ガンズ・バイ・デイズ―高校生サバゲーマーの魔法世界奮闘記―
BRIEFING:09 覚醒
ふわふわと、浮いているような感覚。
黒い、真っ黒な空間に浮いている感覚。
「死んだ・・・のか?」
まぶたが重い。
なんだろうか・・・・。
ああ、そっか。
失血多量で死んだんだな。
そっかそっか・・・もう・・・・だめなんだな。
約束だなんだって言っても、所詮オレはこんなもんなんだな。
でも、頑張ったよ。
サバゲーマーつったって、ただの高校生だぜ?
それがここまでやったんだ。
十分、十分だろ・・・・・・。
―――――――――本当に十分かい?
「え?」
声がした方を向くと誰かが立ってる。
瞼が重くてしっかりは見れない。
解るのは、その声の主が子供だった、という事だ。
―――――――――本当に十分かい?
「そんなの・・・・・」
十分なはずないだろ。
だけど、もう、ピクリとも動かない。
動けないんだ。
―――――――――じゃあ、君はどうしたい?
「・・・・・決まってる」
喉元に食らい付き
胸を断ち
心の臓腑を穿ちたい。
なにより、マリアを泣かせたアイツを
―――――――――殺したい。
―――――――――じゃあ、僕に任せてよ。
―――――――――なぁに、8年ぶりなだけだよ。
―――――――――力を望むなら、あげるよ。
―――――――――でも、その代償は、貰うね。
そう言い残したその子は半月状に笑み、オレを「喰った」。
最後に見た光景は、鮮血のような赫だった。
「――――――――――――――――あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
絶叫、まさに絶する叫びだった。
このレオ・アーティフィシャルを持ってしても、思わず顔をしかめて耳を覆いたくなる程の、大きく、そして綺麗な絶叫だった。
声か、気迫か。
その叫びによりグラスが次々割れていく。
「―――――――」
次の瞬間、目の前からクウガの姿が消えマケルドの頭上からマギアエッジを振り下ろしていた。
「ふ、ふふ!この、獣め!!」
風の盾で防ぐマケルド、だがおかしい
クウガの属性は土だったはずだ、なのに何故―――――風から煙が発している?
それどころか、風がチリチリッ、とヘシ押されていっている。
今までのような砕いた様な金属音は一切しない。
まるで溶かすようなジュウウウという鈍い音が広がる。
「な、なんで、土の属性のはずだろうお前はああああああああ!!!」
「―――――――――」
次の瞬間、カウッと変な音がし、マケルド王子の胸元の装飾品が「溶断」され、なおかつ肘の無い腕で殴り飛ばしていた。
風の盾ごと、焼ききったというのか・・・?それに、痛みは無いのか・・・?
そして、今の属性は――――
「な、なな、何で、何で火の属性まで使えるんだよお前は!!」
頬にベットリ着いた血を拭いながら、恐ろしげに声を発している。
―――――デュアルノーツ
二属性を宿す先天的な能力、魔法使いにとっての憧れの一つ。
だが、「異変」はその後だった。
「・・・・・・」
マギアエッジを口に咥えたクウガは落ちていた腕をつかむと、元の位置に当て、一瞬で切断面を「凍結」させた。
さらに、マギアエッジを突き刺し、まばゆい光が目の前を照らし、抜いたかと思うと、氷が砕け落ちる。
そこには、綺麗に結合し、元通りになった腕があった。
その時の光の余波で耳まで再生している始末。
――――もう滅茶苦茶だ、土、火と続き、氷、光までクアトロノーツなんて記録でしか見たことないぞ・・・?
さらに繋がった左手で一振りするとがくん、と膝を突くような衝撃が「心」を襲った。
闇、まで・・・?これで5属性・・・・おまけに、俺達まで食らったという事は、この会場全てにクウガの魔力が充満していたというのか・・・何という、力だ・・・。
五つの属性・・・まだ、もし、他の属性まで備えるというのなら、まさか、クウガは伝承でしか聞いたことが無い、伝説の魔法使い、神の御使い、使徒「ノア」と同じ。
七色の魔法使い・・・・。
「イリスノーツ・・・・なのか」
魔法を使うには時間による世界との「慣れ」が必要だ。
産まれたばかりの赤ん坊が魔法を使えないのは、まだ世界に「慣れ」て居ない為だ。
クウガがもし「慣れ」たら。
――――一体、どうなってしまうんだろうか。
そんな、まるで開闢と終焉、両極を見るような眼差しで、俺は彼を見ていた。
―――――――――――――――――――――――――――――
・・・気がつくと、オレはマギアエッジを握り締めて立っていた。
何故か左腕は元に戻っている。
見回せば、ただただ呆然とオレを見る瞳。
マケルドでさえも
「ふ・・・っふ・・・っふ・・・・・」
息も絶え絶えにオレに杖を向けてくるマケルド
何があったのか解らないが、どうやら「何かが起きて奴を恐怖させた」んだろう・・・・・。
そう考え、一息「ほうっ・・・・」と、息を吐き出す。
「お前・・・・」
「ッ・・・!」
マギアエッジを構えるも、ヴヴ・・・ヴン・・・と音を発し、刃が消えてしまった。
エネルギー切れのようだ・・・そんなに使ったのか?
「ふ、ふははははは!終わりのようだな!!」
今のオレの手元には武器はコルトSAAとオート9C-KC、弾はKampfpistoleの予備弾で胸ポケットに入れていたグレネードランチャー用のモスカート1発だけ。
マギアエッジをポケットに仕舞い、体制をとる。
「いーや、やってみなきゃわかんねえさ」
「いいから死ねええええ!!化物めええええええ!!!!」
風の刃を掻い潜り、接敵する。
そうだ、こいつは敵、倒すべき敵なんだ。
コイツは倒さなきゃならない。倒さなきゃいけない。
彼女の笑顔、そのために。
バックサイドホルスターからオートナインを引き抜き、3バースト射撃する。
もう奴はオレを攻撃する魔法を撃つので手一杯なのか、風の刃でBB弾を弾いてきた。
「貰ったああああああああ!!!」
次の瞬間いきなり何かを蹴っ飛ばした
ガラスだ。
ガラスの破片が右目に入り、激痛が走る。
クソッ!こんなことならゴーグルつけてくりゃ良かった!
「この・・・・!!」
「ハッハ―――ッ!!」
オレを蹴飛ばし、今度はオートナインを蹴り飛ばした、畜生足癖悪いな!
「手間取らせて、くれ、たな・・・この・・・化物め・・・僕の物を盗もうだなんて・・・!」
そういって、オレにまたがるマケルドが両手に握り締めているのは、ガラスの破片だった。
手から血が滴り落ちていた。
「物・・・とか抜かしたか手前ええええええええええッ!!」
振り下ろすより早く上体を起こし、ヘッドバッドをかます。
そして、何とか見える左目を頼りにモスカートを素早く取り出し、胸部に密着させ、バルブスイッチを押す。
ドガパアアアァァアン!!と、ガスが開放される音と共に、内蔵されたBB弾がマケルドの胸を刺す。
力が入らない状態にモスカートの反動で、モスカートが暴れ、地面に落ちる。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛・・・・!!いだいいだいいだいいい!!!」
「だろうよ・・・そのモスカートは、168発の弾を一発で撃ち出す、ソレを骨が集中してるとこに接射してやったんだ・・・痛くてあたりめーだ・・・そもそもそーゆー使い方をするものでもねーけどな」
悶え苦しむマケルドに歩み寄りその口に手を突っ込み口を開かせ上からコルトSAAを覗かせる。
「じいちゃんが昔言っていたよ、生物には鍛えられない3つの弱点がある。1つは目、1つは生殖器。
そしてもう一つは「口内」だってな・・――――どうする、この距離の射撃なら、間違いなくお前の喉の風通しを良くするぐらいは出来るぜ」
カキリ、とハンマーを下ろし、少し狙いをずらして引き金を引く。
音火薬がバァアアアアン!!と炸裂音を発し、その衝撃でシリンダーを回転させる。
回転した先で圧縮ガスがBB弾を撃ち出しマケルドの頬を刺す。
どうやら、その音だけでマケルドはガクッ、っと白目を剥いてしまった。
撃たれたと思ったのだろう。
「音火薬とは言え、やっぱいいよな、この音は、衝撃はさ」
「フェズトラス王よ、これは、どうなさるかな」
「うぐ・・・・・」
目の前で、王子を倒された胸中とはどんなものなのさ、フェズトラス王さんよ。
「ふ、ふん、アーティフィシャル王よ、こうなってしまった以上そちらでこの者は裁くのであろうな?」
「確かに、この者が起こした事は罪だ、処さねばならん・・・だがその前に言わねばならぬことがある」
この戦いを静観してた王たちがオレ達を見ながら、話をしている。
「なんだろうか」
「いかな5種類の属性を持つ者といえども国を率いるべき立場の王子が魔法を使えないただの人間一人に一対一でこの様に無様に負けるのは些か立場がありますまい?親として、娘を安全に嫁がせることが出来ないのであればもう少し考える必要がありそうですな」
「ぐ・・・だが・・・・」
「それに、目の前で「僕の物」されれば、どんな婚姻とて考え直したくなるのが親心だと思いますがな」
「・・・・その話も兼ね、後日会談を開くとしよう」
「うむ、了承した・・・では、その罪人を引っ立てよ、牢屋に丁重に入れておけ」
へんな言い回しで兵士に命令を出すアーティフィシャル王。
割れ物を扱うかのようにオレを起こし、牢屋に連れて行こうとする兵士。
「ぁ・・・・・・・・・」
「・・・・」
マリアが不安げな顔をしたので、ぐっっと親指を立てた。
そうして、兵士に連れて行かれ、オレの意識も闇に落ちるのだった。
―――――――――――――――
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黒い、真っ黒な空間に浮いている感覚。
「死んだ・・・のか?」
まぶたが重い。
なんだろうか・・・・。
ああ、そっか。
失血多量で死んだんだな。
そっかそっか・・・もう・・・・だめなんだな。
約束だなんだって言っても、所詮オレはこんなもんなんだな。
でも、頑張ったよ。
サバゲーマーつったって、ただの高校生だぜ?
それがここまでやったんだ。
十分、十分だろ・・・・・・。
―――――――――本当に十分かい?
「え?」
声がした方を向くと誰かが立ってる。
瞼が重くてしっかりは見れない。
解るのは、その声の主が子供だった、という事だ。
―――――――――本当に十分かい?
「そんなの・・・・・」
十分なはずないだろ。
だけど、もう、ピクリとも動かない。
動けないんだ。
―――――――――じゃあ、君はどうしたい?
「・・・・・決まってる」
喉元に食らい付き
胸を断ち
心の臓腑を穿ちたい。
なにより、マリアを泣かせたアイツを
―――――――――殺したい。
―――――――――じゃあ、僕に任せてよ。
―――――――――なぁに、8年ぶりなだけだよ。
―――――――――力を望むなら、あげるよ。
―――――――――でも、その代償は、貰うね。
そう言い残したその子は半月状に笑み、オレを「喰った」。
最後に見た光景は、鮮血のような赫だった。
「――――――――――――――――あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
絶叫、まさに絶する叫びだった。
このレオ・アーティフィシャルを持ってしても、思わず顔をしかめて耳を覆いたくなる程の、大きく、そして綺麗な絶叫だった。
声か、気迫か。
その叫びによりグラスが次々割れていく。
「―――――――」
次の瞬間、目の前からクウガの姿が消えマケルドの頭上からマギアエッジを振り下ろしていた。
「ふ、ふふ!この、獣め!!」
風の盾で防ぐマケルド、だがおかしい
クウガの属性は土だったはずだ、なのに何故―――――風から煙が発している?
それどころか、風がチリチリッ、とヘシ押されていっている。
今までのような砕いた様な金属音は一切しない。
まるで溶かすようなジュウウウという鈍い音が広がる。
「な、なんで、土の属性のはずだろうお前はああああああああ!!!」
「―――――――――」
次の瞬間、カウッと変な音がし、マケルド王子の胸元の装飾品が「溶断」され、なおかつ肘の無い腕で殴り飛ばしていた。
風の盾ごと、焼ききったというのか・・・?それに、痛みは無いのか・・・?
そして、今の属性は――――
「な、なな、何で、何で火の属性まで使えるんだよお前は!!」
頬にベットリ着いた血を拭いながら、恐ろしげに声を発している。
―――――デュアルノーツ
二属性を宿す先天的な能力、魔法使いにとっての憧れの一つ。
だが、「異変」はその後だった。
「・・・・・・」
マギアエッジを口に咥えたクウガは落ちていた腕をつかむと、元の位置に当て、一瞬で切断面を「凍結」させた。
さらに、マギアエッジを突き刺し、まばゆい光が目の前を照らし、抜いたかと思うと、氷が砕け落ちる。
そこには、綺麗に結合し、元通りになった腕があった。
その時の光の余波で耳まで再生している始末。
――――もう滅茶苦茶だ、土、火と続き、氷、光までクアトロノーツなんて記録でしか見たことないぞ・・・?
さらに繋がった左手で一振りするとがくん、と膝を突くような衝撃が「心」を襲った。
闇、まで・・・?これで5属性・・・・おまけに、俺達まで食らったという事は、この会場全てにクウガの魔力が充満していたというのか・・・何という、力だ・・・。
五つの属性・・・まだ、もし、他の属性まで備えるというのなら、まさか、クウガは伝承でしか聞いたことが無い、伝説の魔法使い、神の御使い、使徒「ノア」と同じ。
七色の魔法使い・・・・。
「イリスノーツ・・・・なのか」
魔法を使うには時間による世界との「慣れ」が必要だ。
産まれたばかりの赤ん坊が魔法を使えないのは、まだ世界に「慣れ」て居ない為だ。
クウガがもし「慣れ」たら。
――――一体、どうなってしまうんだろうか。
そんな、まるで開闢と終焉、両極を見るような眼差しで、俺は彼を見ていた。
―――――――――――――――――――――――――――――
・・・気がつくと、オレはマギアエッジを握り締めて立っていた。
何故か左腕は元に戻っている。
見回せば、ただただ呆然とオレを見る瞳。
マケルドでさえも
「ふ・・・っふ・・・っふ・・・・・」
息も絶え絶えにオレに杖を向けてくるマケルド
何があったのか解らないが、どうやら「何かが起きて奴を恐怖させた」んだろう・・・・・。
そう考え、一息「ほうっ・・・・」と、息を吐き出す。
「お前・・・・」
「ッ・・・!」
マギアエッジを構えるも、ヴヴ・・・ヴン・・・と音を発し、刃が消えてしまった。
エネルギー切れのようだ・・・そんなに使ったのか?
「ふ、ふははははは!終わりのようだな!!」
今のオレの手元には武器はコルトSAAとオート9C-KC、弾はKampfpistoleの予備弾で胸ポケットに入れていたグレネードランチャー用のモスカート1発だけ。
マギアエッジをポケットに仕舞い、体制をとる。
「いーや、やってみなきゃわかんねえさ」
「いいから死ねええええ!!化物めええええええ!!!!」
風の刃を掻い潜り、接敵する。
そうだ、こいつは敵、倒すべき敵なんだ。
コイツは倒さなきゃならない。倒さなきゃいけない。
彼女の笑顔、そのために。
バックサイドホルスターからオートナインを引き抜き、3バースト射撃する。
もう奴はオレを攻撃する魔法を撃つので手一杯なのか、風の刃でBB弾を弾いてきた。
「貰ったああああああああ!!!」
次の瞬間いきなり何かを蹴っ飛ばした
ガラスだ。
ガラスの破片が右目に入り、激痛が走る。
クソッ!こんなことならゴーグルつけてくりゃ良かった!
「この・・・・!!」
「ハッハ―――ッ!!」
オレを蹴飛ばし、今度はオートナインを蹴り飛ばした、畜生足癖悪いな!
「手間取らせて、くれ、たな・・・この・・・化物め・・・僕の物を盗もうだなんて・・・!」
そういって、オレにまたがるマケルドが両手に握り締めているのは、ガラスの破片だった。
手から血が滴り落ちていた。
「物・・・とか抜かしたか手前ええええええええええッ!!」
振り下ろすより早く上体を起こし、ヘッドバッドをかます。
そして、何とか見える左目を頼りにモスカートを素早く取り出し、胸部に密着させ、バルブスイッチを押す。
ドガパアアアァァアン!!と、ガスが開放される音と共に、内蔵されたBB弾がマケルドの胸を刺す。
力が入らない状態にモスカートの反動で、モスカートが暴れ、地面に落ちる。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛・・・・!!いだいいだいいだいいい!!!」
「だろうよ・・・そのモスカートは、168発の弾を一発で撃ち出す、ソレを骨が集中してるとこに接射してやったんだ・・・痛くてあたりめーだ・・・そもそもそーゆー使い方をするものでもねーけどな」
悶え苦しむマケルドに歩み寄りその口に手を突っ込み口を開かせ上からコルトSAAを覗かせる。
「じいちゃんが昔言っていたよ、生物には鍛えられない3つの弱点がある。1つは目、1つは生殖器。
そしてもう一つは「口内」だってな・・――――どうする、この距離の射撃なら、間違いなくお前の喉の風通しを良くするぐらいは出来るぜ」
カキリ、とハンマーを下ろし、少し狙いをずらして引き金を引く。
音火薬がバァアアアアン!!と炸裂音を発し、その衝撃でシリンダーを回転させる。
回転した先で圧縮ガスがBB弾を撃ち出しマケルドの頬を刺す。
どうやら、その音だけでマケルドはガクッ、っと白目を剥いてしまった。
撃たれたと思ったのだろう。
「音火薬とは言え、やっぱいいよな、この音は、衝撃はさ」
「フェズトラス王よ、これは、どうなさるかな」
「うぐ・・・・・」
目の前で、王子を倒された胸中とはどんなものなのさ、フェズトラス王さんよ。
「ふ、ふん、アーティフィシャル王よ、こうなってしまった以上そちらでこの者は裁くのであろうな?」
「確かに、この者が起こした事は罪だ、処さねばならん・・・だがその前に言わねばならぬことがある」
この戦いを静観してた王たちがオレ達を見ながら、話をしている。
「なんだろうか」
「いかな5種類の属性を持つ者といえども国を率いるべき立場の王子が魔法を使えないただの人間一人に一対一でこの様に無様に負けるのは些か立場がありますまい?親として、娘を安全に嫁がせることが出来ないのであればもう少し考える必要がありそうですな」
「ぐ・・・だが・・・・」
「それに、目の前で「僕の物」されれば、どんな婚姻とて考え直したくなるのが親心だと思いますがな」
「・・・・その話も兼ね、後日会談を開くとしよう」
「うむ、了承した・・・では、その罪人を引っ立てよ、牢屋に丁重に入れておけ」
へんな言い回しで兵士に命令を出すアーティフィシャル王。
割れ物を扱うかのようにオレを起こし、牢屋に連れて行こうとする兵士。
「ぁ・・・・・・・・・」
「・・・・」
マリアが不安げな顔をしたので、ぐっっと親指を立てた。
そうして、兵士に連れて行かれ、オレの意識も闇に落ちるのだった。
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