ガンズ・バイ・デイズ―高校生サバゲーマーの魔法世界奮闘記―

ファング・クラウド

BRIEFING:06 闇の奥底、空を掴む。

「どうした?所詮そんな玩具で歯向かうからだ!」
「ぐはっ・・・!!」


風の刃が服を断ち、身体に鋭い斬り傷を作る。
倒れこみ、起き上がる力も無い。
目の前が、暗くなって―――


「・・・」


目覚めたのは、自分のベッドの上だった。


「起きたのね、良かったわ」


エミィが額に濡れたタオルを置く。
ひんやりとして気持ちがいい・・・
そこで意識が覚醒した。


「・・・!!」
「ちょっと!?急に起きないでよ!」
「エミィ、アレからどれだけ時間がたった!」


ガッと肩を掴み詰め寄る。


「いたたたた!痛いわよ!!」
「あ、す、すまん・・・」


つい力が入ってしまったようだ。
自分の肩をさすりながら此方を恨めしそうに睨む。


「あれから2日寝っぱなしだったわ」
「2日・・・!?」


脳裏にはマケルドが笑いながら言っていた言葉がリフレインする。


『ふふふ、じゃあマリア、早速報告と準備にかかろうか。
明々後日には準備も出来るだろうからね』












「じゃあ今日・・・!」
「ええ、マリア姫様はマケルド王子と婚約の儀を交わされるわ」
「・・・!」


拳を握り締める。
結局、オレは何も出来なかった。
無力な自分が歯痒くて、情けなくて、ひたすら自分を不甲斐なさを呪った。
ギリッっと音を立て


「クウガ?あなたにレオ王子様がこれを渡して欲しいって」
「・・・?」


渡されたのは魔法陣の書かれた紙と、矢印が複数書かれた城の見取り図だった。


「これは・・・転移魔法陣ゲートね」
転移魔法陣ゲート?」
「そうよ、元々決まった場所に移動する為の物よ・・・言ってしまえば簡易番転移門リンゲージね、欠点は開けた場所にしか移動出来ないから建物の中とかには転移出来ないの」


・・・
これは・・・一体・・・?
・・・お前も、見に来いって、事か?


「あと、レオ王子様から手紙よ」
「・・・?」


受け取り、開くと簡素な一文が認めてあったあった。


「「友よ、君の蛮勇をとやかく言うつもりはない。覚悟が有るのなら剣となれ」」






・・・成る程、な
・・・だったら、やることは一つだ


「エミィ、ありがとう・・・少し、一人にしてくれ」
「で、でも、今のクウガを一人にしておくなんて・・・・」
「頼む・・・」
「・・・あんまり、気負わないでね・・・私は姫様の為にしてくれて嬉しかったから」


出来るだけ消沈した表情を浮かべて押し黙る。
すまん、エミィ、騙すような真似して
気付くと音もなくエミィは部屋を後にしていた。


「見せてやるよ、「王子様」。
オレの戦争やりかたをな」


荷物を片っ端からひっくり返し、支度する。
すまん、皆、弾代は払うから許してくれ。


二時間程して、準備が終わる。


黒いミリタリーベストを羽織り、選択した武装を装備しただけだが、防具が防具にならないからな、仕方ない。
・・・念の為防刃チョッキは羽織るか。
FN P90TRトリプルレイルSCストライクカスタムをスリングに通し、、フラッシュバン、M18 クレイモアを二つをマガジンポーチに。M93R Auto9C-KCとColtシングルアクションアーミーをホルスターに仕舞う。
羽織ったところで、机の上に置いてあった「モノ」に気付く。
それはレオから貰ったマギアエッジだった。
それを手に取り、マガジンポーチに仕舞って置く。
オレを焚き付けたのはアンタだぜ?
どうなったって、知らないからな。




転移魔法陣を起動し
そうしてオレは戦場へと赴く。


自分の我儘を通しに
彼女の我儘を叶えに。


光の向こう側に、空に飛ぶ。
ここで死んだって、構うものか。
そうだ、構うもんか。


オレのせいで、マリアは結婚を早める事になった。
オレのせいで、彼女は嫌な事を進んで受ける事になった。


第一、あんな屈辱受けてそのままに出来るものか。




「意地があんだろ、男なんだろ、だったらよ・・・・どうするかなんて、決まってる」


ぶん殴る
突っかかる。
そして


「欲しいもんは奪う」


わがままだな
だがよ、同じ事をされた。
ガキみてえな言い訳だが、だったら同じ事をするまでだ。




目には目をアイ・トゥ・アイ
歯には歯をトゥース・トゥ・トゥース


そして


洗礼には洗礼をバティズム・トゥ・バティズムだ。


「魔法界の洗礼のお礼、たっぷりさせて貰うぜジョーカーおふざけ屋


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