運命という世界線を壊せ　442

「マジかよ」

　私は思わずそんな言葉を発してしまった。だって……だってだよ？　見てよこれ。向こうの攻撃がメッチャ野太いのに対して、G-01の目からビームはメッチャ細い。いや人サイズから見たらG-01の目からビームだって太いとは思う。多分だけど、あたったら上半身消えるくらいは太いと思うよ。でもね。新型サソリ型砂獣バージョン2の攻撃はそれとは比較にならないくらいに大きいのだ。
　でも既に放ってるし、避けることは叶わない。迎え撃つしかないけど、本当にいける？　その不安しかないが……でも信じるしかない！！　

「うおおおおおおいけえええええええええええ！！」

　私は気合いを入れるためにそう叫ぶ。二つの光線がぶつかり合う。かたや野太く凶悪な赤い色をした光線と、こっちは細く静かな黄色い光りだ。それらがぶつかり合ったらどうなるのか……普通はこっちが勝てるわけない。誰もがそう思うと思う。私だって実際懐疑的だ。

　でもこの目からビームだってただで手に入れた代物じゃない。G-01の内部のパーツを更新し、そして得た力だ。実際どれだけG-01の性能がアップしてるかとか、私的にはよくわかってないからね。何せ基本的な性能向上を一気にやってるから齟齬がでまくりでね……でも比較的視界は良い意味であんまり変化はない。
　なんかいつの間にかズーム機能とかついてるし、視界も色々と切り替えることが出来るように成ってるように思うけど、やっぱりこの目の一番の売りはこの目からビームなんだろう。
　目からビームなんてどういう機能だと思うし……どっちかというとネタじゃん。しかもビーム出してる間、視界とかどうなるのかと思ったけど一応ちゃんと確保してある。まあなんか流石に映像が荒くなってる気はするけどね。それに光りが目の前というか……目の中？　から発射されてるわけで、そのせいで視界が悪くなるのはしょうがないかなって思う。

　ぶつかり合った二つの光り。普通にこっちの目からビームは飲み込まれてしまうか？　とか思ったけど、局所的に集中してるからなのか？　目からビームはぶつかった瞬間でも、そんなの気にせずに進んでいく。逆に新型サソリ型砂獣バージョン2の光線はどうだったかというと、逆に進んできたこっちの目からビームの影響で一瞬内側にそのエネルギーが巻き込まれたように見えたと思ったら、それが周囲に拡散して弾けていった。そしてそのまま野太い光線を突っ切って、目からビームは新型サソリ型砂獣バージョン2へ届いたらしい。新型サソリ型砂獣バージョン2の断末魔の叫びがこだまする。

　私は頭を振ってビームを止めて、更にブースターを吹かせて、新型サソリ型砂獣バージョン2の頭を足蹴にして、危機をやり過ごした。

『角のエネルギーの吸収率40パーセントです。内部部品の27パーセントは換装を完了してます』
「よしよし、そのまま続けてよ」

　このままだと鬼の角のエネルギーを全部使ってもG-01の内部パーツを全部換装するのは難しそうだね。でも……かなり一新されるはずだ。それで一体G-01がどうなるのか、なんだか私はわくわくしてる。