バイオハザード──追憶の断片──

成瀬瑛理

3

国境を越えて見知らぬ土地へと、俺は車に揺られながら向かった。目の前のドライバーと、助手席に座っている男が他愛もない話をしていた。

タバコを一本ふかすと、助手席に座っていた男が俺にタバコを一本譲ってきた。

「あんた、こんな山奥まで一体何しに行くんだ?まさかパーティーじゃないだろうなぁ?」

俺はタバコは吸わない主義だった。差し出されたタバコを拒否すると、男にジョークを飛ばした。

「こんな山奥で男3人でパーティーか?冗談だろ、あいにく俺はそっちの趣味はない」

「…まぁ、あんた達2人ならやりそうにないがな」

俺がジョークを飛ばすと、目の前に座っている2人が笑いだした。

「あはははっ!あんた面白いな。で、本当は何のようだ?」

その質問に後部席から身を乗り出すと、2人に後ろから尋ねた。

「娘をさがしている。あんた達みかけなかったか?」

そう言って写真を見せて尋ねると、男達は首を横に振って答えた。

「ここじゃみかけねぇな。だいたいこんな山奥に若い子は、一人もいないさ。みんな若い子は都会に行ってしまって、いるのは年老いたジーサンバーサンだけだよ」

助手席に座っていた男がそう答えると、俺は黙って写真を胸ポケットに戻した。 


「ついたよ!」



桟橋を渡り、とある山道に辿り着くと、俺は車から降りて2人に一言礼を言った。そして2人から離れて直ぐに。目の前に建っている民家へと足を運んだのだった。

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