転生したらロボットの中だった(ただし、出る事はできません)

ファーストなサイコロ

運命という世界線を壊せ 371

「そもそもが都市核とは何なんだ?」

 この見える範囲の全ての星が都市核と言うこと……それってつまりはそれだけの都市があったと言うことなのだろうか? いや、流石にそんなことは無いような気がする。

 昔……それこそヘメ・レペスとかの時代にはそれだけの都市が……うーんどうだろう。星なんて数えられる単位を超えてるんじゃないか? でも都市とかなら数えられなくなる……なんて事もないよな。それこそ文明が進んでいればいるほどにそうだと思う。

 都市核とはただ今の時代の人たちが、この過酷になってしまった世界で都市を造る為にその力の源が必要で、それに丁度良かったのが、都市核と呼ばれてる謎の物体というだけだろう。

 つまり都市核は、別に都市の核になるために元からある物じゃない――ということだ。

「ふっ!」

 迫ってくる都市核という星達。それを宇宙空間で縦横無尽に動き回ってかわし、弾き、そして切り裂いていく。ステージから出ると、体が浮いたような……そんなおかしな感覚に最初こそ違和感があったが、この体の適応能力なのか、すぐになれることが出来た。自身の周囲に力を拡散させて、体の制御を行うのがポイントみたいだ。そして推進力をその力で得る。

 なにせここでは足場が無く踏ん張りとか効かないからな。自身の体を支えるのにも力がいる。強大な力を繊細かつ大胆に、そして細かく制御しないと、自分の思ったようには動けない。ある意味でそういう細かな操作に慣れる良い場所なのかもしれない。

(まあそんな余裕を見せられてるのも、きっと自分が規格外だからなんだろうが……)

 本当ならこんな場所に放り投げられた時点で詰んでると思われる。なにせ推進力とか得られないと、この場所では移動することもままならない。そうなると、つまりはただの的になるって事だ。

 一つ一つが強大な物体と質量で迫ってくる中、全てを切り裂けるだけのパワーがあるならいいが……そうじゃないならすぐに押しつぶされてしまってただろう。
 実際の所、切り裂いたところで迫ってくる都市核達は勝手に再生もするしをどうしようもないんだが……

「きりが無いな」

 いくらこの中で上手く立ち回れてたとしても、やっぱりここは敵の空間なんだ。敵の支配領域と言って良い。そしてそこに鎮座してた奴を倒してもこうなってしまった。こうなると、元から返す気は無いと思われる。

 ならいつまでもこんな場所に付き合ってる必要は無いだろう。

(どどどど、どうするっすか旦那!)

 焦りまくりのノアの奴が五月蠅い。まあ流石にただの岩の塊……というか純粋な力だけの都市核にはノアにも干渉なんて出来ないからな。一応都市核を奪えたりしないか? とか思って調べてもらってるが、あれだけ固定化されてると外からの干渉が難しいみたいだ。力が固形化してるんだからな。
 その力自体の結びつきが強いから、切り裂いても元に戻ろうとしてるんだろう。自分は都市核を切りながらあることを考えてた。

「どうもこうも、ここから出る。それしかない」
(できるんっすか?)

 それはやってみないとだな。でも実は聖剣を振るう度にこの空間にも傷つけてはいた。そして手応えがあった箇所が何カ所かある。そこを狙えばいける――様な気がしてる。だからとりあえずやってみるしかないだろう。

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