転生したらロボットの中だった(ただし、出る事はできません)

ファーストなサイコロ

運命という世界線を壊せ 453

 なんか宵の空間で出した時の目からビームとは威力が違うような……

「あれかな? やっぱり明るいところで観ると印象が違う……みたいな? うん、きっとそうだよね」
『現実逃避してどうするんですか? あれからいくらか目の構造もパーツも変わってるんですから、威力だって変わってますよ。それよりも、このまま直進すると三秒後にアズバインバカラが灰燼に帰しますよ?』
「ふんぬ!!」

 私は無理矢理視線を変えた。いや、ただ前を向いてた首を上に向けただけだけどね。けどそれによってG-01の目からビームが空に向かって消えてく。あっぶねー。思わず私が大量虐殺者になるところだった。まだまだ上手く制御できてないね。何せ感覚が変わってるし。
 いや、そもそもが目からビームなんてまだ出来るようになって数時間だからね。その時間で慣れるって言う方が無茶という物。仲間を巻き込まないようにするのが課題だね。
 既に私的には砂獣なんて眼中にない。確かに多い……でもそれだけ。空に流して目からビームを終わらせて、私は勇者に指示を出す。

『アズバインバカラへの道は開かれました。早く行きなさい』

 とりあえず私は冷静な声を出す。危うくアズバインバカラを消滅させかけるところだったが、そんなのは言わないと分からないのだ。だから私はそれをかくして努めて冷静な声を出す。威厳って大事なんだ。

「分かりました。出発だ!」

 勇者のかけ声で王様達の乗ってる馬車……うん馬車的なそれが動き出した。一応アズバインバカラへと続く直線は砂獣達を一掃したけど、でもそれでも次々と周囲からは湧いてて、既に地面は埋め尽くされるほどの砂獣で溢れてる。

「ジゼロワン殿、私も今日はこっちについた方がいいでしょうか?」

 昨日は私と共に、周囲の砂獣を一掃する側に勇者も回ってた。けど、今日は昨日よりも更に砂獣が多いのは確か。賞金稼ぎの奴等だけでは守り切らないだろうし、砂獣が昨日よりも既に近いってのも勇者がこの提案をしてきた原因だろう。
 けどそれは願ってもないね。私の力……というかG-01の性能と機能は今回の宵でかなり高まってる。どれだけ周囲に影響が出るか……今のところは読めないし、私だけが周囲の掃除に当たって、勇者には護衛に回ってもらった方がこっちとしても安心だ。

『それで行きましょう』

 私はにべもなくそういった。さあ、無限湧きしてこそうな砂獣共に付き合ってもらって性能検証していこうかな?

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