現代社会にモンスターが湧いた件〜生き残るために強くなります〜

S・R

20話 職業選択〜後編〜

 また遅れてしまった.......申し訳ないです。




「ふむ、良い職業が揃っているな.......。だが『剣士』一択だ」

 イヴは即答した。
 思っていたよりも普通そうな職業ジョブだったのだが、イヴが即答するほどなので絶対に選んだ方が良いのだろう。
 しかし、一応理由を聞いておく。

「何で『剣士』なんだ?」

 思ってたよりも普通な職業ジョブだな。
 もっと特殊な職業ジョブの方が良いのかと思ってたのに。

「『剣士』の《最終派生職業》に『剣聖』という職があるのだが、最強職の一つと言われておる」
「へぇ.......」

 つまり職業は、少しずつ進化して最終的には《最終派生職業》というのに変化するということか。
 何か、カッコイイな!

「我が知っている『剣聖』は剣を一振しただけで山を割ったぞ。あやつは中々な強さを持っていたな。人間にしておくには勿体ないほどであったぞ」

 イヴは昔を思い出すように、遠い目をしながら言った。

「いや、それバケモンじゃねぇか!」
「それくらい出来ないと、我と同じくらいの強さのモンスターには瞬殺されるぞ。まぁ、我は最強と謳われている邪龍だから勝てるものなど、この世に存在せぬがな!ワーハッハッハッ!」
「え、えぇ.......」

 山を割ることが出来ても、こいつには勝てないなんてイヴって、どのくらい強いんだろう.......やっぱ、めっちゃ強いんだろうな。

「とにかく一番最初の職業は『剣士』にしろ」
「了解っす」

 そして俺は、ステータス画面を操作して、職業を『剣士』にした。

『職業『剣士』を取得しました』
『スキル【剣術】を取得しました』
『スキル【身体強化】を取得しました』
『スキル【斬撃】を取得しました』
『スキル【剣術】はスキル【武術】に統合されました』

 職業を選択した後、頭の中にアナウンスが流れてきた。

「おー!スキルが、たくさん手に入ったぞ!」
「うむ。だが空は、まだまだ弱すぎる。我が死ぬほど鍛え上げてやるから覚悟しておくのだ」

 邪龍様からしたら、まだまだ俺は弱すぎるようだ。
 今なら、あのモンスターの大群にも勝てる気がするんだけどなぁ.......コイツイヴからしたら、まだまだかぁ。
 まぁ、イヴの場合は基準がおかしいのだろう。

「.......はいっす」

 特訓で死にたくはないけど、死にかけたら助けてくれるって言ってたから、一応、安心しても大丈夫.......だよな?
 それに、いろんな事を知ってる人が近くにいると便利だし。
 ほら、高齢者って色々なことを知ってるから、よく聞いたり教えてもらったりするだろ?それと同じだよ。
 まじ邪龍便利だわ。

「お主、失礼なことを考えていないか?」
「いや、そんなこと無いよ?」

 と言って、俺は目を逸らした。
 これが"女の勘"ってやつだろうか.......いや、イヴの場合は"メスの勘"か?まぁ、どっちでもいいか。

「まぁいい。取り敢えず、まずは『剣聖』を目指して頑張るのだ」
「はーい!」

 取り敢えず、ステータスを確認してみるか。

佐藤さとう そら
レベル1
職業ジョブ:『剣士』
種族:『魔人』
魔力:53
腕力:78(68+10)
防御:78(68+10)
俊敏:78(68+10)
《固有スキル》
【暴食の右腕】
《スキル》
【武術Lv5】【狙撃Lv2】【集中Lv4】【冷静Lv4 】【家事Lv2】【思考速度上昇Lv4】【観察Lv3】【威圧Lv4】【回避Lv3】【斬撃Lv1】【身体強化Lv1】

 あれ?
 何かステータスの腕力、防御、俊敏が、それぞれ10ずつ上がってるな。
 なんでだ?

「ステータスに補正が掛かってるんだけど何でだ?」
「【身体強化】の効果だ。Lvが1上昇する度に補正される数字が10増えるのだ」
「おー!このスキルめっちゃ強いな!」
「人間は素のステータスが低いから、こういうステータス補正があるスキルは重宝されるのだ」

 そりゃそうだよな。
 魔人に進化した俺でも、こいつイヴの力の底が全く見えないくらいだしな。
 身体能力を補正してくれるスキルは、かなり優先度の高いスキルなのだろう。
 だから、俺も出来るだけ補正系のスキルを取得してステータスの底上げをしないとな。
 あと、スキル【身体強化】のレベル上げもやらないと.......あれ?このスキルって、どうやってレベル上げんのかな。
 聞いてみるか。

「なぁ、【身体強化】ってスキルはどうやったらレベルを上げられるんだ?筋トレでもすればいいのか?」

 このスキルは常備発動型だし、筋トレとかでレベル上げればいいのかな?同じ常時発動型の【観察】は相手を見てればレベル上がったし、こんなもんだろ。

「まぁ、筋トレでもレベルは上がるが効率が悪過ぎる。普通にモンスターと戦ってスキルレベルも上げれば良い。我の弟子になったのだ。強くなるための手段は選ばんし無駄なことをして時間を潰す気も無いぞ」
「りょ、了解っす」

 これから俺は、どんなキツイ特訓をするのか想像して、ブルブルと震えながら返事をするのだった。




パーティーメンバー

・佐藤 空

・イヴィル

 【スキル】という書き方に変えました。
 他の話も少しずつ修正していきます。

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