現代社会にモンスターが湧いた件〜生き残るために強くなります〜

S・R

24話 初めての迷宮〜その4〜

 色々と忙して投稿が遅れてしまいました。
 申し訳ございません。




「はぁぁぁ.......やっと終わったぁ」

 あれから、約15分ほどで残り50匹のゴブリンを殲滅することが出来た。
 大人ゴブリンも10数体出てきたが、他よりも少しステータスが高くて賢いくらいしか違いがないので、あまり苦労せずに倒せた。

『ゴブリン、ゴブリンアーチャー、ホブゴブリンの討伐を確認』
『レベルが1から11に上がりました』

 俺が適当に名付けた『大人ゴブリン』って本当は『ホブゴブリン』って名前なのか.......ってか!

「あんだけ倒したのに10しかレベル上がってねぇじゃん!」

 俺はイラついて地団駄を踏んだ。
 見兼ねたイヴは「よっこらしょ」と言いながら、地面から立ち上がって俺の方へ歩いてきた。
 そして、イヴは口を開き当然の事のように言う。

「自分よりも弱い奴を倒しても簡単にレベルが上がるはずないだろう」
「はぁ.......まぁ、ガッカリしたけど確かに自分より弱い奴と戦っても強くはならないか」

 と言って、俺は納得する。
 だが、あれだけの数のモンスターを倒してレベルが少ししか上がらなかったので、やはりレベル上げはキツイものだと改めて認識した。
 アホみたいな数のモンスターと戦うことになるし、レベルは少ししか上がらねぇしで良いことねぇなぁ.......ん?

「あれって.......た、宝箱か!?」

 モンスターとの戦闘で疲れている中、このだだっ広い部屋のド真ん中にポツンと銀色に輝く宝箱が置いてあった。

「おぉ、銀色の宝箱か。これは良い物が入っているかもしれんな」
「宝箱の色によって中に入ってる物の価値が変わるのか?」
「いや、知らんな。ただ銀や金の宝箱にハズレが無いと聞いたことがあるだけだ」

 その言い方だもハズレがあるということか。
 銀色で良かった.......あんな数のモンスターと戦ったのに中にはゴブリンの目ん玉でした.......とかだったら発狂する自信がある。

「そんじゃ、さっそく開けようぜ!」
「うむ」

 そして、俺は宝箱を開けた。
 中に入っていた物は.......

「なにこれ?玉?」

 手のひらサイズの玉だった。
 見た目的には凄そうな物には見えないんだけど.......ハズレじゃないよね?まさか!本当にゴブリンの目ん玉だったりしないよね!?という視線をイヴに向けた。

「良かったではないか!これはスキルオーブだぞ」
「スキルオーブってなに?」
「スキルオーブとは砕いたらスキルを得ることが出来る玉のことだ。これは大当たりだぞ」
「おぉ!スキルを覚えることが出来る玉か!大当たりじゃねぇか!それで何のスキルを取得できるんだ?」

 取得できるスキルが気になり、俺はワクワクしながらイヴに聞いた。
 そして、イヴは【万物鑑定】でスキルオーブを調べる。

「.......これは【鑑定】のスキルオーブだな」
「【鑑定】てイヴが持ってる【万物鑑定】みたいなもんか?」
「うむ。我が持つスキルの下位互換だな。しかし、極めれば【万物鑑定】に近い能力、もしくは同じスキルに変化することもあるかもしれん」

 確か、イヴの【万物鑑定】は"ありとあらゆるもの全て"を鑑定し、理解することが出来る能力だったよな。
 そんな能力を持ってたら便利そうだ。

「まぁ、そこまでに至るまで、この我でも数年かかったのだ!お前では数十年、いや数百年はかかるであろうな!ワッハッハー!」

 俺に物事を教えてくれている時は物知りな"出来る女"て感じなのだが、最後に威張ったりしてるせいで台無しである。

「まぁいいや。さっそく砕いて【鑑定】を取得するか!」

 そして、俺は【鑑定】のスキルオーブを砕いた。
 砕かれたスキルオーブは真っ白で綺麗な霧となり、俺の体の中へと浸透していった。

「.......?これで取得したって事で良いの?」
「うむ。ステータスを見てみるのだ」
「了解」

 俺は言われるがままにステータスを開く。

佐藤さとう そら
レベル11
職業ジョブ:『剣士』
種族:『魔人』
魔力:313
腕力:158(138+20)
防御:158(138+20)
俊敏:158(138+20)
《固有スキル》
【暴食の右腕】
《スキル》
【武術Lv5】【狙撃Lv2】【集中Lv5】【冷静Lv4 】【家事Lv2】【思考速度上昇Lv5】【観察Lv4】【威圧Lv4】【回避Lv4】【斬撃Lv1】【身体強化Lv2 】【鑑定Lv1】

「おぉ!ステータスが全て倍以上になってる!」
「やはり『魔人』のステータス上昇率は人間よりも高いな」

 レベルが1から11に上がっただけなのに全ステータスが倍以上になっていることに、俺は心の底から驚いた。
 だが、イヴは納得していないようだ。

「でも、まだまだ弱いな!よし、まだ時間は余っているから修行の続きと行こうではないか!」
「.......はい?」

 そして、俺はイヴに引き摺られながら、ダンジョンの奥へと潜って行ったのだった。




パーティーメンバー

・佐藤 空

・イヴィル

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