異世界にクラス転移された時いじめられてる奴後で大体復讐してくる

かおす

日常が終わった

1

「おい!知樹!」

「っ!な、何?!」

あーあ、あいつまたいじめられてるよ

「ちょっと俺たち宿題忘れちゃってさ、代わりにやってくんない?」

「えっ?でも…」

あいつもあいつだ、断ればいいのに

「じゃ!頼むわー」

ドサドサと机の上に宿題が詰まれる

世間的にはいじめはいじめてる側が一方的に悪いが俺的にはいじめられている側にも問題があるんじゃないかと思っている

実際俺も中学の頃いじめられてたがひたすらに無視し続けたらいじめっ子は俺に飽きたのか何もしてこなくなった

「ちょっと!ちゃんと自分でやらないとダメだよ!」

そしてこのクラス1番の美人であろう北岸が注意する

「ちっ、しょうがねぇ」

あいつらは北岸に言われると素直に動く、クラスの男子らは大体そうなのだが

「知樹くん、大丈夫?」

「えっ?あっ、うん」

これは俺の推測だが北岸は知樹に好意を抱いている気がする、クラスの男どもは気づいてないようだけど女子は気づいているっぽい

俺は特に北岸に興味ないから別にいいや

盗み聞きはほどほどにスマホでWeb小説を読んだ。

なんか面白いのないかな、異世界召喚系は…んー特に無さそう

そういえば異世界召喚系といえばよく知樹みたいにいじめられている奴がクラス転移とかしてもハブられたり追い出されたりするよな

そして大体強くなって復讐してくる、テンプレだなぁ

「あれ?ドアが開かねえ!」

「は?何言って…ほんとだ、壊れたのか?」

なにやらドアの入り口付近で騒いでる奴らがいるな、まあ日常茶飯事か

「なんだ?!床が光って…?!」

「眩しい!」

訂正、日常茶飯事ではないらしい

***

「やった!成功だ!」

「おお!ついに!」

眩しさから解放されるや否や景色が一転した

おいおい、まじでクラス転移したよ…はぁ、家帰ってゲームしたかった、ここにはどうせふかふかな布団なんて珍しいだろうしなぁ

「は?ここどこ??!!」

クラスの誰かがそう叫んだ

「初めまして勇者様方、私はオリエル国の姫マーガレット・オリエルと申します」

俺たちの前に現れたのはこれはこれは異世界でよくある超絶美人な姫さま

みんなその姿に見惚れていた

「突然お呼び出しして申し訳ありません」

みんな見惚れたまま姫の話を聞いている、いや少しくらい反論する奴とか普通いるだろ?おかしいクラスの奴らはこんな静かじゃない

話の内容はなにやら魔王がどうたら言ってたけど忘れた、てかそんな魔王に構ってるよりゲームしたいんだけど

「ステータスと声を出せば皆さんのステータスが見れるはずです」

ふむ、ほんとに異世界だな

「うおー!俺、重戦士だぜ!」

「俺は魔術師」

「私はくノ一?」

と次々職業をみんな明かしている

「皆さんさすがです!上級職ばかりですよ」

聖騎士、忍者、回復術師などなど沢山の職業が出てくるときには錬金術師などと珍しい奴も

「おいみろよ!知樹のやつ戦士だって」

「はは!まじかよ、下級職じゃん!」

「無能はどこに行っても無能なんだな!」

…あいつなんかかわいそうだよな、助けるとかはしないけど

「おお!優のやつ勇者だとよ!」

「やっぱ優かぁ、あいつ顔もいいしあたまもいいしで完璧だもんな」

へぇ、やっぱ勇者っているんだ

「皆さん慣れない場所でお疲れでしょう、1人1人に個室をご用意しましたのでどうか休んでください」

あの姫、親切ぶってるけど絶対裏がありそう

そして個室

はぁ、やっぱり電波繋がらないよなぁ…スマホの充電自体はソーラー充電器持ってるからいけるんだけど

「やっぱりダラダラ生きたいしちょっとの間、真面目に生きるしかないか」

このベットもおそらくこの世界では高品質なんだろうけどとてもふかふかとは言えないし

「目標はダラダラ生きるための家とかその他もろもろ揃える、そして家に帰るかな」

姫情報だと魔王を倒したら神がどうたらこうたら言ってたけどこの手の類いは嘘だし

「ステータス」

真白 雪
レベル1
精霊召喚師

みんなステータスで喜んでたけどこんだけじゃ情報が少なすぎるんだよなぁ

まず精霊召喚師ってなんだよ、精霊召喚するの?どうやって?普通ステータスに力とかHPとかMPとかあるだろ!

「…図書館的な場所に行ったらそれっぽい本あるかな」

おそらく誰かに精霊召喚の話を聞けばいいのだがなんか職業はあまり教えてはいけない気がする

そんなこんなで1時間ほどしたらコンコンとノックの音がした

「雪様、食事が出来あがりました」

「あっはい」

ガチャッとドアを開けるとメイドであろう人が立っていた

なんか驚いているようなそうでないような気がするんだけど、もしかして雪って名前的に女だから女と思ってたのか?確かに女ぽいよな

俺はそのメイドについて行った

「うわっ…」

衝動的に声が出てしまった、なんかもうすごい長いテーブルでなんていうか語彙力がなくなる

俺は極力隅っこに座り目立たず食事を済ませた

全員集まった所でおそらく騎士団長だろうゴリマッチョがこう叫んだ

「明日から前衛職は外で訓練だ!時間を守れよ!」

あーぬくぬくと育った日本人はそんな軍人みたいなことできるのか?まあとりあえず前衛職、ドンマイ

そして次は魔術師か?

「後衛職は魔法の勉強をします」

俺は後衛職?なのか?いや違うな、うん違う、なんで異世界まできて勉強しなきゃいけないんだ、嫌だね、俺は自分で勝手にやるからね

前衛職、後衛職共に何やらテンションが下がったが気にしないどこう

そういえばあの戦士君はどうしてるんだ?あっ遠くの方でまた絡まれてる、さすがに声とかは聞こえないか

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