色災ユートピア
23.大人気アイドル
その後、冷静になって戻ってきたS.10とともに、S.0、ナナキ、赦無、白理、枉徒は昼食を食べた。
そして午後の部、他の同級生たちの劇や踊りを見て、終盤に近付いて来た頃。
赦無と白理の言った通り、大人気アイドルであるシーリスとシオンが飛び入り参加で現れた。
ナナキは若干楽しそうにしながら、その勇姿を撮影し、S.0は枉徒と一緒に子供のようにはしゃぎ、S.10は笑っていた。
だが、唯一この双子…赦無と白理は、とにかく隠れているだけだった。
「みんな、いつも応援ありがとー!!!!」
「最果てに来るのは本日で二度目ですが…こんなに喜んでもらえるとは思いませんでした!飛び入りでの参加ですが、私たちのライブ、ぜひ楽しんでください!」
そうしてまた、ライブが始まる。
観客からは、掛け合いが聞こえてくる。
おそらくファンが多いのだろう、とても愉快なことになっていた。
それから何曲か歌い続け、アンコールにも応え終えたその後。
「アイドルが何で人気なのか分かんなかったけど、あの二人はすごいな!」
興奮気味にはしゃぐナナキ。
勇姿を撮っていたナナキだったが、いつの間にかのめり込んでいたようだ。
だが、双子にとっての地獄はここからが本番である。
ライブも終わりを迎え、どこで話を聞いてきたのか、アイドルの二人は特等席のある部屋にやって来ていた。
ちなみに、転移で逃げようとしていた双子だったが、残念ながらS.0とS.10に阻止されてしまった。
「へー、今回はちゃんと見てたんだ。」
「不可抗力だし、あと俺たちは案外忙しいんだけど。」
「学園祭やっておいてどこが忙しいのよ…。」
「無理ですよお兄様、逃げられませんって。」
「人を厄介者みたいに扱わないでくれない!?」
「事実、あなただけ扱いにくいので厄介者では?」
「お、落ち着いてください。シーリスも落ち着いて…。」
姉のシオンが三人を宥める。
「実は、お二人にお願いしたいことがあって…。お忙しいとは思いますが、どうしてもお二人でないといけないんです。」
シオンの困ったような表情に、赦無と白理は顔を見合せた。
「…一応聞くけど、何かあった?」
「はい…マネージャーの話で、最近私たちの周りに不審者がいるみたいなんです……。」
「いわゆるストーカーって奴ね。ま、私たちってば大人気アイドルだし。」
「自分の身の程を弁えているところ、嫌いじゃないよ。」
「ストーカーですか、私たちには縁のない話ですね。」
「…………。」
実は片っ端から赦無が片付けていることを、白理は知らない。
そして、後ろにいたナナキたちは、その雰囲気を察して苦笑いしていた。
「まぁ、元はと言えば俺たちが先に手を差し伸べたわけだし。」
「ここで嫌ですと断るのも後味が悪いですしね。協力して差し上げましょうか、お兄様。」
「そうだね白、たまには別の仕事をするっていうのも新鮮だろう。」
「ありがとうございます!良かった、こちらでは頼れる方がいらっしゃらなくて…!」
シオンは安堵した様子で笑った。
「ナナちゃん、そういうことだからこっちを先に片付けていい?」
「別にいいんじゃないか?それと、サラマンドラ族の長から、出来れば連れてきてほしいとも頼まれたしな。」
「そういえばそんな約束したっけ。」
「おう、だから元気な姿を見せてあげたくてな。」
「何の話かしら?」
「君らのお父さんの話だよ。」
S.10はヘラヘラと笑ってそう告げる。
シーリスとシオンは目を丸くした。
「…本当に何の話?私たちのお父さんはアルフ族でしょ?」
「それに、数年前には引き取られていますし…。」
「コドク、どういうことだ?」
「アルフ族なんだし、理由は概ね決まってるでしょ。」
「はっはーん…さてはあれだな?金になる子供を勝手に養子にしたってか。」
「せいかーい!さすがゼロ!」
S.0の推測に、S.10はその通りだと笑う。
だが、二人にとってそれは到底信じられるものではない。
「ふざけないでよ!そんなわけないでしょ!」
「シーリスの言う通りです!そんなの…信じられません…!お父様は私たちをここまで育ててくださったのに…!」
その様子を見ていた赦無は、ため息を吐いた。
「あいにくだけど、俺はゼロたちを信じることにするよ。」
「私もです。それに、どちらに血縁関係があるか、なんてこちらで調べてしまえば分かることですし。」
「うーん…とりあえず、まずはストーカーの件を最優先にしないか?」
ナナキの提案に、赦無、白理、枉徒、S.0、S.10が頷いた。
シーリスは不服そうにしていたが、シオンが少し考えて、分かりました、と告げた。
「ですが…もし違っていたら…その時は謝ってください!」
「あっ、姉さん待ってよ!」
シーリスはシオンを追って出て行った。
「白、二人をつけてくれる?もし手を出されてたら、その場で殴っていいよ。」
「蹴るのは?」
「脳が働くなら、手足は粉砕してもいいや。よろしくね。」
「はーい!」
白理も元気よく飛び出し、二人の後を追った。
赦無はS.10に視線を向ける。
「ねぇ、二人はあんたに会ったような素振りはなかったけど、どうしてあんたはあの二人の親を知ってるの?」
「それを答えるにあたって僕は突拍子もない話をしなきゃいけなくなるけど、それでも君は僕の言葉を鵜呑みにするのかい?」
「あんたの突拍子もない話なんて、大抵事実だろう。元とはいえアウトサイダーだから。」
「そう、じゃあ少しだけ昔話でも。僕の目は元々両方銀色だったんだ。ただ、アウトサイダーが表世界に生まれた時…ようやく集まった家族が、またバラバラになってしまったあの時間。僕は長男との約束で、弟妹たちを守ると約束した。でも、転生の呪いだけじゃあ、とても非効率的だろう?」
「それは…うん。」
「僕はその長男に託されたんだ。それが"時間遡行"…タイムループってやつ。そもそも、あの二人を前回助けたのは僕だし。」
「…時間を溯るとして、前に進んだ時間はどうなる?」
「そりゃあ、消えちゃうよ。僕だけしか覚えてない。」
「そう…救われないね。」
どこか寂しげに、赦無は告げた。
S.10はからかうわけでもなく、少し笑った。
「それでも、転生の呪い以上には役に立ったよ。ピンポイントで遡行するのが難しいことを除けばね。時間はあって困らないものさ、僕のように、元が力のない子供ならなおさら。」
「そういうものかな。」
「そういうものだと思っておいて。さ、君も枉徒も白理を追って行ってらっしゃい。」
「…分かった。」
「あっ、はい!行ってきます!」
赦無は頷き、枉徒と一緒に白理たちを追って部屋を出た。
相変わらず、S.10はニコニコ笑っているだけだ。
「なぁコドク。」
「なんだい?ゼロ。」
「俺さ、あいつらと"約束"したんだよ。色を知ったら、花火を一緒に見るって。」
「へぇ、いい約束だね。」
「俺、ずっと昔にお前とも"約束"してたみたいだな。その時間は覚えてないけど、その"約束"のせいでお前を苦しめた。」
「何言ってるのさゼロ、僕と君の約束なんて沢山ありすぎて今さらでしょ。」
「でも、お前に弟と妹を守れって言ったのは俺だ。」
「なっ…!?」
意外な事実に、ナナキは驚きを隠せない。
S.10は困ったように笑っている。
「お前は泣きそうな顔で笑ってた。俺がお前のお兄ちゃんって話が本当なら、時間遡行の力をお前にやったのは俺だ。多分、よほどのことがあってお前に託したんだろう。でも、それはお前にとって重すぎるものじゃないか?俺はお前に、過ぎた荷を背負わせたんじゃないのか。」
「…重いなんてものじゃない、正直言って窒息しそうだよ。」
S.0の心配そうな目から、S.10は決して目を逸らさずに告げる。
「でも、それでも諦めきれなかった。諦めるわけにはいかないんだ。僕に力を託して死んだゼロを恨んでなんかいない。だって、ゼロは覚えてないけど、ゼロだって同じくらい、僕がいない間苦しんで生きたんだから。僕はそれを引き継いだだけだよ。」
「…ごめんな、お前ばっかに無理させて。」
「そんなのお互い様でしょ、兄さん。さ、僕らもそろそろ働かないと。」
「そうだな…全部片付いたら、その時は改めて謝罪する。」
「それでこそゼロだ。それじゃあ僕らは、例のアルフ族について調べよう。」
「どうやって?」
「手っ取り早いのは潜入だよね。そのためにはナナちゃん、君の力が必要だ。」
「ナナちゃん言うなし、ったく…さっきの衝撃から戻ってないってのに人遣いが荒いな。」
「遺伝的な問題かな。君には人身売買の人間を演じてほしいんだ。」
「え…えー……。」
「その場合、サラマンドラ族の人たちにも力を貸してもらうことになる。君が僕とゼロを売るフリをして、僕とゼロは潜入調査。」
「その作戦、ガバらないか?」
「見た目的には子供だし大丈夫でしょ。それともショタコン歓喜の六歳児にでもなるかい?」
「いや、ショタコンが何歳に興奮するかはそれぞれだと思う。」
「それよりコドクの口からショタコンとかいう、とんでもないワードが飛び出したことにツッコんでくれ…!」
真面目な顔で何をツッコんでるんだ、とナナキは頭を抱える。
「っていうか、どっちかって言うとロリコンだと思うが。」
「見た目的には全然問題ないね。僕らみんな女顔だもん。」
「屈強な男に産まれたかったなー!」
「無理だと思うなぁ。」
困ったように笑うS.10。
やはり、本人も男らしく産まれたかったということだろうか。
こうして、サラマンドラ族をも巻き込んだ大規模な潜入調査が始まることとなった。
そして午後の部、他の同級生たちの劇や踊りを見て、終盤に近付いて来た頃。
赦無と白理の言った通り、大人気アイドルであるシーリスとシオンが飛び入り参加で現れた。
ナナキは若干楽しそうにしながら、その勇姿を撮影し、S.0は枉徒と一緒に子供のようにはしゃぎ、S.10は笑っていた。
だが、唯一この双子…赦無と白理は、とにかく隠れているだけだった。
「みんな、いつも応援ありがとー!!!!」
「最果てに来るのは本日で二度目ですが…こんなに喜んでもらえるとは思いませんでした!飛び入りでの参加ですが、私たちのライブ、ぜひ楽しんでください!」
そうしてまた、ライブが始まる。
観客からは、掛け合いが聞こえてくる。
おそらくファンが多いのだろう、とても愉快なことになっていた。
それから何曲か歌い続け、アンコールにも応え終えたその後。
「アイドルが何で人気なのか分かんなかったけど、あの二人はすごいな!」
興奮気味にはしゃぐナナキ。
勇姿を撮っていたナナキだったが、いつの間にかのめり込んでいたようだ。
だが、双子にとっての地獄はここからが本番である。
ライブも終わりを迎え、どこで話を聞いてきたのか、アイドルの二人は特等席のある部屋にやって来ていた。
ちなみに、転移で逃げようとしていた双子だったが、残念ながらS.0とS.10に阻止されてしまった。
「へー、今回はちゃんと見てたんだ。」
「不可抗力だし、あと俺たちは案外忙しいんだけど。」
「学園祭やっておいてどこが忙しいのよ…。」
「無理ですよお兄様、逃げられませんって。」
「人を厄介者みたいに扱わないでくれない!?」
「事実、あなただけ扱いにくいので厄介者では?」
「お、落ち着いてください。シーリスも落ち着いて…。」
姉のシオンが三人を宥める。
「実は、お二人にお願いしたいことがあって…。お忙しいとは思いますが、どうしてもお二人でないといけないんです。」
シオンの困ったような表情に、赦無と白理は顔を見合せた。
「…一応聞くけど、何かあった?」
「はい…マネージャーの話で、最近私たちの周りに不審者がいるみたいなんです……。」
「いわゆるストーカーって奴ね。ま、私たちってば大人気アイドルだし。」
「自分の身の程を弁えているところ、嫌いじゃないよ。」
「ストーカーですか、私たちには縁のない話ですね。」
「…………。」
実は片っ端から赦無が片付けていることを、白理は知らない。
そして、後ろにいたナナキたちは、その雰囲気を察して苦笑いしていた。
「まぁ、元はと言えば俺たちが先に手を差し伸べたわけだし。」
「ここで嫌ですと断るのも後味が悪いですしね。協力して差し上げましょうか、お兄様。」
「そうだね白、たまには別の仕事をするっていうのも新鮮だろう。」
「ありがとうございます!良かった、こちらでは頼れる方がいらっしゃらなくて…!」
シオンは安堵した様子で笑った。
「ナナちゃん、そういうことだからこっちを先に片付けていい?」
「別にいいんじゃないか?それと、サラマンドラ族の長から、出来れば連れてきてほしいとも頼まれたしな。」
「そういえばそんな約束したっけ。」
「おう、だから元気な姿を見せてあげたくてな。」
「何の話かしら?」
「君らのお父さんの話だよ。」
S.10はヘラヘラと笑ってそう告げる。
シーリスとシオンは目を丸くした。
「…本当に何の話?私たちのお父さんはアルフ族でしょ?」
「それに、数年前には引き取られていますし…。」
「コドク、どういうことだ?」
「アルフ族なんだし、理由は概ね決まってるでしょ。」
「はっはーん…さてはあれだな?金になる子供を勝手に養子にしたってか。」
「せいかーい!さすがゼロ!」
S.0の推測に、S.10はその通りだと笑う。
だが、二人にとってそれは到底信じられるものではない。
「ふざけないでよ!そんなわけないでしょ!」
「シーリスの言う通りです!そんなの…信じられません…!お父様は私たちをここまで育ててくださったのに…!」
その様子を見ていた赦無は、ため息を吐いた。
「あいにくだけど、俺はゼロたちを信じることにするよ。」
「私もです。それに、どちらに血縁関係があるか、なんてこちらで調べてしまえば分かることですし。」
「うーん…とりあえず、まずはストーカーの件を最優先にしないか?」
ナナキの提案に、赦無、白理、枉徒、S.0、S.10が頷いた。
シーリスは不服そうにしていたが、シオンが少し考えて、分かりました、と告げた。
「ですが…もし違っていたら…その時は謝ってください!」
「あっ、姉さん待ってよ!」
シーリスはシオンを追って出て行った。
「白、二人をつけてくれる?もし手を出されてたら、その場で殴っていいよ。」
「蹴るのは?」
「脳が働くなら、手足は粉砕してもいいや。よろしくね。」
「はーい!」
白理も元気よく飛び出し、二人の後を追った。
赦無はS.10に視線を向ける。
「ねぇ、二人はあんたに会ったような素振りはなかったけど、どうしてあんたはあの二人の親を知ってるの?」
「それを答えるにあたって僕は突拍子もない話をしなきゃいけなくなるけど、それでも君は僕の言葉を鵜呑みにするのかい?」
「あんたの突拍子もない話なんて、大抵事実だろう。元とはいえアウトサイダーだから。」
「そう、じゃあ少しだけ昔話でも。僕の目は元々両方銀色だったんだ。ただ、アウトサイダーが表世界に生まれた時…ようやく集まった家族が、またバラバラになってしまったあの時間。僕は長男との約束で、弟妹たちを守ると約束した。でも、転生の呪いだけじゃあ、とても非効率的だろう?」
「それは…うん。」
「僕はその長男に託されたんだ。それが"時間遡行"…タイムループってやつ。そもそも、あの二人を前回助けたのは僕だし。」
「…時間を溯るとして、前に進んだ時間はどうなる?」
「そりゃあ、消えちゃうよ。僕だけしか覚えてない。」
「そう…救われないね。」
どこか寂しげに、赦無は告げた。
S.10はからかうわけでもなく、少し笑った。
「それでも、転生の呪い以上には役に立ったよ。ピンポイントで遡行するのが難しいことを除けばね。時間はあって困らないものさ、僕のように、元が力のない子供ならなおさら。」
「そういうものかな。」
「そういうものだと思っておいて。さ、君も枉徒も白理を追って行ってらっしゃい。」
「…分かった。」
「あっ、はい!行ってきます!」
赦無は頷き、枉徒と一緒に白理たちを追って部屋を出た。
相変わらず、S.10はニコニコ笑っているだけだ。
「なぁコドク。」
「なんだい?ゼロ。」
「俺さ、あいつらと"約束"したんだよ。色を知ったら、花火を一緒に見るって。」
「へぇ、いい約束だね。」
「俺、ずっと昔にお前とも"約束"してたみたいだな。その時間は覚えてないけど、その"約束"のせいでお前を苦しめた。」
「何言ってるのさゼロ、僕と君の約束なんて沢山ありすぎて今さらでしょ。」
「でも、お前に弟と妹を守れって言ったのは俺だ。」
「なっ…!?」
意外な事実に、ナナキは驚きを隠せない。
S.10は困ったように笑っている。
「お前は泣きそうな顔で笑ってた。俺がお前のお兄ちゃんって話が本当なら、時間遡行の力をお前にやったのは俺だ。多分、よほどのことがあってお前に託したんだろう。でも、それはお前にとって重すぎるものじゃないか?俺はお前に、過ぎた荷を背負わせたんじゃないのか。」
「…重いなんてものじゃない、正直言って窒息しそうだよ。」
S.0の心配そうな目から、S.10は決して目を逸らさずに告げる。
「でも、それでも諦めきれなかった。諦めるわけにはいかないんだ。僕に力を託して死んだゼロを恨んでなんかいない。だって、ゼロは覚えてないけど、ゼロだって同じくらい、僕がいない間苦しんで生きたんだから。僕はそれを引き継いだだけだよ。」
「…ごめんな、お前ばっかに無理させて。」
「そんなのお互い様でしょ、兄さん。さ、僕らもそろそろ働かないと。」
「そうだな…全部片付いたら、その時は改めて謝罪する。」
「それでこそゼロだ。それじゃあ僕らは、例のアルフ族について調べよう。」
「どうやって?」
「手っ取り早いのは潜入だよね。そのためにはナナちゃん、君の力が必要だ。」
「ナナちゃん言うなし、ったく…さっきの衝撃から戻ってないってのに人遣いが荒いな。」
「遺伝的な問題かな。君には人身売買の人間を演じてほしいんだ。」
「え…えー……。」
「その場合、サラマンドラ族の人たちにも力を貸してもらうことになる。君が僕とゼロを売るフリをして、僕とゼロは潜入調査。」
「その作戦、ガバらないか?」
「見た目的には子供だし大丈夫でしょ。それともショタコン歓喜の六歳児にでもなるかい?」
「いや、ショタコンが何歳に興奮するかはそれぞれだと思う。」
「それよりコドクの口からショタコンとかいう、とんでもないワードが飛び出したことにツッコんでくれ…!」
真面目な顔で何をツッコんでるんだ、とナナキは頭を抱える。
「っていうか、どっちかって言うとロリコンだと思うが。」
「見た目的には全然問題ないね。僕らみんな女顔だもん。」
「屈強な男に産まれたかったなー!」
「無理だと思うなぁ。」
困ったように笑うS.10。
やはり、本人も男らしく産まれたかったということだろうか。
こうして、サラマンドラ族をも巻き込んだ大規模な潜入調査が始まることとなった。
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