白を告げる。
episode 1 白い部屋
雲一つ無い青い空。
無機質な白い空間。
まるで空疎な夢を見ているような感覚に襲われる。
一体私はどうしたのだろうか。
私、椋 鏡花 (くらきょうか)は、何の変哲もない一般的な女子高生だ。
好きでもない勉強をし、
数人の友人と昼休みや放課後を過ごし、
ごく一般的な家庭で親に愛されながら、
平凡な日常を送っていたはずだった。
ここに来るまでの記憶が無い。
両親の顔は思い出せる。
友人の顔は思い出せる。
担任の顔は思い出せる。
ただ、
どんな声だったか思い出せない。
どんな性格だったか思い出せない。
何となく皆が微笑む顔しか思い出せない。
他の記憶もぼんやりと靄がかかっている様に感じる。
──ここはどこだろう。
思考を止めた。
考えれば考えるほど私が私ではないような気がして、胸が何かに押しつぶされそうな恐怖を感じた。
上手く呼吸ができない。
それでも、ここがどこなのか、どう帰ればいいのかを考えなくては。
無機質な白い空間。
まるで空疎な夢を見ているような感覚に襲われる。
一体私はどうしたのだろうか。
私、椋 鏡花 (くらきょうか)は、何の変哲もない一般的な女子高生だ。
好きでもない勉強をし、
数人の友人と昼休みや放課後を過ごし、
ごく一般的な家庭で親に愛されながら、
平凡な日常を送っていたはずだった。
ここに来るまでの記憶が無い。
両親の顔は思い出せる。
友人の顔は思い出せる。
担任の顔は思い出せる。
ただ、
どんな声だったか思い出せない。
どんな性格だったか思い出せない。
何となく皆が微笑む顔しか思い出せない。
他の記憶もぼんやりと靄がかかっている様に感じる。
──ここはどこだろう。
思考を止めた。
考えれば考えるほど私が私ではないような気がして、胸が何かに押しつぶされそうな恐怖を感じた。
上手く呼吸ができない。
それでも、ここがどこなのか、どう帰ればいいのかを考えなくては。
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