現代社会にモンスターが湧いた件〜生き残るために強くなります〜
57話 ゴブリンキング戦4
『然り。余こそがゴブリンの王。ゴブリンキングである』
返事なんて期待せずに質問したのだが.......あらビックリ。
めちゃくちゃカッコイイ声で返事が帰ってきたではありませんか。
なんか頭の中に声が入ってくるような不思議な感覚である。
「ふぅん、そっか。んじゃ死ね」
相手が誰であろうと関係ない。
俺のやるべき事は、ただ敵を斬ることのみ。
早く骨のある相手に、この刀を試し斬りしたいのだ。
思考が狂人のようだが、あえて気にしないようにする。
『貴様の相手をするのは余ではない。先程のゴブリンジェネラルよりも手強いやつに相手させてやろう』
何やら俺に話し掛けているが、そんな事は無視してゴブリンキングの首に目掛け、刀を一閃した。
しかし突如現れた壁によって防がれてしまう。
「.......おいおい。マジかよ」
否.......壁ではなくゴブリンの巨体によって防がれたのだ。
ゴブリンでもジェネラルになるとボディービルダー顔負けの肉体を持っているのだが、目の前のゴブリンは更に強靭な肉体を持っている。
しかし、それだけでは俺の刀を防いだ理由にはならない。
恐らく、ゴブリンキングが何かしたのだろう。
「鑑定」
ボソッと小さく呟き、相手のステータスを覗いた。
名前無し
レベル57
職業:『拳闘士』『狂戦士』
種族:『ゴブリンジェネラル』
魔力:1390
腕力:3140(2940+200)
防御:2930(2770+160)
俊敏:3025(2855+170)
《スキル》
【体術Lv7】【身体強化10】【腕力強化Lv10】【防御強化Lv6】【俊敏強化Lv7】【剛腕Lv7】【鉄壁Lv8】【狂人化v10】
.......バケモンかよ。
ぜってぇ勝てないじゃん。
.......一応、ゴブリンキングのステータスも確認するか。
『人間よ。余のステータスは覗かぬ方が良いぞ。反動で戦闘不能になるからな』
「ご親切にどうもっ!」
そう叫びながら、俺は迷わずに逃走を選ぶ。
だって俺一人だと死ぬし、仲間もいるんだから、やっぱり皆で戦わないとね!
「展開」
俺はありったけの魔力を込めて周囲に闇を展開した。
周りのゴブリン達を足止めする為だ。
「あのゴブリンジェネラルは.......」
ゴブリンジェネラルの魔力を感じ取りながら逃げたのだが、追ってくる気配はない。
俺は更に速度を上げて、向かってくるゴブリン達を倒しながら逃げたのだった。
◇
「逃げ足だけは1人前だね!」
元の位置に戻って早々、そんな言い方は酷くないか。
確かに逃げたけどさ.......あれは仕方ないだろ。
「魔力以外のステータスが3000なんだけど。戦ったら俺死んじゃうよ?」
「あ.......うん。それは仕方ないね」
魔力以外とはいえ、ステータス3000オーバーはソフィアでも頬を引きつらせてしまう。
「んー、レールガンに頼るしかないかなぁ。でも、近寄らないと当たらないし.......」
「ちなみにゴブリンキングは鑑定を使ったら、即戦闘不能になるほどのステータスをお持ちのようです」
「まじ?」
「まじ」
ゴブリンキングが本当のことを言っていたらなのだが、もしもの事を考えて作戦を練った方がいいだろう。
「もしかしたらスキルを隠したくて言っただけなのかもだけど、本当だったらヤバいし、出し惜しみせずに挑んだ方が良いかもな」
「.......だねぇー。取り敢えず僕も出るよ」
「はいよ」
ソフィアさんも出るなら可能性はある。
少なくともゴブリンジェネラルは必ず倒す。
あれを倒せば、かなりの経験値を得ることが出来るからだ。
「ソフィアさんのレベルはどんくらい?俺は46だけど」
「僕は37だね。ゴーレムが倒した経験値も僕に入るから5つレベル上がったよ」
「は!?何それ。ずるくね?」
「武器で倒しても経験値は得られるんだから、自分のゴーレムでも経験値が入るのは必然でしょ?」
「くっ.......チート野郎めっ!」
「.......それは僕のセリフなんだけど」
俺のどこがチートなんだ?
人よりも再生能力が少し高くて、右手は何でも飲み込んで、保管したり吐き出したり出来るだけな能力だよ。
.......俺が使いこなせてないだけか。
「と、取り敢えずゴブリン倒そうぜ!」
「今露骨に話を逸らしたね」
「.......よし来たぞ!」
ソフィアさんから白い目を向けられているが関係ない!
今は目の前の敵を倒さなければ!
そう心に言い聞かせ、自分を奮い立たせた。
何故か威圧感が高まったゴブリン達に驚いたからだ。
「もしかして.......」
「何か知ってんの?」
ソフィアが何か知っているような素振りを見せているので、敵の攻撃を捌きながら聞く。
つか、こいつらステータス1000あるよな.......なんで、こんなアホみたいに強くなってんの?
魔力も殆ど使っちまったし、いよいよヤバいかもな。
「ゴブリンキングは成長すると【小鬼の軍勢】ていう固有スキルを覚えるんだ.......これが、また厄介な能力で」
「どんな能力?」
「ゴブリンを種類問わず無限増殖させて全ステータス1000プラス。たしか『魔王』くらいの強さになると取得するんだけど.......もし、あのゴブリンキングが魔王クラスなら勝率1パーセント未満だよ」
「.......は?」
『魔王』って何?
ゴブリン無限増殖って何?
俺だけ、この世界について無知過ぎて恥ずかしいんだけど。
それに全ステータスが1000増加するって、ぶっ壊れスキルにも程があんだろ。
.......イヴ手伝ってくんねぇかな。
「おーい。イヴ助けてー!」
これはさすがに死ぬと思い、俺はイヴを呼んだ。
しかし後ろを振り向いてみると、イヴはいびきをかきながらケツをかいていた。
つまり寝ているのである。
「イヴは後でしばく」
「うん。それには僕も賛成」
ソフィアさんならお仕置にピッタリな道具もあるだろうし、生き残ったら絶対に仕返ししてやる。
そう心に決め、俺とソフィアは2体のゴーレムを引き連れ、敵陣へと向かうのだった。
返事なんて期待せずに質問したのだが.......あらビックリ。
めちゃくちゃカッコイイ声で返事が帰ってきたではありませんか。
なんか頭の中に声が入ってくるような不思議な感覚である。
「ふぅん、そっか。んじゃ死ね」
相手が誰であろうと関係ない。
俺のやるべき事は、ただ敵を斬ることのみ。
早く骨のある相手に、この刀を試し斬りしたいのだ。
思考が狂人のようだが、あえて気にしないようにする。
『貴様の相手をするのは余ではない。先程のゴブリンジェネラルよりも手強いやつに相手させてやろう』
何やら俺に話し掛けているが、そんな事は無視してゴブリンキングの首に目掛け、刀を一閃した。
しかし突如現れた壁によって防がれてしまう。
「.......おいおい。マジかよ」
否.......壁ではなくゴブリンの巨体によって防がれたのだ。
ゴブリンでもジェネラルになるとボディービルダー顔負けの肉体を持っているのだが、目の前のゴブリンは更に強靭な肉体を持っている。
しかし、それだけでは俺の刀を防いだ理由にはならない。
恐らく、ゴブリンキングが何かしたのだろう。
「鑑定」
ボソッと小さく呟き、相手のステータスを覗いた。
名前無し
レベル57
職業:『拳闘士』『狂戦士』
種族:『ゴブリンジェネラル』
魔力:1390
腕力:3140(2940+200)
防御:2930(2770+160)
俊敏:3025(2855+170)
《スキル》
【体術Lv7】【身体強化10】【腕力強化Lv10】【防御強化Lv6】【俊敏強化Lv7】【剛腕Lv7】【鉄壁Lv8】【狂人化v10】
.......バケモンかよ。
ぜってぇ勝てないじゃん。
.......一応、ゴブリンキングのステータスも確認するか。
『人間よ。余のステータスは覗かぬ方が良いぞ。反動で戦闘不能になるからな』
「ご親切にどうもっ!」
そう叫びながら、俺は迷わずに逃走を選ぶ。
だって俺一人だと死ぬし、仲間もいるんだから、やっぱり皆で戦わないとね!
「展開」
俺はありったけの魔力を込めて周囲に闇を展開した。
周りのゴブリン達を足止めする為だ。
「あのゴブリンジェネラルは.......」
ゴブリンジェネラルの魔力を感じ取りながら逃げたのだが、追ってくる気配はない。
俺は更に速度を上げて、向かってくるゴブリン達を倒しながら逃げたのだった。
◇
「逃げ足だけは1人前だね!」
元の位置に戻って早々、そんな言い方は酷くないか。
確かに逃げたけどさ.......あれは仕方ないだろ。
「魔力以外のステータスが3000なんだけど。戦ったら俺死んじゃうよ?」
「あ.......うん。それは仕方ないね」
魔力以外とはいえ、ステータス3000オーバーはソフィアでも頬を引きつらせてしまう。
「んー、レールガンに頼るしかないかなぁ。でも、近寄らないと当たらないし.......」
「ちなみにゴブリンキングは鑑定を使ったら、即戦闘不能になるほどのステータスをお持ちのようです」
「まじ?」
「まじ」
ゴブリンキングが本当のことを言っていたらなのだが、もしもの事を考えて作戦を練った方がいいだろう。
「もしかしたらスキルを隠したくて言っただけなのかもだけど、本当だったらヤバいし、出し惜しみせずに挑んだ方が良いかもな」
「.......だねぇー。取り敢えず僕も出るよ」
「はいよ」
ソフィアさんも出るなら可能性はある。
少なくともゴブリンジェネラルは必ず倒す。
あれを倒せば、かなりの経験値を得ることが出来るからだ。
「ソフィアさんのレベルはどんくらい?俺は46だけど」
「僕は37だね。ゴーレムが倒した経験値も僕に入るから5つレベル上がったよ」
「は!?何それ。ずるくね?」
「武器で倒しても経験値は得られるんだから、自分のゴーレムでも経験値が入るのは必然でしょ?」
「くっ.......チート野郎めっ!」
「.......それは僕のセリフなんだけど」
俺のどこがチートなんだ?
人よりも再生能力が少し高くて、右手は何でも飲み込んで、保管したり吐き出したり出来るだけな能力だよ。
.......俺が使いこなせてないだけか。
「と、取り敢えずゴブリン倒そうぜ!」
「今露骨に話を逸らしたね」
「.......よし来たぞ!」
ソフィアさんから白い目を向けられているが関係ない!
今は目の前の敵を倒さなければ!
そう心に言い聞かせ、自分を奮い立たせた。
何故か威圧感が高まったゴブリン達に驚いたからだ。
「もしかして.......」
「何か知ってんの?」
ソフィアが何か知っているような素振りを見せているので、敵の攻撃を捌きながら聞く。
つか、こいつらステータス1000あるよな.......なんで、こんなアホみたいに強くなってんの?
魔力も殆ど使っちまったし、いよいよヤバいかもな。
「ゴブリンキングは成長すると【小鬼の軍勢】ていう固有スキルを覚えるんだ.......これが、また厄介な能力で」
「どんな能力?」
「ゴブリンを種類問わず無限増殖させて全ステータス1000プラス。たしか『魔王』くらいの強さになると取得するんだけど.......もし、あのゴブリンキングが魔王クラスなら勝率1パーセント未満だよ」
「.......は?」
『魔王』って何?
ゴブリン無限増殖って何?
俺だけ、この世界について無知過ぎて恥ずかしいんだけど。
それに全ステータスが1000増加するって、ぶっ壊れスキルにも程があんだろ。
.......イヴ手伝ってくんねぇかな。
「おーい。イヴ助けてー!」
これはさすがに死ぬと思い、俺はイヴを呼んだ。
しかし後ろを振り向いてみると、イヴはいびきをかきながらケツをかいていた。
つまり寝ているのである。
「イヴは後でしばく」
「うん。それには僕も賛成」
ソフィアさんならお仕置にピッタリな道具もあるだろうし、生き残ったら絶対に仕返ししてやる。
そう心に決め、俺とソフィアは2体のゴーレムを引き連れ、敵陣へと向かうのだった。
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