伝説となった狩人達

さいぞう

九話

奴が消えた後…

酒場でよ、覇龍を見た…ってよ。

一人騒いでた狩人がいたんだ。



ただのハッタリかと思ったんだがよお…

少し、話に聴き耳を立ててたんだ…






ビビッちまったぜ…

いきなり地面から出てきやがってな。

幸い、俺には気付いてなかったが…

珍しいからよ、隠れて見てたんだけどな。


背中によ…
何か変なもん張り付けてんだよ。


それな?
よ~く見たらよ、火竜の鎧だったぜ。


そんで、ちょうど腕部分の先に刀が刺さってたんだ。


あれは分かる。

斬破刀は憧れだしなあ…
しかも、鬼の字が掘ってあったからよお。


鎧も溶けかけて…

あの狩人…今でもよ…
死んでも張り付いてんだ…


何か…
何かよ…

すげえ執念を感じたよ…






奴は俺に、自分の無念さを伝えに来たんだろうな。

飲んだくれだった奴の装備は…

火竜の鎧だったよ。

背中に鬼の字の斬破刀背負ってた。



ああ…
確かにな…

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品