海賊に殺された現代船乗りだけど、異世界転生のしたので、色々あって海軍に入隊します! 〜知恵と経験を武器に、海賊だらけの海を生き抜いていく~
第2話 軍隊の過酷さ
────────
数日後 首都マリンバールの募兵所
「は? ……入隊したいだって!? 君が?」
「ですから、先ほどからそのように言ってます!」
シャロレッタは住んでいた街から馬車を乗り継ぎ、何日も掛けて、この国の首都マリンバールに辿り着き、募兵所に居る担当者に入隊したい旨を告げる。
「もう一度確認するが、[海軍]に入隊するのか?同時募集で出している軍属の飯炊きじゃなく?」
「[海軍]に入隊したいんです!!」
「正直、本当に来るとは思って無かったよ……欠員が出て、更に国の政策で仕方なく男女不問にしたから。まあ、とりあえずこれに必要事項を書いてよ」
と、やる気無さそうな態度でシャロレッタに名前など個人情報を記入する用紙を渡す。
「はい、分かりました…………記入できました」
氏名 シャロレッタ・グリーブス
年齢 15
身長158cm 体重 48kg
出身地 フォルトルナ
「はいよ、文字は書けるんだな、うんうん……え!? フォルトルナからたった一人でここまできたのか?」
「えぇ、5日ほど掛かりましたが」
「女の身でよくもまぁそこまで……なあ、今なら間に合うけど本当にいいのか? 一度入隊したら3年間は辞められないし、最初の半年は海軍兵訓練学校で厳しい訓練が待ってるんだぞ?」
「一向に構いません」
「分かった……じゃあこのままこの先にある学校に行くんだ。その後は教官の指示に従うように」
担当者から道を教えられ、シャロレッタは指示された場所に向かう。
────────
海軍兵訓練学校 正門
海沿いに建てられた海軍兵訓練学校は元々、牢獄であった建物を改築し、学校として再利用している。
危険な海の上で戦える兵士を育て上げる為、非常に厳しい訓練が行われており、訓練兵が脱柵(軍隊を脱走すること)する者も出るほどであった。
寧ろ、牢獄であった頃より別の意味で牢獄と呼ばれる環境であった。
そんな、牢獄のような学校の正門前にシャロレッタは女の身でありながら、何一つ恐れることなくやって来た。
「フォルトルナより来ました、シャロレッタ・グリーブスです! 海軍に入隊したく思い、やって参りました!!」
正門の前で鬼の形相で待ち構えている一人の教官らしき男に向かって名乗った。
「ほう、貴様が入隊希望の女か……募兵所から連絡を受けているぞ。間違いないな?」
「はい、間違いなく私です」
「言っておくが、女だからと言って容赦はしないぞ? 男共と寝食を共にし入浴でさえも別ではない、耐えられるのか?」
「大丈夫です、何の問題もありません」
  シャロレッタ自身、元男なので男達と集団生活をすることに何のためらいも無かった。
  男女不問で募集するなら、そのための設備は整えて欲しいとは思うが、半年の我慢だ。
「宜しい! シャロレッタ・グリーブス、現時刻をもって貴様をガリア海軍海兵訓練学校に入学することを認める!!」
「はい!必ずやこの国の為に報いる働きをしてみせます!」
バキッ!
「ぐはっ!?」
シャロレッタが意気込みを伝えた瞬間、教官に思いきり顔を殴られ、そのまま地面に倒れてしまう。
「ばかものぉ! そのような一人前の口を聞けるのはここを卒業した時だけだ!! それまで貴様は人間ではない、ゾウムシ(船に沸く害虫)以下だ!分かったら腕立て50回!返事はアイ・サーだ!!」
「アイ・サー!!」
初っ端から軍隊の厳しさを体に教え込まれるシャロレッタであった。
だが、それはこれから始まる、厳しい訓練の前のほんの準備体操に過ぎなかった。
第3話につづく
数日後 首都マリンバールの募兵所
「は? ……入隊したいだって!? 君が?」
「ですから、先ほどからそのように言ってます!」
シャロレッタは住んでいた街から馬車を乗り継ぎ、何日も掛けて、この国の首都マリンバールに辿り着き、募兵所に居る担当者に入隊したい旨を告げる。
「もう一度確認するが、[海軍]に入隊するのか?同時募集で出している軍属の飯炊きじゃなく?」
「[海軍]に入隊したいんです!!」
「正直、本当に来るとは思って無かったよ……欠員が出て、更に国の政策で仕方なく男女不問にしたから。まあ、とりあえずこれに必要事項を書いてよ」
と、やる気無さそうな態度でシャロレッタに名前など個人情報を記入する用紙を渡す。
「はい、分かりました…………記入できました」
氏名 シャロレッタ・グリーブス
年齢 15
身長158cm 体重 48kg
出身地 フォルトルナ
「はいよ、文字は書けるんだな、うんうん……え!? フォルトルナからたった一人でここまできたのか?」
「えぇ、5日ほど掛かりましたが」
「女の身でよくもまぁそこまで……なあ、今なら間に合うけど本当にいいのか? 一度入隊したら3年間は辞められないし、最初の半年は海軍兵訓練学校で厳しい訓練が待ってるんだぞ?」
「一向に構いません」
「分かった……じゃあこのままこの先にある学校に行くんだ。その後は教官の指示に従うように」
担当者から道を教えられ、シャロレッタは指示された場所に向かう。
────────
海軍兵訓練学校 正門
海沿いに建てられた海軍兵訓練学校は元々、牢獄であった建物を改築し、学校として再利用している。
危険な海の上で戦える兵士を育て上げる為、非常に厳しい訓練が行われており、訓練兵が脱柵(軍隊を脱走すること)する者も出るほどであった。
寧ろ、牢獄であった頃より別の意味で牢獄と呼ばれる環境であった。
そんな、牢獄のような学校の正門前にシャロレッタは女の身でありながら、何一つ恐れることなくやって来た。
「フォルトルナより来ました、シャロレッタ・グリーブスです! 海軍に入隊したく思い、やって参りました!!」
正門の前で鬼の形相で待ち構えている一人の教官らしき男に向かって名乗った。
「ほう、貴様が入隊希望の女か……募兵所から連絡を受けているぞ。間違いないな?」
「はい、間違いなく私です」
「言っておくが、女だからと言って容赦はしないぞ? 男共と寝食を共にし入浴でさえも別ではない、耐えられるのか?」
「大丈夫です、何の問題もありません」
  シャロレッタ自身、元男なので男達と集団生活をすることに何のためらいも無かった。
  男女不問で募集するなら、そのための設備は整えて欲しいとは思うが、半年の我慢だ。
「宜しい! シャロレッタ・グリーブス、現時刻をもって貴様をガリア海軍海兵訓練学校に入学することを認める!!」
「はい!必ずやこの国の為に報いる働きをしてみせます!」
バキッ!
「ぐはっ!?」
シャロレッタが意気込みを伝えた瞬間、教官に思いきり顔を殴られ、そのまま地面に倒れてしまう。
「ばかものぉ! そのような一人前の口を聞けるのはここを卒業した時だけだ!! それまで貴様は人間ではない、ゾウムシ(船に沸く害虫)以下だ!分かったら腕立て50回!返事はアイ・サーだ!!」
「アイ・サー!!」
初っ端から軍隊の厳しさを体に教え込まれるシャロレッタであった。
だが、それはこれから始まる、厳しい訓練の前のほんの準備体操に過ぎなかった。
第3話につづく
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