伝説となった狩人達

さいぞう

終話

そんな事があって、もう二十年が過ぎた。


ある日…

かなりの重傷を負って、若い狩人が一人帰ってきたんだ。

街は噂で持ちきりだったからな。



なぜかってお前…

覇龍のデかい尻尾と、背中の堅い外皮を剥いで…
それを持って帰ってきやがったんだから…



その外皮から、全く傷の無い刀が一本…

出てきたらしいぜ?







なあ…ばあちゃん…

俺のとうちゃんとかあちゃんは…
俺を嫌いで捨てたのかな…





馬鹿だねえ…

じゃあ、あの日の話をしてやろうか…



夜中にね…

アンタの泣き声と、戸を叩く音が響いてねえ。

それで目が覚めて外に見に行ったんだよ。



そしたらね…

入り口でアンタが泣いててねえ。


少し離れた所で…

酒瓶を担いでる、赤っぽい鎧を着た狩人さんが立っててね。


申し訳無さそうに…
私に一礼して…


スーっと…

消えたんだよ…







約束しような…ってよ…
口で交した約束が普通だろうけどな。


自分で決めた、大事なもののための…

相手のいない約束っつうのはよ…

死んでも守りたくなるんだろうなあ…

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