転生したらロボットの中だった(ただし、出る事はできません)

ファーストなサイコロ

運命という世界線を壊せ 546

「ようし!」

 私は気合いを入れて創造を開始する。まずはエネルギーと使う材料を亜空間へと放り込む。亜空間が何かというと、なんかこのG-01と繋がってる不思議な空間を作り出してるんだ。それはきっとユグドラシルシステムと繋がってる。

 でも物体を放り込むって感じでは無い。そんな手間はいらないのだ。私が指定した物に何か魔方陣的なものに囲われて分解されて、光の粒になる。それが亜空間へと吸い込まれていく。そして必要なエネルギーと素材が集まったら、創造できる。場所を指定して、それを顕現させる場所をまずは指定する。とりあえず今回は前回よりも全然ちっさいからどこでも良い。とにかくG-01の近くにそれを指定した。するとそこにも魔方陣的な、何かが現れる。そして足下からそれは開始されていく。

 小見十分くらいだろうか? そのくらいで身長百五十センチくらいのマネキンができた。銀色に光ってるマネキンだ。顔や毛が無いだけで、関節部分の可動域も継ぎ接ぎが見えないなかなかによさげな体である。

 まあ……これ私使えないんだけどね!!

『なかなかによさげではないですか』

「それは殆どあんたの要望通りにしたからね」

 本当に無駄にハイスペックでかなりのエネルギーを使ったよ。本当なら再びG-01をアップグレードするためにもとっておきたいエネルギーだったわけだけど、しょうが無い。ここでケチって下手にAIの機嫌を損ねてもね……でも私はただAIの言うように作った訳では無い。どういうことかという……

(ふふふ、精々いい気で居る事ね。その体が私の掌の上であるとも知らずにね!!)

 私はそんなことを思ってほくそ笑む。なにせ仕込んだのだ。この体には私がいつだってその動向を把握できるような部品を仕込んでる。案外そんなにエネルギーいらなかったから念のためにね。

『それでは私のシステムをこの体に移動しますのでその体に触れてください』

「はいはい」

 AIとは思えない意思の表しようである。でも私は素直に従うよ。G-01の手を動かして指先でその頭に触れる。そして先端に光が集まってきて、なんかこの場所が静かになったような気がした。そして目の前の人形が動き出す。どうやらちゃんとAIはこの新たな体へと移れたみたいだね。

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