おじいちゃんと剣と魔法が紡ぐ第二の人生!!おじいちゃんが知らず知らずに無双する物語!!

ノベルバユーザー349130

買い取り屋での発覚と宿屋での一幕

もう少しで夕焼けとなりそうな空を見ながら人の流れについていくと、たくさんの人間があの石を売っていた。

(なるほど。ここであの石を換金するわけじゃな。)

そう納得した南吉。しかし少し納得がいかない。

(しかしワシのと違って石が、透明ではなく深い青色じゃの。なぜじゃ?)

そんな疑問を持った南吉。

(まあ別にいいの。)

いろんな小屋が並んでいるが、冒険者ギルドに関係ない非正規の小屋もある。ギルドの小屋より少し高いレートで買ってくれるが、流通ルートが不透明なぶん黒い噂もある。しかしギルドとしても管理が楽になるので黙許といった感じだ。

(まあ違法な感じがあるからあまり近寄らないほうがいいの。)

南吉はギルド管理の正規の買い取り小屋に並んだ。









「次の方どうぞー。」

どうやらまだ人がたくさん帰るまでは時間がまだ少しあるようで少し並んだら順番が来た。まあもう少し日が沈むまで時間がかかるのでそんなものだろう。

「これを頼みたいんじゃが。」

「わかりました。」

そう言ってひと目見た買い取りの人が疑問を呈する。

「あれ?なんで魔石が透明なんですか?」

(あ、この石は魔石と言うんじゃな。)

そうないしんでなっとくしながらこたえる。

「すまんがわからんの。なぜかもともとこうなっとった。これでは買ってもらえんかの?」

それでは生活が大変なんだがと内心で焦る南吉。しかしこの考えは杞憂に終わる。

「いえ。これはこれでつかいみちがあるので買い取り自体はできますが、理由がわからないんですか?」

正直に答えることにした南吉。

「お恥ずかしい話じゃが、わからないんじゃ。」

「そうなんですか。でしたら特性を調べてみてはいかがですか?」

(え?何じゃそれ?)

全く検討もつかないがこれすらわからないのは流石に怪しまれそうだ。閻魔様などと言ったら狂人だと思われかねない。

「そ、そうじゃの。盲点だったわい。調べることはできるかの?」

「ああ………」

そう言ってちらりと後ろを見る。まだ人は多くなく、他にもたくさん受付があるので大丈夫と判断したようだ。

「わからました。ではこれを。」

そう言って木の板を取り出した受付の人。

「これに魔力を少しだけ込めてください。」

「わかったわい。」

特性って何?という疑問を飲み込んで触れる。すると、木の板に文字が浮かび上がってきた。


特性表

魔法神の加護    魔力が増加し、本人の能力の許す限り魔法が覚えられるようになリ、そのた魔法に関する補正がかかる。

読解者    あらゆる言語を理解できるようになる。それには古代文字で書かれた古文書等もも例外ではない。

すべてを%!%$$???%;     己の力で$;;-$&?/;*=/最大値を&/?&?*=;**;=限界は*?=/;*;**%%=$*無限の魔導書グリモワール等と/?+;*-$==?*?=*この世の*;/%==;%*=$-$=$=;*%*=神の*;*=;-?=?-?*;==;%/&;-$=*


(え?神の加護はともかく最後のこれは何じゃ?文字化けして読めんが…、)

明らかに面倒そうな波動だが、、これが原因も握っている。

(ま、見なかったことにしておこう。)

こうして現実から逃げた南吉。これがきちとでるか凶とでるか、それはわからない。

「ふむ。これといったものはありませんな。」

「そうですか。おかしいですねー…」

「まあ何でも良いですな。買い取りをお願いするわい。」

「わかりました……」

腑に落ちないものはあるだろうが、飲み込んで買い取りしてくれた受付の人に感謝の念を抱く。







買取価格は全部で五千ルクスとなった。ルクスとはこの世界の通貨のことだ。

「全部で五千ルクスとなります。はい、どうぞ。」

そう言って受付の人は袋を渡してくれた。

(重さとしては何かの鉱石でできているのかずっしりと重いの。この世界では金本位制のようじゃの。)

持ち歩くのは危ないと思い、異空の片鱗の欠片プチエリアに放り込んだ南吉。

「それじゃ、失礼するわい。」

「ありがとうございました。」






(周りを見るか限り、一ルクス=一円と対して変わらんの。)

実際細かく考えても面倒なのでそう割り切ることにした南吉。

(ふうむ。これで一日生活できるかの?)

少し怖いがまあなんとかなるだろうと祈っていた所、路地裏にひっそりと安宿と思しき店を見つける。

(ふむ。なんというか、かなりオンボロじゃの。)

安さ重視、とは言うが大通りから少し入ったところなのでかなり怖い南吉。

(ま、まあなんとかなるじゃろ。)

全く見つからない場所でもないし大丈夫と信じ入店した。







「いらっしゃい。」

入ると野太い声で迎えられた南吉。かなり薄暗い店の中。それはそうとかなりの迫力がある店主だ。中央にある大きめの階段が霞むほど。

「一泊いくらかの?」

そう言うと店主は値踏みするようにこちらを見る。

「一泊朝夕二食、個室で千だ。弁当ほしいなら前日の夜に百五十。ほかは希望があればなるべく叶える。」

(端的にそう告げた店主。全く相場がわからないが、数時間であれだけ稼げたんじゃ。多分安いんじゃろう。)

実際値段としては格安と言っていい。個室の相場は一泊二千ルクス程だ。安宿でも千二百はくだらない。

「お願いするわい。」

そう言うと鍵束からひょいと投げられる。

(おおお。おっとっと。)

内心は慌てながら、しかし表には出さずに捕まえる。

「階段上がって右の端だ。」

それだけいうと厨房と思しき場所に入っていった。

(ずいぶん変わった店主じゃの。)

そう思いながらおとなしく部屋に入っていった南吉だった。



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