悪役令嬢令嬢に転生?そんなもの知ったこっちゃないね!

Mike

兄に怒られた

そんな感じで喜んでいた兄が

「そうだ、ねぇマリーそこに座って?」

と、急に言った。よく分からない。
この美少年の頭の中どうゆう思考回路になっているんだ?
よく分からないから首をかしげた。
兄は穏やかそうに微笑んでいるけど、なんか既視感がある。
こんな顔どっかで見たような……

「マリー?ほら早くここに座って?」

やっぱり既視感があるな。なぁーんだっけ?
なんか行きたくないんだけど。
頭が拒否している。なんか嫌だな。

すると兄が私を抱え、ソファーまで連れていき、ゆっくりと下ろした。
意外と力あるなぁ。
なぁーんて考えていたら兄の顔が真面目なものになった。

あ、やばいこれ。逃げた方がいい。
咄嗟に逃げようとしたが、あっさり兄に捕まってしまった。くそうっ。
そしてわかった。この既視感がなんなのか。
これはあれだ。普段大人しい人は静かに怒るとかいうやつだ。
そう。兄は怒っている。何に、かは分からないが、確かに怒っているのだ。
普段怒らない人って怒ったら怖いんだよな。ほんとに。ガミガミ怒る人とは違うから、まじで。もうね、絶対逆らったらいけないって思うんだよ。

「マリー、聞いてる?」

やべっ。聞き流してた。なんなのか思い出すのに必死で聞いてなかった。
後ろで侍女があわあわしてた。きっと彼女も兄が怒っているとわかっている。

「マリー?」

ここは謝っといた方がいいな。

「ご、ごめんなさい」

「それは何に対して謝ってるの?」

ひいっ。兄、怖し。

「お、おにいさまのおはなしきいてなかったから、ごめんなさい」

「あのね、マリー。僕と父上たちはマリーが起きるのをずっと待ってたんだ。いつまでたっても起きないから。ほんとうに心配してたんだ。この屋敷の人達だってマリーが起きるのを待っていたんだ。そこはいいね?」

うん。まぁ家族が起きないんだからそりゃ心配するだろうね。そこは納得できるので頷いた。

「それなのに今日起きたらマリーがいなくなっていた。皆吃驚したんだ。
だからまずマリーが誘拐されたんじゃないかと疑った。でも警備はきちんとしてたし、どこにも抜けはなかった。だから皆屋敷中を探し回った。僕は屋敷の周りを見て回った。
そんな時にマリーが図書室から出てきたと聞いた。皆マリーを大切に思っているんだ。だからこういうことを2度としないこと。いい?」

私が呑気に本を読んでた時にそんな話になっていたとは……
これは私が悪いなぁ。皆心臓が止まりそうだったに違いない。いやぁ悪い事をした。

「わかりました。もうにどとこんなことしません。わたしもみんないなくなったらいやだから。おにいさま、ごめんなさい」

「うん。わかってくれたらいいよ。それじゃマリーは寝ないとね。早く元気になるんだよ」

兄に怒られたけどいい人そうだったな。結構大切にされてるんだなマリー。今度から気をつけないとね。


そして私は夕方まで眠っていた。
きっと疲れてたんだね。

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