知音達と情報共有することになった。俺達が変わった人間に襲われた事。貴田財団の者と名乗る人にあった事。そして、その人が変な人に襲われた事。一つ一つを教えた後、知音が説明してくれた。
まず、この世界のルールについて。俺達が生き返った事に、生き返らせたのは知音達ということ。利名子、真凛の他に俊樹とさっきの大学生、レオさんという人と一緒にいるらしく、合流することになった。
* * *
……それから、十時間経った。何度か同じような奴らに襲われるが、全て知音と健人の二人が撃退した。二人曰く、俺達が目覚めた日から現れたようで、二人からは疲れを感じる。
「……! 携帯鳴り出したぞ、レオさん達どうしたんだろ」
健人が立ち止まり、俺も合わせて止まる。携帯を覗くとメールが一通来ていた。
内容は、『今日、戻ってこれそう? 前に行ってた場所の地図だ。これみて来てほしい。』
「……せえよ」
「よし、『覆面共』に気を付けて向かうぞ」
健人がなんと言ったか聞き取れなかったが、二人の案内によってその場所に向かう。
知音も言うようにあの三人組は危険だ、それに立花さんを殺した男にも会いたくはない……
夜になり辺りも暗くなる、人以外に襲われても気づけないかもな。
どこに向かってるんだろうか。
知音が立ち止まる。
「人の声がする」
人の声……? 耳を澄ますと少し遠くから叫びに近い声が微かに聞こえる。聞いたことのある声だ。
「俺……様子見てくるぜ、健人は三人を案内してくれ」
「あっ……」
陽向が引き留めようとするが知音は気づかずに暗闇に消えていく。
「俺が案内するからしっかりついてきてよ、陽向」
数分で目的地についた。が、そこは怪しげな屋敷や広場でもなく、普通の家で、といっても観た外装はとても豪華で大きい。レオさん……はここに住んでいるのかなと考えていると、ドアが開き見たことのない女性が現れる。
「おかえり」
「ただいま……です」
メガネをかけ、長髪の女性は大人びている。この人は一体……
「あ、この人は」
「私は望月雅姫と言います。神里健人クンの従姉です!君達が烈王クンが言ってた子達ね?疲れたよね?さあさあ入って。」
優しそうな人だ。健人の親族だし、心配しなくても良さそうだ。
「あれっ? 知音クンは? 一緒だよね?」
「知音は……また様子を見に行ってます、今日中に戻ってくると思います、大丈夫です」
「……なんで一人にしたの??」
健人に顔を近づけ怒っている。
「……‼ やっぱり戻ります」
「あーやっぱりいいよ、ごめんねほら皆入って」
「失礼、しまーす」
玄関から綺麗で靴が整っている。二階建てか、賃貸では無さそうだが、親の家なのか?
「ここがリビング」
あ。
「また会えて良かったよ、陽向」
陽向は肩を震わせ二人の元へと近づいていく。
「あらら?」
陽向は声を震わせながら二人に抱きつく。
『真凛っ………利名子っ……』
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