真実は狼になってから

笹のゼリー苦かった

人狼Jについて考える〜「私が真実」1--1。

私はミカ、黒髪靡かせ密かに笑う。そんな女性だ、気味悪く笑う癖は抜けない。
昨晩招待状が届いたのだ、皆の友人や信頼する相手からの名前が最後に添えられて居る。一枚一枚、最後の名前は人夫々それぞれ。そして夜が明け悲鳴は響く。

「うわぁぁぁ!」

1人の少年の声、昨晩話した「アーニー」とか言う男子の声だろうか。
それとも、童顔で声が高いけれど成人済な「ロディ」の声?
心無しか女性の声にも聞こえる。中性的な容姿と声を持つ、「フェイ」?
考えれば考える程に解らなくなる。此処に遭難したのは私を合わせて九名。
そして屋敷主の老紳士、合計10名。声は屋敷主の部屋から聞こえた。其方そちらの方向へと走り扉を開ける。思わず、目を擦り続けた。何度も瞬きをし、確信した。

「…死んで、る?嘘…こんなのって…!!」

傷跡はまるで噛まれた様になっていた、昨晩の老紳士のお伽話を思い出す。
あれは、忠告?私達に向けたメッセージ?本当に居た?巡り巡る思考は混乱して行く。巡る度に、絡まって行く。死体、人狼、そして死んだのはそのお伽話をした老人…。叫んでいたのは最初に思い浮かべた褐色の少年、アーニー。そして1人の女性が駆け付けて、皆を広間に集合させた。時計の長針が幾らか進んだ後、会議は始まる。容疑者、が居るとすれば…。と思い、メモ帳に書き記す。私がこの様な状況を考えて仕舞うのは、少し心が荒んでいる所為だと思っておこう。

「…。…………誰が家主を殺したの?」

数秒、否。数分?いや。若しかしたら数時間?とも思える静寂続いた後フェイは言う。眼鏡をキラリ輝かせ、その小さな瞳で。見えぬ瞳で語り掛ける。
淑女、フェイは微笑んだ。全員を広間に集め、淑女は無言で死体を引き摺って来た。

「「「「「「「「…………」」」」」」」」

「…ガハハ!そんな訳無いだろう?」

淑女フェイ以外、私含めの8名の沈黙続けば其れを絶つ様に褐色の中年男性は笑った。其れに続き、口々に言う。

「そんな事、ある訳ないわ。そうよね?サンドラ。」
「そうだよ。そんな事、ある訳無いよ…。そうでしょう?ジェシカ。」

頭上に白黒の蝶飾った瓜二つの双子は笑った。前者は笑い、後者は無表情で。

「……ッッ。そうだよね!うん。こんなお伽はどうでも良いよ、ヒューおじさん。
遊ぼ?朝にお爺さんの死体の玩具おもちゃ、見た時すっごく怖かったんだからね!」

冷や汗を流し、数秒経過した後に褐色少年は笑った。

「お兄ちゃん、怖いなの…。」

茶髪少女は怯えながら兄と呼ぶ人物の腕に縋った。

「もう、エマったら。怖がりなんだから…。そんな死体の玩具でエマを怖がらせないでくれよ!悪趣味だな!…エマ、お兄ちゃん呼びは止めようね?」

悪趣味だ、と眼鏡の淑女を軽く罵倒し声荒らげては微笑んだ。茶髪少女の頭に手を乗せ、静かに微笑んでいた。…あれは本物だ!そう言おうとした時に誰かが言う。

「お前ら、馬鹿なのか?」

鋭い眼光で全体を睨み、皆に問う。すると淑女フェイはニヤリ笑い鋭い眼光の持ち主に囁いた。

「…君、やっぱり良いね。」

クスクス笑いながら、囁いた。淑女フェイは皆に言う。1つのノート掲げながら。

「ねぇ、役職者が居るらしい。モブ爺さんの部屋にあったの。
…遊戯のノート。
アーニー、ヒュー、ジェシカ、サンドラ、ロディ、エマ、マイク、ミカ。
そしてこの僕フェイ。この中に、二名殺人鬼の人狼が居る…。」

「……!?!?そんな訳ないじゃない、ね?サンドラ。」
「……!?!?そんな事ある訳無いよ、ね?ジェシカ。」

ほぼ同じ内容を、言い方だけ変更し言い合う双子。

「ヒュ、ヒューおじさん??人狼なんて居ないよね…」
「あったり前だろ?アーニー。眼鏡のお嬢ちゃん、悪戯は程々にな…?」

…私は思わず、溜息を吐いたのだ。皆が余りにも信じないから、信じたくない事実を信じようとしないから。溜息を大きく吐き、皆に静かに言った。

「…信じないって、それは死にたいと言っているのと同じじゃない…。」

私は呟いたのだ。そう、私は…。淑女フェイ・紳士マイク以外六名の地雷と呼ばれる物を、踏み荒らして仕舞ったのだった。

「…ざっけんな!」  

丁寧な口調を外した癖毛のロディは私の衣類の襟を掴んで叫ぶ。耳が痛い、
怖い。…怖い、けど其は私が悪い。気がする。

「…止めて。こんな場面で…人を殺した奴が居るかも知れないって中で暴力振るって何になるのよ!…疑われるだけじゃない。」

そう言えば、私の服襟を掴んだ青年へと疑いの視線注がれる。

「…近付かないで!」

手を振り払い、冷たく言い放った。…言い過ぎた、と其の数秒後反省した。
けれど私は彼に対しての嫌悪感は忘れないだろう。

「……」
「…」
「──…。」

皆の沈黙幾つか続き、人狼ゲームは始まった。

「役職者は…一晩に一人を守れる狩人、生きている人を占える占い師…。
そして…。殺した人を占える霊能者。そしてメッセージにはこう書かれている。
【一日に一人殺さねば皆殺し】と。さて、人狼ゲームを…。始、めま、しょ…」

淑女フェイのメモ帳を奪い、皆に言った。そして、誰が誰で何が何なのかも
曖昧に遊戯は開幕した。今宵襲撃されるのは?今宵私達に殺されるのは?
…誰だって、最後迄は解らない儘。



☆☆☆
【容疑者図鑑】
1、アーニー。先程悲鳴を上げた褐色の少年である、幼い子が殺したとは思えないが容疑者リストには入れておく。性格は元気で無邪気。焦げ茶髪。珈琲色。

2、ヒュー。褐色の少年に懐かれている。口が悪いオジサン、性格は良い方。
この方も褐色である、基本アーニーと一緒に居るので仲間という線も?
焦げ茶髪。珈琲色。

3、ジェシカ。白いリボンが特徴的、サンドラと姉妹らしい。姉はサンドラ。
明るく優しく優雅な美女、然し笑い方が静かで作り物の様に見える。金髪。

4、サンドラ。黒いリボンが特徴的、妹とは全く違う性格だが言う事は同じ。
無口で無表情。ちょっと怖い。私は彼女の笑いをジェシカの前でしか見た事は
無い。アーニー・ヒュー同じく味方同士が有り得るなら姉妹で殺人鬼も?金髪。

5、フェイ。大きな厚いレンズの眼鏡を掛けている、
黒髪マッシュルームヘアーが特徴的。中性的な容姿に声、女性か男性なのかは
解らない。私はフェイと喋った訳ではないが性格は明るく元気。

6、マイク。サンドラ同じく無口だが鋭い視線や目付きに怯えて仕舞う。
サンドラジェシカ達は薄茶金髪。だったがマイクは完全な金髪。
襟は外側に向いて乱れている。口調は荒いが冷静?味方に引き込みたい。

7、ロディ。薄茶の髪色に琥珀の瞳。ザ・紳士という物であるが発言は謎。
特に説明出来る物はない。然しエマはロディの事をお兄ちゃんと呼んでいて…?

8、エマ。ロディは「その呼び方は止めろ」というがお兄ちゃんと呼び続ける。
血縁関係にあるのか、幼馴染なのか。口調は明るく元気100倍、然し無表情。
語尾に「なの」が付く。茶髪、後ろのお団子で纏めている。
 
9、そして此の私。ミカ、考えたくは無いのだが記憶喪失の場合もある。
…殺した時のショックで、なんて事があったとしたら再度私は記憶を喪失すると
思うけれど。その為に書き記す。笑い方は少し怖く、
靡く黒髪は私にとっては密かな自慢。首のチョーカーは絶対に忘れるな

以上私を除き八名の内に、モブ爺を殺した犯人が居ると考えてもいい。
二人居るというのは確定済。もしかしたら嘘かも知れないが、
被害者が伝えたのだから信じておく。



…じんろう・だれ?】以上が、私の書き記した荒れた文字。
私は最後迄生きれるのだろうか、私は最期迄無能なのだろうか。
──もし、私が死ぬのならば。最期に何を伝えるのだろうか。
最期迄、最後迄、誰が人狼だったのかも…家主が殺されたのも…。
全て、曖昧だったのなら良かったのに。

<zinrou>


此れは私と_が言った。私が見付けよう、私が掘ろう。この真実を。
私が、この真実を…見付けるのだから。邪魔等、狂人にも狼にも善良な市民達にも。
絶対に、邪魔はさせないと誓い。…猫又は記憶を失くしたとさ。
今も…生き返り、死に帰り続け。この悪趣味で残酷で実に…。
素晴らしい遊戯を続けているかも…?




こんにちは、好物は蜜柑です。諸々アウトにならない為に頑張ります!
さて、今回の主人公はミカです。舞台は人狼J通り、吹雪の中遭難し、
屋敷に辿り着く系!ちょっぴりアレンジしたのはデスゲームでよくある
「招待状」を加えた位。登場人物はミカを除き八名。

アーニー   ヒュー   ジェシカ   サンドラ   ロディ  エマ   マイク   フェイ

達です。フェイは淑女、と言った通り女性にしています。
淑女フェイは…淑女は…眼鏡の…。なんて呼び名が多かったのは主がフェイ好きだからですっ!藤色の瞳が堪んない辺りが好み。ではでは今度も宜しくね!!!





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