現代社会にモンスターが湧いた件〜生き残るために強くなります〜
50話 兵器
「んーっ!めっちゃスッキリしたぁぁ」
まるで雨上がり後の青空を見た時のような気分になりながら、俺は体を思いっきり伸ばして両腕を上げた。
「うぅ.......頭が痛いよぉ.......」
その一方、ソフィアは頭を両手で抱えながら、痛みで顔を歪めていた。
別に頭を殴ったわけではない。
ただ頭を鷲掴みにして 600越えの腕力を最大限活かしただけだ。
まぁ.......ちょっとだけ強めに握ったことは否定しないが"左手"で掴んだし、それなりに手加減はしたつもりだ。
「ふっ.......女相手にも容赦ないな。主はそういう趣味があるのか?」
「え?そうだったの?道理で楽しそうな顔をしてた訳だ!」
痛みで頭を抱えていたソフィアだったが、イヴが放った言葉に興味津々という表情をして顔を上げた。
.......さては反省しとらんな?
まぁ、それよりも大事なことがある。
「違うわ!」
すぐに否定しなければ取り返しのつかないことになる.......そんな予感がした俺は、即座に否定した。
「えぇ、なんだぁ。違ったのかぁ」
「おいコラ。おまえ本当に反省してんのか?」
「全くしてません!」
言い切りやがったコイツ.......もう少し強めの方が良かったか。
「.......次は【暴食の右腕】と【剛腕】を使いながらにするか.......」
そう呟くと、ソフィアは先程の態度が嘘だったかのように綺麗な切り替えをした。
「本当は反省しております!」
ソフィアはベテラン軍人のような美しい敬礼をした。
まぁ、【暴食の右腕】と【剛腕】使って頭を鷲掴みにしたら普通に潰れるしな。
さすがのソフィアでも、それは嫌だったのだろう。
「お巫山戯はここまでにして中に入りますか」
「ぶぅ.......なんか納得がいかない」
「はいはい。んな事はどうでもいいから早くしな」
早く開けるように急かすと、ソフィアは文句を言いながらも窪みに付いてるパネルに五本の指で触れて開いた。
どうやら顔認証だけでなく、指紋認証もしなければ開かないようだ。
何故かは知らないが。
「.......何だこれ?日本に置いていいものが一つも無いぞ」
「なんか変な形をした物が沢山置いてあるな」
壁のような扉が床に吸い込まれるように動くと、中には日本で所持したら捕まるような物ばかりが置いてあった。
「これって銃じゃねぇか。銃刀法違反で捕まんないのか?」
腰辺りの高さがある円柱の真っ白な台座に銃や刀、そして映画で見たことがあるような兵器が大量に並べてあった。
「大丈夫だよ。だって中身は空っぽだから、ただのレプリカと変わらないし」
「え、そうなのか?じゃあ、大丈夫.......なのか?」
「まぁ、中身に組み込むパーツは全部完成済みだから、あとは組み立てるだけだけどね」
「ダメじゃねぇか!」
いや、完成させなければ武器として使うことは出来ないし、ギリギリセーフなのか?ダメだ.......憲法とか法律は全くと言って良いほど分かんない。
「ふむ。初めて見るものばかりだな」
魔法が栄えたファンタジー世界には化学兵器というものが無いのか、それともイヴが世間知らずだから知らないのかは分からないが、ソフィアが作った作品を物珍しく見ていた。
「イヴがいた世界には無かったのか?例えば銃とか」
確か16世紀くらいピストルが作られていたから、誰かが似たような物を発明してそうなんだけどなぁ。
それこそ銃の元になった武器は、さらに昔から発明されていたらしいし。
そんなことを考えながら、イヴから聞いた異世界の話を思い出していた。
話を聞いた限りでは、そこまで文明レベルは低くはなかった。
まぁ、その殆どは魔道具という魔法を利用した道具のお陰らしいが。
「我は知らんな。見たのも聞いたのも、この世界で初めてだ。その銃とやらも魔法が無い世界だからこそ生まれた武器なのかもしれん」
「なるほど.......確かにそうかもな」
イヴくらい強いやつに武器は必要なさそうだしな。
剣一本で山を真っ二つにする化け物もいるらしいし、そういう奴らには不要な武器だろう。
「んー、どこに置いたっけなぁ.......ここ辺りにある筈なんだけど」
俺とイヴが話し込んでいる中、ソフィアは夢中になって何かを探している。
ここまで一生懸命になって探すという事は、よほど大切なものなのだろう。
「.......!あった!」
ソフィアが倉庫内を隅々まで探し回ってから5分くらい経った頃、やっと見つけることが出来たようで、子供が親から新しい玩具を貰った時のような明るい顔をしていた。
「何を見つけたんだ?」
何を見つけたのか気になったので、聞いてみた。
ただ、その大きな筒状の武器らしき物を見れば、かなり物騒な武器であることは簡単に想像できる。
「レールガン」
てっきり新しい刀や槍、若しくは銃を探しているのかと思っていたのだが、予想の斜め上を行った武器.......いや、もはや兵器だ。
「えっとね。あとは組み立てるだけだから、折角だしゴーレムにくっ付けようかなと思って。どう?カッコよくなりそうだよね!」
「う、うん。確かに俺は男だし心惹かれる魅力的な提案だけど.......ちょっと驚いただけだよ」
「そうなの?.......取り敢えず『錬金術』と『魔術』を使えば遅くて20分くらいで完成するから少し待っててね」
「分かった」
それが長いか短いのかは知らないが、20分程度なら待つのは苦では無いし、倒したオーガを【吸血】で経験値にするか。
そんなことを考えている間に作業の準備を進めていたソフィアは、【収納空間】からゴーレムを一体だけ取り出していた。
「んじゃ、俺はオーガでも食って待ってるわ。イヴも行くぞ」
「うむ」
そう言って、俺とイヴは倉庫の隅へと移動した。
邪魔にならないようにする為だ。
ソフィアの方に目を向けてみると、さっそく始めているようで、俺では理解できないような複雑な魔法陣を展開しており、普段では見ることの出来ない真剣な表情で、作業をしていたのだった。
まるで雨上がり後の青空を見た時のような気分になりながら、俺は体を思いっきり伸ばして両腕を上げた。
「うぅ.......頭が痛いよぉ.......」
その一方、ソフィアは頭を両手で抱えながら、痛みで顔を歪めていた。
別に頭を殴ったわけではない。
ただ頭を鷲掴みにして 600越えの腕力を最大限活かしただけだ。
まぁ.......ちょっとだけ強めに握ったことは否定しないが"左手"で掴んだし、それなりに手加減はしたつもりだ。
「ふっ.......女相手にも容赦ないな。主はそういう趣味があるのか?」
「え?そうだったの?道理で楽しそうな顔をしてた訳だ!」
痛みで頭を抱えていたソフィアだったが、イヴが放った言葉に興味津々という表情をして顔を上げた。
.......さては反省しとらんな?
まぁ、それよりも大事なことがある。
「違うわ!」
すぐに否定しなければ取り返しのつかないことになる.......そんな予感がした俺は、即座に否定した。
「えぇ、なんだぁ。違ったのかぁ」
「おいコラ。おまえ本当に反省してんのか?」
「全くしてません!」
言い切りやがったコイツ.......もう少し強めの方が良かったか。
「.......次は【暴食の右腕】と【剛腕】を使いながらにするか.......」
そう呟くと、ソフィアは先程の態度が嘘だったかのように綺麗な切り替えをした。
「本当は反省しております!」
ソフィアはベテラン軍人のような美しい敬礼をした。
まぁ、【暴食の右腕】と【剛腕】使って頭を鷲掴みにしたら普通に潰れるしな。
さすがのソフィアでも、それは嫌だったのだろう。
「お巫山戯はここまでにして中に入りますか」
「ぶぅ.......なんか納得がいかない」
「はいはい。んな事はどうでもいいから早くしな」
早く開けるように急かすと、ソフィアは文句を言いながらも窪みに付いてるパネルに五本の指で触れて開いた。
どうやら顔認証だけでなく、指紋認証もしなければ開かないようだ。
何故かは知らないが。
「.......何だこれ?日本に置いていいものが一つも無いぞ」
「なんか変な形をした物が沢山置いてあるな」
壁のような扉が床に吸い込まれるように動くと、中には日本で所持したら捕まるような物ばかりが置いてあった。
「これって銃じゃねぇか。銃刀法違反で捕まんないのか?」
腰辺りの高さがある円柱の真っ白な台座に銃や刀、そして映画で見たことがあるような兵器が大量に並べてあった。
「大丈夫だよ。だって中身は空っぽだから、ただのレプリカと変わらないし」
「え、そうなのか?じゃあ、大丈夫.......なのか?」
「まぁ、中身に組み込むパーツは全部完成済みだから、あとは組み立てるだけだけどね」
「ダメじゃねぇか!」
いや、完成させなければ武器として使うことは出来ないし、ギリギリセーフなのか?ダメだ.......憲法とか法律は全くと言って良いほど分かんない。
「ふむ。初めて見るものばかりだな」
魔法が栄えたファンタジー世界には化学兵器というものが無いのか、それともイヴが世間知らずだから知らないのかは分からないが、ソフィアが作った作品を物珍しく見ていた。
「イヴがいた世界には無かったのか?例えば銃とか」
確か16世紀くらいピストルが作られていたから、誰かが似たような物を発明してそうなんだけどなぁ。
それこそ銃の元になった武器は、さらに昔から発明されていたらしいし。
そんなことを考えながら、イヴから聞いた異世界の話を思い出していた。
話を聞いた限りでは、そこまで文明レベルは低くはなかった。
まぁ、その殆どは魔道具という魔法を利用した道具のお陰らしいが。
「我は知らんな。見たのも聞いたのも、この世界で初めてだ。その銃とやらも魔法が無い世界だからこそ生まれた武器なのかもしれん」
「なるほど.......確かにそうかもな」
イヴくらい強いやつに武器は必要なさそうだしな。
剣一本で山を真っ二つにする化け物もいるらしいし、そういう奴らには不要な武器だろう。
「んー、どこに置いたっけなぁ.......ここ辺りにある筈なんだけど」
俺とイヴが話し込んでいる中、ソフィアは夢中になって何かを探している。
ここまで一生懸命になって探すという事は、よほど大切なものなのだろう。
「.......!あった!」
ソフィアが倉庫内を隅々まで探し回ってから5分くらい経った頃、やっと見つけることが出来たようで、子供が親から新しい玩具を貰った時のような明るい顔をしていた。
「何を見つけたんだ?」
何を見つけたのか気になったので、聞いてみた。
ただ、その大きな筒状の武器らしき物を見れば、かなり物騒な武器であることは簡単に想像できる。
「レールガン」
てっきり新しい刀や槍、若しくは銃を探しているのかと思っていたのだが、予想の斜め上を行った武器.......いや、もはや兵器だ。
「えっとね。あとは組み立てるだけだから、折角だしゴーレムにくっ付けようかなと思って。どう?カッコよくなりそうだよね!」
「う、うん。確かに俺は男だし心惹かれる魅力的な提案だけど.......ちょっと驚いただけだよ」
「そうなの?.......取り敢えず『錬金術』と『魔術』を使えば遅くて20分くらいで完成するから少し待っててね」
「分かった」
それが長いか短いのかは知らないが、20分程度なら待つのは苦では無いし、倒したオーガを【吸血】で経験値にするか。
そんなことを考えている間に作業の準備を進めていたソフィアは、【収納空間】からゴーレムを一体だけ取り出していた。
「んじゃ、俺はオーガでも食って待ってるわ。イヴも行くぞ」
「うむ」
そう言って、俺とイヴは倉庫の隅へと移動した。
邪魔にならないようにする為だ。
ソフィアの方に目を向けてみると、さっそく始めているようで、俺では理解できないような複雑な魔法陣を展開しており、普段では見ることの出来ない真剣な表情で、作業をしていたのだった。
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