転生したらロボットの中だった(ただし、出る事はできません)

ファーストなサイコロ

運命という世界線を壊せ 357

 宮殿の中に突撃した自分は立ち塞がる奴らを切り結びながら奥へと進んでいた。実際の所はどいつもこいつも再生能力を持ってて、とどめも刺してないから一体も減ってないかもしれないが、今は雑魚に構ってる場合じゃない。

 実際、自分を止めるほどの奴はいないし、これなら最速でボスを目指すのがやっぱり最善の選択。そしてあわよくばこの宮殿の主……いや、この街の主を素早く倒す。それが出来たらジゼロワン殿の手を煩わせることもないだろう。

「とりあえず敵が多い方に来てみたが……どうやら正解だったみたいだな」
(旦那、あんたやっぱり滅茶苦茶だな)

 ノアが頭の中であきれてる。まあそれもそうだろう。普通は敵の多いところになんて飛び込まないからな。そんなのは自殺したい奴がすることだ。
 でも自分ならなんとかなるって確信もあった。そして実際なんとかなってるんだから自分自身の強さって奴を上方修正しても良いかもしれない。

 そんな風に思ってると、雑魚が道を空けて、何やらこれまでと雰囲気が違う三体の砂獣が進み出る。黄金の武具と防具を着けた犬と鳥と、そして象のような頭をした人型の砂獣だ。明らかにこれまでいた奴らよりも力の放出が強い。多分ここを納める奴の次に強い奴らだと思われる。

 それぞれが刀身が波打った剣に、でかい弓、そしてどでかいハンマーを持ってる。

(こういうののセオリーは)

 そう思いつつ自分はすぐに動いた。狙いは弓を持ってる鳥の頭の奴だ。前に出てきた犬頭と象頭の奴の攻撃を躱して後ろに抜ける。そして矢を引いてる鳥頭に迫る。どうやら矢は実態じゃなく力を具現化した物みたいだ。その力はなかなかに凄い。受け流すにしても骨が折れそうな力がほとばしってる。

(タイミングを合わせて……)

 とか思ってたが、奴の行動は早かった。狙いが自分自身だと思うやいなや撃ってきた。それはなんとかかわした。でも……すぐさま鳥頭の砂獣は次の矢を放ってくる。

(あれだけの力を内包した矢を連射できるのか)

 感心してしまう。しかも今度はかわした直後で体勢がまずい。よけれない。けど!

「うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

 聖剣で矢を受け止める。でも受け止めるだけでとどめるわけにはいかない。自分は力を高めて矢を切り裂く。そしてその切り裂いた力が光の刃となって鳥頭の砂獣を両断した。まずは一体だ! といいたいが、後ろに抜けてるのに再び来た道を見るなんて事はしない。なぜなら……今の自分の目標はこいつらを倒すことじゃない。
 ここの親玉を倒すことだからだ。だから自分は倒れていく鳥頭の砂獣の横を通り過ぎて最深部へと向かった。

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