現代社会にモンスターが湧いた件〜生き残るために強くなります〜
1話 日常の終わり
キーンコーンカーンコーン
という、授業の終わりを知らせるチャイムが鳴ると同時に、俺はダッシュで教室から出た。
「家に帰るのが楽しみだなぁ」
すれ違った教師に挨拶をしながら、俺は廊下を全力で走った。
たまに「廊下を走るな!」という声が聞こえてくるが、気にしている暇は無いので適当に謝って、そのまま走って下駄箱に向かった。
俺が、こんなに急いで帰っているのには理由がある。
今日は1月1日、俺の誕生日なのだ。
しかも、今年の誕生日は親父がいる。
親父は陸上自衛隊で、そこそこの地位にいる人間なので、なかなか家に帰って来れないのだ。
しかし、今年は居る。
その事を考えると、あまりの嬉しさに鼻歌をしながらスキップをしたくなるくらいだが、周りから変な目で見られるかもしれないので我慢だ。
「今日の俺は機嫌が良いから冬休み中に学校があっても気にしないぜ!」
他の学校は冬休みだから休みのはずなのに、うちの学校は、なぜか新年度の始まりに必ず授業があるのだ。
校長先生によれば、「学生の本分は勉強である!だから、年の初めは勉強からスタートしようではないか!」という事らしい。
普段の俺なら、あのハゲ校長に激しい殺意を向けるのだが、今年は許してやろう。
こんなことを考えていた時、頭に激しい頭痛を感じた。
「痛っ.......何だ?.......頭がめちゃくちゃ痛てぇ.......」
俺は頭を抑えながら痛みに耐え、走り続けた。
こんな痛みよりも大事なことがあるのだ。
しかし、頭痛を感じているのは俺だけではないようだ。
校内にいる者たちは教師も含めて全員が、頭を抑えながら床に倒れていた。
さすがの俺でも、この状況には足を止めるしかない。
こんなのを見て見ぬふりをしたら、寝覚めが悪くなる。
.......いや、正直言って、痛みに慣れてる俺でも、この頭痛を耐えながら家まで走れる自信が無い。
そして近くの人に大丈夫か話しかけようとした直後、頭の中に聞いていて気分が悪くなるようなノイズと、無機質な声が聞こえ始めた。
『ザザ.......世界ノ混沌化ヲ確認.......』
.......世界の混沌化を確認?何だそれ?.......もしかして、この歳で俺はボケたのか!?
などと、アホらしいことを考えながら、周りを見渡した。そして周りを見て安心した。
どうやら他の人たちにもノイズと謎の声が聞こえていたようだ。
良かった.......まだボケてなかった.......じゃなくて!他の人たちも苦しんでるのに喜んでどうするんだ!
俺が周りの状況を把握する為に思考を働かせている時、また声が聞こえ始めた。
『.......ザザ.......救済措置ヲ開始.......』
救済措置?駄目だ.......頭痛が酷くて思考が纏まらない.......一先ず頭痛が引くまで大人しくするしかないな。
俺は頭痛で一時的に冷静さをかいたが、深呼吸をして冷静な判断ができる状態にしよう。
よし、取り敢えず今の状況を整理するか.......痛っ!.......無理、やっぱ頭が痛すぎて思考が纏まらない。
俺は何とか冷静な判断ができる精神状態にする為に痛みが引くまで耐えようとしたが、いつまで経っても痛みが引く気配は無かった。
俺が、ここまで冷静なる事へ執着しているのには理由がある。
それは父に、幼い頃から言い聞かされていたことが原因だ。
────いいか?どれだけ辛い状況に置かれていても冷静さだけはかくな。人は冷静に判断できてこそ本領を発揮するのだ。.......つまり、戦場で冷静さをかいた者は生き残れない、という事だ分かったな?
"戦場で冷静さをかいた者は生き残れない"
俺はこの言葉が好きだ。
どれだけ強靭で強い肉体を持っていたとしても、その者が心臓のある生きた生物ならば、少し判断を誤っただけで死ぬことがあるのだから.......。
こんな良い言葉を教えてくれた父だが、言葉を理解して間もない幼児に、こんなことを教えて母が黙っているはずも無く「子供に戦場なんて教えるんじゃありません!教育に悪いです!」と言われて父は、よく母に叱られていたものだ。
その後しばらく、父は約3時間ほど正座させられて叱られていた。
説教が終わった後の父は、いつもミイラのように萎んでいて今にも死にそうな姿をしていた。
自衛隊員である父でも母には敵わないようだ。
と、俺は昔のことを思い出していた。
なぜ、こんな昔のことを思い出していたのだろうか.......
俺は、色々なことに思考を巡らせていたが、さきほど頭の中に響いてきた声によって考えていた事を全てかき消された。
『ザザ.......ザザザ.......救済措置ヲ完了シマシタ.......ザザ.......』
『インストール完了』
その言葉が聞こえたのと同時に頭の中がスッキリした。
さっきまで頭痛で床に蹲っていたのが嘘みたいだ。
頭痛が引いたので、取り敢えず俺は立ち上がり、そして周りを見渡した。
どうやら他の人たちも頭痛が引いたようだ。
その証拠として、先程まで痛みで悶えていた教師や生徒たちは"ポカン"と間抜け面を晒しながら立ち上がった。
もちろん、みんなの間抜け面が面白かったので笑った。え?なんだって?俺も間抜け面をしてるだと?ふっ.......そんな訳ないだろ.......あ、してたわ。
と、鏡の前で自分の間抜け面を眺めていた。
こんな下らないことをしている時、また頭の中に中に声が聞こえてきた。
しかし、今度の声は、今まで通りカタコトで聞き取りにくい声でなく、逆に透き通っていて頭の中に"スウッ"と入ってくるような心地の良い声だった。
しかも女性の声だ.......うむ、これはかなりの美人だな。
『条件達成。佐藤 空のレベルが0になりました。』
どうやら俺のレベルは0になったようだ。
取り敢えず一言だけ言わせてくれ.......は?
パーティメンバー
・佐藤 空
という、授業の終わりを知らせるチャイムが鳴ると同時に、俺はダッシュで教室から出た。
「家に帰るのが楽しみだなぁ」
すれ違った教師に挨拶をしながら、俺は廊下を全力で走った。
たまに「廊下を走るな!」という声が聞こえてくるが、気にしている暇は無いので適当に謝って、そのまま走って下駄箱に向かった。
俺が、こんなに急いで帰っているのには理由がある。
今日は1月1日、俺の誕生日なのだ。
しかも、今年の誕生日は親父がいる。
親父は陸上自衛隊で、そこそこの地位にいる人間なので、なかなか家に帰って来れないのだ。
しかし、今年は居る。
その事を考えると、あまりの嬉しさに鼻歌をしながらスキップをしたくなるくらいだが、周りから変な目で見られるかもしれないので我慢だ。
「今日の俺は機嫌が良いから冬休み中に学校があっても気にしないぜ!」
他の学校は冬休みだから休みのはずなのに、うちの学校は、なぜか新年度の始まりに必ず授業があるのだ。
校長先生によれば、「学生の本分は勉強である!だから、年の初めは勉強からスタートしようではないか!」という事らしい。
普段の俺なら、あのハゲ校長に激しい殺意を向けるのだが、今年は許してやろう。
こんなことを考えていた時、頭に激しい頭痛を感じた。
「痛っ.......何だ?.......頭がめちゃくちゃ痛てぇ.......」
俺は頭を抑えながら痛みに耐え、走り続けた。
こんな痛みよりも大事なことがあるのだ。
しかし、頭痛を感じているのは俺だけではないようだ。
校内にいる者たちは教師も含めて全員が、頭を抑えながら床に倒れていた。
さすがの俺でも、この状況には足を止めるしかない。
こんなのを見て見ぬふりをしたら、寝覚めが悪くなる。
.......いや、正直言って、痛みに慣れてる俺でも、この頭痛を耐えながら家まで走れる自信が無い。
そして近くの人に大丈夫か話しかけようとした直後、頭の中に聞いていて気分が悪くなるようなノイズと、無機質な声が聞こえ始めた。
『ザザ.......世界ノ混沌化ヲ確認.......』
.......世界の混沌化を確認?何だそれ?.......もしかして、この歳で俺はボケたのか!?
などと、アホらしいことを考えながら、周りを見渡した。そして周りを見て安心した。
どうやら他の人たちにもノイズと謎の声が聞こえていたようだ。
良かった.......まだボケてなかった.......じゃなくて!他の人たちも苦しんでるのに喜んでどうするんだ!
俺が周りの状況を把握する為に思考を働かせている時、また声が聞こえ始めた。
『.......ザザ.......救済措置ヲ開始.......』
救済措置?駄目だ.......頭痛が酷くて思考が纏まらない.......一先ず頭痛が引くまで大人しくするしかないな。
俺は頭痛で一時的に冷静さをかいたが、深呼吸をして冷静な判断ができる状態にしよう。
よし、取り敢えず今の状況を整理するか.......痛っ!.......無理、やっぱ頭が痛すぎて思考が纏まらない。
俺は何とか冷静な判断ができる精神状態にする為に痛みが引くまで耐えようとしたが、いつまで経っても痛みが引く気配は無かった。
俺が、ここまで冷静なる事へ執着しているのには理由がある。
それは父に、幼い頃から言い聞かされていたことが原因だ。
────いいか?どれだけ辛い状況に置かれていても冷静さだけはかくな。人は冷静に判断できてこそ本領を発揮するのだ。.......つまり、戦場で冷静さをかいた者は生き残れない、という事だ分かったな?
"戦場で冷静さをかいた者は生き残れない"
俺はこの言葉が好きだ。
どれだけ強靭で強い肉体を持っていたとしても、その者が心臓のある生きた生物ならば、少し判断を誤っただけで死ぬことがあるのだから.......。
こんな良い言葉を教えてくれた父だが、言葉を理解して間もない幼児に、こんなことを教えて母が黙っているはずも無く「子供に戦場なんて教えるんじゃありません!教育に悪いです!」と言われて父は、よく母に叱られていたものだ。
その後しばらく、父は約3時間ほど正座させられて叱られていた。
説教が終わった後の父は、いつもミイラのように萎んでいて今にも死にそうな姿をしていた。
自衛隊員である父でも母には敵わないようだ。
と、俺は昔のことを思い出していた。
なぜ、こんな昔のことを思い出していたのだろうか.......
俺は、色々なことに思考を巡らせていたが、さきほど頭の中に響いてきた声によって考えていた事を全てかき消された。
『ザザ.......ザザザ.......救済措置ヲ完了シマシタ.......ザザ.......』
『インストール完了』
その言葉が聞こえたのと同時に頭の中がスッキリした。
さっきまで頭痛で床に蹲っていたのが嘘みたいだ。
頭痛が引いたので、取り敢えず俺は立ち上がり、そして周りを見渡した。
どうやら他の人たちも頭痛が引いたようだ。
その証拠として、先程まで痛みで悶えていた教師や生徒たちは"ポカン"と間抜け面を晒しながら立ち上がった。
もちろん、みんなの間抜け面が面白かったので笑った。え?なんだって?俺も間抜け面をしてるだと?ふっ.......そんな訳ないだろ.......あ、してたわ。
と、鏡の前で自分の間抜け面を眺めていた。
こんな下らないことをしている時、また頭の中に中に声が聞こえてきた。
しかし、今度の声は、今まで通りカタコトで聞き取りにくい声でなく、逆に透き通っていて頭の中に"スウッ"と入ってくるような心地の良い声だった。
しかも女性の声だ.......うむ、これはかなりの美人だな。
『条件達成。佐藤 空のレベルが0になりました。』
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取り敢えず一言だけ言わせてくれ.......は?
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・佐藤 空
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コメント
爆益ファーウェイ
ゲームみたいに弱い状態から強くなっていくストーリーは見応えあります!
閲覧履歴間違えて削除してしまった
1月1日って学校あるの?