天と地

栗山紅琴

第0話 始まりの終わり




僕はそこに立っていた。
街が破壊され、人が殺されている中
ただ立っていた。

僕は何も出来なかった。
人々絵を救うことも、奴らを倒すことも。

僕は後悔した。
こんな事になるなら、最初からやらなければよかったことを。

僕は悲しくなった。
僕自身の力の無さに、

僕は..............................



そして、絶望した。




3年前....

朝、7:00にいつものように目覚めた。

華五かい!ご飯よ!」

と、いつものように母親に呼ばれた。
部屋を出て、リビングへ向かうと、いつものように父親はコーヒーを飲んでいた。
朝食を食べ終わり僕は学校に向かう準備をしていた。僕は高校3年生で、それが終われば晴れて大学生だ。

8:40分、僕は、いつものように家を出て学校へ向かった。
家から学校まではさほど遠くはない。
歩いて10分位だ。

いつもの通学路、いつもの空、
いつもと変わらぬ日だった。



僕は学校に8:50分に着いた。
教室に入ると、ほぼみんな来ていた。
当たり前だ、授業は9:10分から始まる。
僕は席につき、1人で静かに授業が始まるのを待っていた。これだと、授業が好きな人と思われるが、授業は好きではない、それしかやることがなかったのだ。

犬渕いぬぶち君おはよう!」
と、そんな僕に声をかけて来た人がいた。
彼女の名前は相馬瑠璃そうまるり
クラス委員長だ。
「僕になにか用ですか?」
「いや、別にそんなんじゃんいけど、いつも犬渕君は元気が無いから」
「大丈夫です。別に具合が悪いわけではないので。」
「ふーん。あ、チャイム鳴った。またね!」
そう言いながら彼女は去って行った。
何がしたかったのだろう?と彼女の去る姿を見ながら思った。

授業が始まった、僕は授業中は、いつも窓から外を見ている。
何気なく、ぼーっと。
この席は、窓側の1番後ろの席だ。だから
外を見るのに最適な席だし、いつもだんだん窓から差し込んで来る太陽の光が当たり、暖かく、眠くなってしまう。ほんと、勘弁して欲しい。でも、これがまた気持ちがいい。
今日も平和だなっと思いながら外を見ていると、突然、遠くで爆発が起きた。

僕は驚いた。何せ爆発が起きたのだから。教室中もパニックだ。先生達が一生懸命避難指示をしている。これは一体どう言う事だ。誰もが思うことを考えていたが、ふと気づいた。あの爆発の起きた方向、あの方向は自分の家の方だという事を。そう気づくと、僕は全力で学校を出て、家の方へ走った。僕の家族が危ない!そう思った。
「おい!どこえ行くんだ!危ねぇぞ!!」
先生のそんな声がしたが僕はそれを無視した。

僕は無我夢中で走った。
ああ、どうか無事でいて欲しい。あの爆発に巻き込まれていないで欲しい。もしもこの世に神がいるのなら、どうか僕の家族を救ってください。そんな願いをする一方で、今日で僕のいつもの日々が幕を閉じた.....











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