現代社会にモンスターが湧いた件〜生き残るために強くなります〜
51話 【吸血】と新たな職業
ソフィアがゴーレム改造をしている間、俺は新しいスキル【吸血】の検証をする事にした。
まだ一度も使用しておらず、スキルの性能を確認していなかったからだ。
しかしソフィアから聞いた話では、普通のスキルでありながら《固有スキル》に匹敵する能力らしい。
だから期待は大きい。
「取り敢えず【暴食の右腕】に保管していたオーガを全て吸収っと」
道中で出会ったオーガ達の数は20匹程。
オーガを倒した後は、そのまま【暴食の右腕】に保管して倉庫内で【吸血】で吸収する事にしていたのだ。
その方が廊下で吸収するよりも圧倒的に安全性が高い。
痛覚が無くなった右腕の中で"何かを喰らう"という不思議な感覚になりながら、ソフィアの作業をじっと見つめていた。
『オーガを【暴食の右腕】と【吸血】を使用して捕食しました』
『レベルが36から40に上がりました』
『職業の選択をしてください
選択可能な派生職業
・『武士』
・『剣豪』
以上が選択可能な職業です』
『一定の熟練度まで達しました』
『スキル【吸血】のレベルが1から2に上がりました』
『一定の熟練度まで達しました』
『スキル【吸血】のレベルが2から3に上がりました』
「っ!?上がりすぎだろ.......」
数秒後、捕食完了の声が頭の中で響いた後、レベルの上がり幅のおかしさに思わず声を上げそうになる。
オーガを20匹【暴食の右腕】と【吸血】を捕食しただけで、レベルが4つも上がったのだ。
そして、おまけとばかりに【吸血】のスキルレベルも2つ上がった。
もっと強いモンスターを食ったらどうなるんだろ。
ソフィアという格上と戦う時のみ頼もしい仲間がいるので、上手くいけば今まで以上の速度でレベル上げが可能だかもしれない。
いや、確実に可能だろう。
「でもまぁ、レベル上げはやりやすくなるけど、その分だけ命がかかってリスクが高くなる。だから却下だな」
と言って、そんな馬鹿な考えを捨てる。
「我としてはリスクを負ってでも強くなってもらいたいのだがな」
「は?なんで?」
確かに安全な場所が無い今の世界では、命を懸けてレベル上げをするのも一つの選択肢だろう。
しかし俺には家族と再会するという目的がある。
それまで死ねないのだ。
だから思わず聞き返してしまった。
「.......えっと、それはだな」
何か隠し事でもあるのか視線をキョロキョロ動かしていた。
無駄に強いくせに思った事が顔に出てくるのは、短い付き合いながらも既に理解している。
「.......何を隠してんだ?」
今聞かなければ面倒事.......いや、危険な事に巻き込まれる気がしたので、イヴの両肩をがっしりと掴みながら迫った。
「あ、あれだ!そう!我がいつも主のそばにいるとは限らぬから少しでも早く強くなって欲しいだけの事だ!だから何も気にせんで良いぞ」
「.......そっか」
今言ったことも本音だとは分かるが、他にも隠し事があるのはバレバレである。
しかし無理に聞き出そうとしても、イヴが話してくれるとは思えないし、俺にとって不利益になるような事はしないだろう。
そんな確信めいた考えを抱きながらも、やはり聞いた方が良いのだろうかと思ったが、その考えは頭の隅に置いといた。
いつも喧嘩ばかりしているし出会ってから間もないが、なんだかんだ言って信頼しているのだ。
「取り敢えず次のジョブを選ばないとな」
レベルが20上がったので、次の派生職業を選ばなければならないのだ。
選択肢の中にある職業は『武士』と『剣豪』.......『剣豪』って明らかに『武士』よりも上の職業だよな。
なんでレベル40で選べるんだ?
そんな疑問が浮かんだので、イヴには聞いてみる事にした。
「なんか『剣豪』っていう凄そうなのがあるんだけど.......これってどんなジョブなの?」
もしかしたら異世界では『剣豪』というのは大した職業では無いかもしれない。
しかし、この世界では剣の達人という意味なので、子供の頃から武を嗜んでいる俺としては気になるところだ。
「ほぅ.......『剣豪』か。【剣術】のスキルレベルが7になったら選択できるジョブだな。主は【武術】のスキルレベルが7になっていたから選択肢に現れたのだろう」
俺が持っているスキル【武術】とは、【剣術】や【体術】など武系スキルを一つに合わせたようなスキルなのだ。
だからスキルレベルが7になったのに合わせて選択できるようになったという事だろう。
「まぁ、イヴに扱かれてたら嫌でもスキルレベルが上がるよなぁ.......」
俺は遠い目をしながら呟く。
イヴと戦っていると知らないうちにスキルレベルが上がったりするので、こまめにステータスを覗かなければ把握しきる事が出来ないのだ。
「元のジョブによってステータスの成長度が変わったり取得するスキルが変わるからなって損はしないだろう。我のオススメだぞ」
「おぉ!確かに強そうなジョブだな」
『武士』という未知の職業を選ぶというのも一つの手だが、あまり強そうでもないし『侍』を選んだ時のように有用なスキルを貰えるとは限らない。
元の職業によってステータスの成長速度や取得スキルが変化するという事は、未知の職業を選んでギャンブルじみた事をする必要が無い.......という事だろう。
イヴがオススメと言う程なので、ハズレ職業ではない筈だ。
前から思っていたのだが、こういうところの知識面ではソフィアにも勝るのではないだろうか。
そう思ってしまうほどイヴの知識は豊富なのだ。
「もうそろそろでソフィアの作業も終わりそうだぞ。はよ選ばんか」
「はいはい。分かってるよ。そんな急かすなって」
そして俺は迷わずに新たな職業を選んだ。
『職業『剣豪』を取得しました』
『スキル【刀術】を取得しました』
『【刀術】は既存の同一スキルに統合されます』
『スキル【抜刀術】を取得しました』
『【抜刀術】は既存の同一スキルに統合されます』
『スキル【斬撃】を取得しました』
『【斬撃】は既存の同一スキルに統合されます』
『スキル【超加速】を取得しました』
『スキル【身体超強化】を取得しました』
『スキル【身体強化】は【身体超強化】に統合されます』
『スキル【身体超強化】のレベルが1から2に上がりました』
『スキル【俊敏超強化】を取得しました』
『スキル【俊敏強化】は【俊敏超強化】に統合されます』
『スキル【俊敏超強化】のレベルが1から2に上がりました』
『残りの経験値を獲得します』
『レベルが40から41に上がりました』
まだ一度も使用しておらず、スキルの性能を確認していなかったからだ。
しかしソフィアから聞いた話では、普通のスキルでありながら《固有スキル》に匹敵する能力らしい。
だから期待は大きい。
「取り敢えず【暴食の右腕】に保管していたオーガを全て吸収っと」
道中で出会ったオーガ達の数は20匹程。
オーガを倒した後は、そのまま【暴食の右腕】に保管して倉庫内で【吸血】で吸収する事にしていたのだ。
その方が廊下で吸収するよりも圧倒的に安全性が高い。
痛覚が無くなった右腕の中で"何かを喰らう"という不思議な感覚になりながら、ソフィアの作業をじっと見つめていた。
『オーガを【暴食の右腕】と【吸血】を使用して捕食しました』
『レベルが36から40に上がりました』
『職業の選択をしてください
選択可能な派生職業
・『武士』
・『剣豪』
以上が選択可能な職業です』
『一定の熟練度まで達しました』
『スキル【吸血】のレベルが1から2に上がりました』
『一定の熟練度まで達しました』
『スキル【吸血】のレベルが2から3に上がりました』
「っ!?上がりすぎだろ.......」
数秒後、捕食完了の声が頭の中で響いた後、レベルの上がり幅のおかしさに思わず声を上げそうになる。
オーガを20匹【暴食の右腕】と【吸血】を捕食しただけで、レベルが4つも上がったのだ。
そして、おまけとばかりに【吸血】のスキルレベルも2つ上がった。
もっと強いモンスターを食ったらどうなるんだろ。
ソフィアという格上と戦う時のみ頼もしい仲間がいるので、上手くいけば今まで以上の速度でレベル上げが可能だかもしれない。
いや、確実に可能だろう。
「でもまぁ、レベル上げはやりやすくなるけど、その分だけ命がかかってリスクが高くなる。だから却下だな」
と言って、そんな馬鹿な考えを捨てる。
「我としてはリスクを負ってでも強くなってもらいたいのだがな」
「は?なんで?」
確かに安全な場所が無い今の世界では、命を懸けてレベル上げをするのも一つの選択肢だろう。
しかし俺には家族と再会するという目的がある。
それまで死ねないのだ。
だから思わず聞き返してしまった。
「.......えっと、それはだな」
何か隠し事でもあるのか視線をキョロキョロ動かしていた。
無駄に強いくせに思った事が顔に出てくるのは、短い付き合いながらも既に理解している。
「.......何を隠してんだ?」
今聞かなければ面倒事.......いや、危険な事に巻き込まれる気がしたので、イヴの両肩をがっしりと掴みながら迫った。
「あ、あれだ!そう!我がいつも主のそばにいるとは限らぬから少しでも早く強くなって欲しいだけの事だ!だから何も気にせんで良いぞ」
「.......そっか」
今言ったことも本音だとは分かるが、他にも隠し事があるのはバレバレである。
しかし無理に聞き出そうとしても、イヴが話してくれるとは思えないし、俺にとって不利益になるような事はしないだろう。
そんな確信めいた考えを抱きながらも、やはり聞いた方が良いのだろうかと思ったが、その考えは頭の隅に置いといた。
いつも喧嘩ばかりしているし出会ってから間もないが、なんだかんだ言って信頼しているのだ。
「取り敢えず次のジョブを選ばないとな」
レベルが20上がったので、次の派生職業を選ばなければならないのだ。
選択肢の中にある職業は『武士』と『剣豪』.......『剣豪』って明らかに『武士』よりも上の職業だよな。
なんでレベル40で選べるんだ?
そんな疑問が浮かんだので、イヴには聞いてみる事にした。
「なんか『剣豪』っていう凄そうなのがあるんだけど.......これってどんなジョブなの?」
もしかしたら異世界では『剣豪』というのは大した職業では無いかもしれない。
しかし、この世界では剣の達人という意味なので、子供の頃から武を嗜んでいる俺としては気になるところだ。
「ほぅ.......『剣豪』か。【剣術】のスキルレベルが7になったら選択できるジョブだな。主は【武術】のスキルレベルが7になっていたから選択肢に現れたのだろう」
俺が持っているスキル【武術】とは、【剣術】や【体術】など武系スキルを一つに合わせたようなスキルなのだ。
だからスキルレベルが7になったのに合わせて選択できるようになったという事だろう。
「まぁ、イヴに扱かれてたら嫌でもスキルレベルが上がるよなぁ.......」
俺は遠い目をしながら呟く。
イヴと戦っていると知らないうちにスキルレベルが上がったりするので、こまめにステータスを覗かなければ把握しきる事が出来ないのだ。
「元のジョブによってステータスの成長度が変わったり取得するスキルが変わるからなって損はしないだろう。我のオススメだぞ」
「おぉ!確かに強そうなジョブだな」
『武士』という未知の職業を選ぶというのも一つの手だが、あまり強そうでもないし『侍』を選んだ時のように有用なスキルを貰えるとは限らない。
元の職業によってステータスの成長速度や取得スキルが変化するという事は、未知の職業を選んでギャンブルじみた事をする必要が無い.......という事だろう。
イヴがオススメと言う程なので、ハズレ職業ではない筈だ。
前から思っていたのだが、こういうところの知識面ではソフィアにも勝るのではないだろうか。
そう思ってしまうほどイヴの知識は豊富なのだ。
「もうそろそろでソフィアの作業も終わりそうだぞ。はよ選ばんか」
「はいはい。分かってるよ。そんな急かすなって」
そして俺は迷わずに新たな職業を選んだ。
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『【刀術】は既存の同一スキルに統合されます』
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