転生したらロボットの中だった(ただし、出る事はできません)

ファーストなサイコロ

運命という世界線を壊せ 565

「どうして……」

 そんなことをアイが呟く。きっと魔王にはそのつぶやきは届いていない。届かせる気も無い、愚痴のようなつぶやきだろう。けど私はアイを通して看てるからね。わかる。これはアイが初めてこぼした弱音なのかもしれない。

 折角だから後でネタにするためにも録音しておいた。まあけどそう言いたくなる気持ちはわかる。だってアイからしたら魔王は意味不明な事をしてるんだろう。色々と計算と分析をして、多分アイは魔王に組み込まれたパーツを色々と抜粋してると思う。なにせアイには膨大な情報がある。G-01に組み込めるパーツの情報だ。

 まだまだ利用できないが、表示だけされるのとか、表示もされない何か一定の条件を満たさないと画面に現れないパーツとか有るが……もしかしたらアイはそう言うのさえ知ってる可能性はあるからね。

 それら自分が持ってるG-01の為のパーツの知識。それに照らし合わせれば、魔王のパワーアップした部分だって見えてくる――筈だったんだろう。

 行動を分析していけば、前と何処が変わったのか……それを見いだすのはたやすい。アイはそう思ってたのかもしれない。実際、魔王の使えるエネルギー容量はめっちゃ増えてるのは事実だ。一番重要な事かもしれないが、それ以外は見えてこないよね。

 実際の所はもしかしたら魔王がナノマイクロデバイスの影響を受けないというか、受けにくいのは何か新しいパーツをその身に宿してるから……なのかもしれないが、そこら辺アイは特定できてない。

 なにせ本当にそれの対策が出来てるのなら、魔王はもっと早く、というか元々この認識誤認も防げてたはず――ってのがある。けど実際、魔王にはアイが仕掛けたナノマイクロデバイスによる認識誤認が効いてる。そして更に、ヤバくなってきたと思ったアイはそのナノマイクロデバイスに命令をあたえたようだ。

「むっ……ぐお!?」

 魔王が吹っ飛んだ。ようやくアイの攻撃がまともに当たったのだ。私的には変なプライドを捨てて連撃をしたら簡単に当たると思ってたんだけど、アイはプライドを守ったようだ。ちゃんと一撃を放ってそしてそれを確実に当てた。

(けどさっきの魔王の動き……)

 気になる。魔王は認識誤認のその認識を勘という第六感で克服しつつあった。実際、今だってそうだ。反応してた様に見えた。けど……何やらガクンと魔王の体がしたような気がした。そしてそのままガツンとアイの攻撃を食らった。

 今も魔王は立ち上がろうとしてる……してるの? なんかめっちゃ気持ち悪い動き死してるよ。地面に倒れたまま、足や手を変な風に動かしてる。そして全然立ち上がれてない。

「私は生やさしかった用ですね。貴方にはそのくらいしないといけないみたいです。どうですか?  全ての神経が狂った感覚は? 貴方の野蛮な感覚でもどうしようもないでしょう」

 アイはそう言って勝ち誇ってる。

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