神様の旅路

三日月

第9話〜赤城智也〜

「もっと力が欲しい……」

俺はそう思っていた、訓練の時カミラとかいう俺より弱そうなやつにやられた、ダンジョンではミノタウロスに勝てなかった、すべて力がないからだ!いくらステータスが高いと言っても足りない、俺はこの世界に送り込んだあいつを殺せるだけの、俺が勝てなかったミノタウロスを超える力が……欲しい
そして元の世界に帰るんだ、そう考えていた時

「力が……欲しいか?」

「誰だ!」

突然どこからか声がした、力?そんなの欲しいに決まっている

「欲しいのなら我の元にくるが良い!」

そう聞こえた瞬間俺は真っ黒い何かに包まれ、気づくと俺がさっきまでいた部屋とは違う場所にいた

「よく来たな智也」

声のする方を向くと黒い人影が見える

「誰だ!」

「我はディータただの魔人だ」

「魔人!?」

何でそんな奴がここに?そう思いながら俺は拳を構える

「待て智也、お前は力が欲しいのだろう?我ならお前の望むものを渡せるぞ」

「どういうことだ?」

「簡単なことよ、我の力を貸してやろう、我の力を使えばあのミノタウロスくらいなら倒せるぞ」

「本当か?」

その言葉に俺は心が揺らんだ、こいつに従えば力が手に入る、力があれば俺はあいつに勝てる

「分かった、お前の力借りるよ」

「よかろう、さぁ我が力を受け取れ!」

そう聞こえた瞬間俺は真っ黒い何かに包まれた

「何だ…これ」

凄く苦しい、俺の中に何かが流れ込んでくる、

「お前は力を手に入れた、どう使うかはお前が決めるが良い」

そう聞こえた瞬間俺はベッドの上で目が覚めた、さっきまで見ていたのは夢だったのだろうか?
気になって俺はステータスを見る

アカシロ トモヤ

レベル:50

攻撃力:3500

防御力:3200

魔力量:3400

スキル:言語理解、危険察知、力解放、攻撃力増強
   防御力増強、魔力増強、思考加速、

エクストラスキル:魔の力

一瞬目を疑った、今までの俺とは思えない程高い数値になっている

「スゲェ力だ、これならあいつに勝てるぞ」

カミラを殺してミノタウロスも倒す、そんな姿を想像すると思わず笑みが溢れてしまう

「楽しみだなぁ……あいつを殺す時が」

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朝になり突然頭の中にカミラの声が聞こえ俺は目が覚めた、どうやら昨日部屋に戻ってすぐに寝てしまっていたらしい

「明彦さん、これから広場で訓練を行います、他の皆さんもすぐにくるでしょう、なるべく早く来てくださいね」

言われた通り俺は広場へ向かった、既に何人か来ているようだった

「さて、それでは訓練を始めます!今日は……」

とカミラが話そうとした時

「ちょっと待てよ!」

智也が話を遮る

「おい皆んな俺らをこの世界に送り込んだ人は誰だ?」

「いきなり何言ってるの?」
「大丈夫?智也君」

皆んな智也がいきなり変なことを言いだすから戸惑っている

「黙って答えろ!誰だ?」

「カミラ……さん」

クラスメイトの一人がそう答える

「そうだよな、俺らの人生はこいつのせいで狂わされたんだ、そんなこいつが憎いと思わないか?」

誰もその質問に答えない、どう答えれば良いのか分からない様だった

「俺は憎い!だから殺すって決めた」

その言葉を聞いた瞬間星光が動き出す

「おい、いい加減にしろよ智也!」

星光が智也に近づき胸ぐらを掴む

「何だよ星光、まさかこいつに対して何か特別な感情でも持ってるのか?」

智也は違う馬車だったから星光がカミラさんを好きな事を知らない

「そんな訳……ないだろ」

星光は胸ぐらを掴んだ手を緩めてしまった、その瞬間智也は星光から距離を取る

「まぁ俺の邪魔をするって言うなら容赦しねーぞ」

そう言って智也は拳を構える

「やれるもんならやってみなよ」

星光は剣を構えた、今まで使っていたものとは違い凄い力を感じる

「何だ?それ」

智也が気になったのか星光に聞く

「これは聖剣さ、ダンジョンから帰ったあと王様から貰ってね俺にしか使えないらしいんだよ」

自慢げに話す星光それに対し智也は

「そんな剣で俺に勝てると思ってるのか?」

などと言っており余裕そうだった、実際あの剣はかなりの力を持っている、星光が使えるのはエクストラスキル:聖剣使いがあるからだろうな

「あぁ初めて使うがこの力ならお前程度倒せるだろう」

「じゃあやってみろよ!」

そう言って智也は星光に向かっていく、智也の拳を星光は剣で防ぐ

「何をやっているんだ!お前ら!」

騒ぎを聞きつけたのかアルバートさんがやってきて二人を止める

「何って決まってんだろあのクソ野郎をぶっ殺そうとしてんだよ」

「アルバートさん、こいつは俺に任せてください同じクラスメイトとして必ず止めて見せます!」

そんな二人の会話を聞いてアルバートさんは

「国の王女を殺すって言ってるのに任せられるか!」

そう言って智也に剣を向けた、そして

「智也、本当に殺す気なのか?」

と、智也に聞く

「あぁ俺はこいつが憎いんだよ、だから殺す!止める奴が現れたらそいつも殺してやる」

「仕方ない奴だ……星光!一緒にあいつを止めるぞ!」

「はい!」

「王女様は逃げてください!こいつは危険です」

「は、はい!」

そしてカミラさんは広場から逃げ出そうとした、しかし見えない壁に弾かれてしまう、そして智也は笑いながら

「無駄だぜ!今ここは特殊な結界を張って出ることができなくなっている、俺が獲物を逃す訳ないだろう」

「くそ!お前ら何があろうと全力で王女様を守れれ」

アルバートさんがそう他の人に指示するも誰も反応しない、まだ悩んでいるみたいだ

「お前らが束になろうが俺には勝てねぇよ!」

そう言うと智也の雰囲気が変わった

「何で気迫だ……お前!一体何をした!」

「力解放って言うスキルを使ったのさ、俺は今お前らのステータスを超えているぞ」

そして智也はものすごいスピードでアルバートさんに近づき吹き飛ばした

「ぐわっ!」

「大丈夫ですか!アルバートさん」

星光がアルバートさんに近づく

「俺は平気だ、だがあいつの力は凄い、今の俺らじゃ勝つのは厳しいだろう」

「大丈夫ですよ、俺にはこの聖剣があります」

「バカか!いくら聖剣を持っていてもお前はそれを使ったことがないだろう、そんなんで勝てるわけがない!」

「じゃあ諦めろって言うんですか?このままじゃあカミラさんが殺される、それは絶対に止めなければならない!」

「……そこまで言うなら止めない、だが俺も戦おう二人でやれば少しはマシになるはずだ」

「分かりました、いきましょう!」

「おう、頼りにしてるぞ星光!」

そして二人は智也に向けて剣を構える

「たとえ二人できても俺には勝てねぇよ、俺は力を手に入れた、この力があれば俺は誰が相手でも勝てる、それでも止めるって言うなら……本当に殺すぞ?」

そして智也は拳を構えた

「やれるもんならやってみろ!」

そして星光とアルバートさん、智也による戦闘が始まった



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