今日よりこの世界の魔王となりました。皆さん、服従お願いします。

the.to

はじめまして、転生しました。これからよろしくお願いします。

はじめまして。
この世界の魔王、『六九(ロック)』と申します。
前世の私は寝ている間にいつの間にかこんな所で赤子となって生まれ変わっていました。(らしい。)
ここは、魔王城の自室です。色々と考えていたり、思い出していたり。
そして、自我を持って生まれ変わったことを思い出したのが3歳の時のお話。 
3歳までの記憶は無いのですよ。不便な事に。
やっぱり考えれば考えるほど思ってしまいます。
『なぜ、私のような所詮雑魚な奴をこんな異世界に来させて何をさせたいのでしょうか?』
...とですね。まあ、こんな事考えてても仕方がないですね。
「はあー。」
『...ロック様?』
「ん、何でもない。」
一息つく事も難しい。
何かすると私をすぐ心配する。ちなみに彼女は、私の監視悪魔兼教師である《ヒイラギ》だ。
そして私こと《ロック》は6歳、魔王の息子です。ちなみに、この世界には...
なんと!この世界には、ステータスがあるのです。
ロールプレイングゲームみたいですね。
私のステータスと、ヒイラギのステータスは大きく差があるのですが、流石魔王といった所か
全ステータスがヒイラギより300程高いのです。(どのくらい凄いのかは知りません)
...強さなんていらないのにです。
私なんてメンタル弱いから心が強くなってると思ったのに。転生の特典とかですね。
実際力なんて要らないです。争いのもとなので。
...そろそろうたた寝をしている振りもきつそうです。
彼女は、洞察力があるので。何をしようとしているか、何をして、嘘をついているか、
本当にすぐバレます。
これは、彼女のスキルという物らしいです。
なんて言うかは知りません。でもレアらしいですよ。
「んー!ふあーあ。よく寝た。」
『よく寝た。では無いですよ!あと、5分でお食事の時間ですよ!』
「ごめんなさい。本当に気持ちよくて。」
気持ちいいのは本当です。嘘ではないです。
12時ですか。夜の方の。
魔族は夜の生き物と言われているそうです。
なので人が寝ている時間に、食事や研究、武道などをしています。
つまりは人の活動時間とは反対だそう。
「それでは、行ってきます。」
『行ってらっしゃいませ。』
コツ、コツ、キイィバタン!
『遅かったではないか。いつもならもう少し余裕もってくるのにな。』
『そうそう!最近ピッタリに来たり、読書をちゃんとしたりどうしたの?』
やっぱり勘づかれてましたか。
ヒイラギが居ないので多少は嘘ついても問題ありません。
「やはり、この世界に疎いのも私としてもどうかと思いまして。早め早めにしておくことが大事かと。」
どうだろう.......?
『...なんという事だ。これが本当に私たちの子か?』
『こんなに賢い子だとは思いも...。』
ザワザワしてますね。でも多少はいいイメージを与えれたのではないでしょうか。
『だから図書庫の本をひたすらに読んでいたのか?』
当たり前ですね。そうでは無いと言ったらなにがあるのですかね?
「だからという訳ではありません。知らない事が恥になる事があっては私にとっても悲しいので。」
これは本心です。
『...』
お父様(魔王)、お母様(アークメイジ)、
そんなに今までの魔王の息子は頭悪いのですか?言った自分が何か恥ずかしい感じになって...
「あ、あの?」
『いや、すまない。お前のことを余りにも悪く評価していたようだ。』
『魔王様?!』
もうこの歳でこんなこと言っていたら怖いのかもしれない。でも、割と元の世界では普通のことです。
「昔の魔王は、幼き頃はどのような子供だったのですか?」
これだけは聞いておきたかった。
『魔族は幼い時は余りにも知能が無く、15年はまともに政権運営出来ないほどだった。』
...え?
……えっ?
魔族は知的で、知能がある訳では無いのですか?
初耳ですよ。そんなの。
『そして、彼らや私を育てる人材育成に沢山の金を使った。』
金だけならまだしも...
『そして、私は沢山の悪魔を喰らった。』
えっ、同族喰らいって奴ですか?
『わざわざ私のために命を捧げたのに。私は悪の道へと進んでしまった。』
「一体なぜ、ですか?」
『エネルギーが足りなかったから、だな。』
エネルギー。魔物が人間や同族喰らいをすることで取り入れることの出来るもの。
本に書いてあった。
しかし、同族喰らいは禁忌とされていた。なぜなら、喰らった者の能力を奪えるからだ。
ということはお父さん(魔王)、相当やばい能力を持っているかも...?
寒気がしてきた。
『お前も知ってるだろう?複数能力持ちは、エネルギーの燃費が悪いということを。』
「はい。禁忌書庫の本の中に混じっていました。そのような事を書いてあったかと。」
『ほう、本当にそのような事まで知っていたとは。意外だな。』
本当に、色々と読み漁っててよかった。
《ゴーンゴーン》
『みんなも食べ終わった事だし。この話はおしまい!皆さんごちそうさまでした。』
『「『『ごちそうさまでした。』』」』
何か重たい話になっていたけど、忘れましょう。




1話目 おしまい   
次回へ続く。

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