「幸せ」大さじ一杯

唯叶

0品目

 食事ーそれはお腹を満たしそして心も満たせるもの
                そして幸せである。


 朝5時。
ーピピピッ!ピピピッ!
 スマホの、アラームがなる。俺、東妻 慶(あずま けい)の朝は早い。アラームを止め、まずは洗面台に向かう。外もまだ薄暗い中冷たい水で顔を洗う。
 冷たい水で寝ぼけている頭と目をシャキッとさせ次にキッチンへと向かう。
 何故キッチンに向かうのかって?それは俺が料理人であるからだ。そして此処「定食屋  東妻」は俺のお店である。
 まだこの店を初めてから半年と間もないが、少人数ながら常連客もできてきたって感じだ。この店のこだわりは、なんといってもメニューが「今日の定食」一品しかない事だ、仕入れた食材や昨日の余り、旬なものを参考にしつつ作るものを決めるのだ。
 (今日は何を作ろうかな……昨日はキャベツとトマトが安くて沢山買ってきたからな……サラダは入れたいな……。)
 (昨日は魚だったから今日は肉がいいかな……。)
 そんなことを考えながら、食材の仕込みをしていると気づけば10時手前になっている。
 「やべ!開店の時間だ!」
 少し慌ただしくしながらも、看板とのれんを準備しいつものフレーズを口にする。
 「今日も幸せ作るぞー!」
 

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