転生したらロボットの中だった(ただし、出る事はできません)

ファーストなサイコロ

運命という世界線を壊せ 543

「その挑戦、受け取ったよ」

「何のことかわかりませんが、よろしくお願いします」

 とりあえずAIが選んだパーツを元にして、それで何処までの性能が出せるのか……色々とG-01の機能を使って見積もって、さらに効率的な創造の仕方を考える。元から設計図が丸々とあった前の施設とは違う。勿論ある程度の元はある。なにせ私にはゼロからそんな人型の機械的なものの設計図なんて考えられるわけがないからね。

 私は自分のことをバカだとは思ってない。思ってないが、そんな能力があるとも思ってないよ。そもそもが先日のあの施設を作ったときだって、別に自分で考えた所なんて物はない。ただあった設計図通りに作っただけだ。寧ろAIが色々と足りない部分を補助してくれたんだと思うんだけど、その補助が何だったのか、私はわかってないし。

 だからこそ、AIがこれが必要です――と言う物が不要だなんて思ってない。まあとにかく私は別に難しいことをしてるわけではないって事だ。G-01の中にある知識にある人型の設計図に当てはめる確認だからね。これがこれ――という作業を一応はしておいた方が作りやすいって言うね。それだけだ。

 一応パーツ一つ一つの説明とか解説とか色々とある。色々とあるけど、あんまり魔王を待たせるのもね……悪いと思うし、そこらへんは次回以降の課題にしておこう。

「色々とエネルギーだけで足りない物もあるけど?」

「あるじゃ無いですか。足下に沢山使える物が」

「そういう事ね」

 私はG-01でお備えられた物を一気にスキャンする。するとなるほどね。確かにこれらの捧げ物を使えば、ユグドラシルシステムによって全く別の物に変換することで全てのパーツをまかなえそうだ。

 色々とアズバインバカラの人達が訳わかんない物を置いて行ってたおかげ? だね。そんな貴重な物かある訳じゃ無い。寧ろガラクタとか……そんなの物もあるけど、G-01の変換機能的には物質というか、そこにあるという存在の方が大事みたい。無から有を生み出すのに何が一番大変なのかわかるだろうか?

 私はよくわかってないが、つまりは無を有として世界に定着させるのがなかなかに大変なのだ。エネルギーだけで作る場合ね。何故かは知らない。色々と説明には世界の法則に介入にして……とかなんとかあったけどそこら辺を理解出来る頭にするにはまだまだ拡張が必要らしい。

「ねえ、ふと思ったんだけど、これで勇者や魔王と同じような人型のデバイスを作れるとしたら、私もある意味で外に出れるって事だよね?」

『え? 何を言ってるんですか? 貴方はここにいてください。私が行きます』

「はい!?」

 なんか私のワクワク感をぶち壊すような事をさも当然といった感じの声のトーンでAIが言いやがった。いやいやいやいや、これには私は抗議するよ!!

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