ファウスト−FAUST−

藤田 吾郎

第1話 始まり−全てはアノ日−

ちょっと照れ臭そうに優梨は返す。

「相変わらず私の為に無理して……」


どうやらもう追い掛けて来ない様なので立ち上がった瞬間に見つかってしまった。

「見ツケタ……随分ト探シタゾ……グフフ……」

無邪気に笑う怪物。

俺と優梨は再び恐怖と不安が襲い、身体全体に緊張が走る。


絶対に優梨だけは死んでも守る!

「優梨!お前だけでも逃げろ!」

「大翔は?」

「この怪物は俺が足止めするから!お前だけでも逃げろ!」

「絶対に死なないでね!大翔っ!」

そう言った後に優梨は駆け足で走り出した。

「ソウハサセナイ……」

怪物は優梨を追い掛けようとしたが、俺が思いっきり力いっぱい飛び蹴りをいれた。

「させるかよ!クソ野郎!」

「フン……煩イ奴ダ」

そう言った瞬間に俺は腹に違和感を感じた。

俺の口から血が出てきた。
ゆっくり腹を見てみると俺の腹に怪物の爪が刺さっていた。
そして怪物はゆっくりと爪を引き抜いた。

瞬間に俺の腹に激痛が走り倒れ込んだ。偶然それを見てしまった優梨。

「大翔ー!」

咄嗟に俺の元へ戻ってきた。

「馬鹿……戻っ……て……くんじゃねぇ……よ……」

「大翔を放って逃げられないよ……私……」

俺は弱々しくも悪態つくが優梨の言葉が凄く嬉しかった。

あぁ、俺って愛されてるんだな…

「ツイデニ女モ殺シテヤロウ……」

その言葉を聞いた俺はゆっくり立ち上がる。

「させるかよ……優梨だけは……俺が……俺が守るんだよ!」

俺は優梨を守るため怪物の前に立ちはだかった。

「邪魔ダ。」

その一言で怪物は俺は一蹴された。

壁にぶつかり倒れ込んだ。もう立ち上がる力もない。俺は最後の力を振り絞る。

「優梨!……逃げろ!……」

優梨は怪物を目の前に腰が抜けて逃げれない。

そして、怪物は優梨の首を掴んだ。

「グフフ…今日ハ久々ニコンナニ人間ヲ殺シタ」

「ひ……ろ……と……」

優梨は俺の名前を呼ぶ。俺は立ち上がろうとするが身体に力が全く入らない。そして怪物は長い爪をゆっくり優梨に近付けた。

「止めろー!!」


その瞬間に優梨は刺され俺は意識を失った……

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