勇者召喚②

〜翌日〜

「マテア！起きて！」

「うーん、レアくん？おはよ…。」

「おはよ。ほら、ご飯作っといたから食べて。もう少ししたら王城から馬車が迎えに来るんだから。」

「わかった…。ご飯食べてくるね？」

随分と眠そうだな。確かに昨日は疲れたけども普通に。





「レアくん！馬車が来たよ！」

「すっかり目が覚めたんだね。今行くよ！」

「レオ様とマイン様ですね？どうぞお乗り下さい。」

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「ここが王城か…。流石だけど広いな。」

「うん。凄いね！」

「こちらです、レオ様とマイン様。」

『はい。』


「この部屋の奥に我国王アルンド様がいらっしゃいます。どうぞお入り下さい。」

「わかりました。行こっかマテア。」

「うん！」


「ようこそ、王城へ。我はアルンド・ハイム・ギルガデスだ。今日そなた達を呼んだのは勇者の育成係だ。宜しく頼むぞ？あとお前達はEXランクだから敬語はいらん。」

「わかった。で、どこに勇者達がいるの？」

「訓練場で待っておる。」

「そうなんだ。あともう一つ聞きたいことがあるんだけどいい？」

「いいぞ。申してみよ。」

「なんで勇者を召喚したの？僕たちがいるのに。」

「それはお前達の存在を知る前に召喚してしまったからじゃ。レオ殿が魔王を撃退したというのを聞いたのは昨日でな。それが理由じゃな。」

「なるほど。ありがとう。」

「礼には及ばん。それじゃあ頼むぞ。」

『任せて！』



「あれかな？マテア。」

「多分あれだね。召喚されたホヤホヤな感じがするよ。」

「よし、行こう！」



「勇者諸君、今日から訓練が始まるのだが、EXランクの冒険者を教官に置かせて貰った。お二人さん入ってきてくれ。」

「僕はレオ・アルン。気軽にレオって呼んで？君たちと年はあまり変わらなそうだから。」

「私はマイン・マテリア。私も気軽にマインって呼んでくれると嬉しいな。」

「この二人が指導してくれるからわからないところとかがあったらバシバシ聞けよ！あとは頼むぞお二人さん。」

えっと男が14人、女が12人か…。多いな。

「さて、まずは君たちのことを教えて？」

「はい！俺たちは日本という国から来ました。魔法がなく化学が発展した世界で、魔物がいません。そういう場所から来たので是非丁寧に教えてくれると嬉しいです。」

「そこまでかたくなくてもいいよ。それじゃあステータスを開いて？そこにスキルとかがあるはずなんだけど…。」

「昭次あきつぐ！お前スキル持ってないのか！お前はあっちでもこっちでも無能だな！」

「…。」

あの子いじめられてるのかな？助けてあげようかな。

「そこの君。名前は？」

「あ、俺？俺は成本敦。アツシって呼んでくれ。」

「じゃあ、アツシ。お前は人をいじめて楽しいか？」

「こいつをいじめてか？これは日頃のストレスの解消だよ！楽しいも何もないね！」

「ちなみに努力をすればスキルは得られる。だから最初からスキルを持ってなくても大丈夫なんだ。アキツグだっけ？お前も安心していい。最初は誰だって弱いんだから努力すれば大丈夫だ。」

「いじめはよくないよ。でも生き抜くためには力が必要になってくるからくれぐれも訓練さぼっちゃダメだよ？」

「ちッ！わかったよ。」

「みんなもいい？」

『はい！』

よし、訓練を始めようか。