Door

ノベルバユーザー369032

Door18 フォクシーパーク攻略後半戦

昼飯を食べることにしたので、女性陣は先程のホラーアトラクションで、クタクタなので席で休んでもらう。

「本当にさっきは疲れたわ…」
「私も…」
「でも水野さんは、いい感じだったんじゃないですか?」
「私はずっとしがみついてただけよ。」
「でもそれが男の人にはグッとくるものですよ。ふふ。」
「そうなの?」
「えぇ。」
「まさかとは思うが花音、さっきのは全部演技だったりするのか?」
「ふふふ。さぁどうでしょう?」

自分と如月で店に並んでいるのだが、昼時はやっぱり混んでいる。
しばらく並びようやく品物を受け取ると、何だか席が少し騒がしかった。

「何か騒がしくないか?」
「ぁぁ 気になるな。戻ろう。」

席の方では男3人が花音達に言い寄っていた。

「3人共めっちゃ可愛いじゃん。暇ならこれから遊び行こうよ。」
「私達は暇じゃないわ。待ってる人がいるのよ。」

水野は呆れた表情で3人を追い払おうとしたが、向こうもしつこく粘る。

「いいじゃん。俺らこう見えてハンターなんだぜ。向こうの話いっぱい聞かせてあげるからさぁ。」
「あら、そうなのね。ハンターランクはどれくらいかしら?」
「俺ら3人共Bランクなんだぜ。すごいっしょ?」

それを聞いた水野は大きくため息をついた。

「話にならないわね。私より下のランクには興味無いわ。私Aランクだから。」

一瞬3人が凍りついた。だが3人目を合わせ笑い飛ばした。

「そんな訳ないっしょ。こんな可愛い子がAランクとか。俺らキングローズだけど見たことないし。」
「そりゃそうでしょうねぇ。私クインローズだから。」
「まぁそんな冗談置いといて遊び行こうぜ。」

2人の男が近くにいた水野と花音の腕を掴む。水野が睨み反撃しようとした所で、自分と如月が慣れた手つきで、男達の腕を素早く引き離し、背中でガッチリホールドする。

「俺の妹に何してんだ…」
「貴様水野に何してる…」

男達が身動き出来ずにいると、その場で立ち尽くしていた男が如月の顔を見て急に慌て始めた。

「あ あんた、如月か?」
「そうだが。お前は誰だ。」
「お おいヤバいって!こいつマジのAランクだ!」

腕を決められた男達もかなり慌てて、

「悪かった!如月の仲間とは思わなかったんだ。」
「そ そうなんだ。この子がAランクだなんて冗談言うもんだから…」

呆れた奴らだな。

「言っておくがここにいる2人共、Aランクだ。」

男3人は完全に顔が青ざめた。そのまま離してやると、そそくさと退散してった。

「花音、マリー大丈夫だったか?」
「あぁ、私は何もされてないから平気だ。」
「兄さんありがと。やっぱり世界一カッコいい兄さんです。」
「水野もゴメンな。女性3人だけにしとくべきじゃなかったな。」
「私は平気よ。あんなの3人がかりでも負ける気しないわ。」

だがそこで、如月が水野に声をかけた。

「だがあまり無茶しないでくれ。心配になる。」
「は は…い。」

あまりに突然の言葉に水野から魂が抜けるのが見えた気がした。
ひと段落して昼飯を食べている時、如月に気になる事を聞いてみた。

「如月って、キングローズじゃ有名人なのか?」
「名前は知れ渡ってるのかもな。Aランクの指南役だからな。」
「は?何だそれ?」
「クインローズにはないのか?AランクのハンターがBからDのパーティに同行し、サポートや指導する専門のことだ。」

そんなポジションがあるとは知らなかった。キングローズ独自のものなんだな。

「私のパーティが凄い早さで依頼こなしてたって言ってたわよ。」
「それは近い所で依頼をしてるパーティを掛け持ちで受けてるからだな。側から見ればそう見えるかもな。」

そういうことか。とんでもない化け物かと思ったじゃないか。
まぁガイさん達から見れば、感情があまり表に出ない如月を見たら怖くなるか。

昼飯を終えてまたアトラクションに乗り、途中にショップでグッズを買ったりお土産を買った。
水野はちゃっかり、如月とお揃いのフォクシーのキーホルダー買ってるし。如月の妹のを、水野が選んでいたりもした。
自分達も3人お揃いのと、凛と母さんの分も買った。

「後は健斗と愛花はお揃いでいいよな?マリー。」
「そうだな。あの2人にはお似合いじゃないか。」

そんな感じで楽しい時間は過ぎて、あっと言う間に夜のパレードの時間になった。
自分の両隣に花音とマリーが座り、ちょっとだけ離れた所に、水野と如月が座っていた。

「ねぇ兄さん、あの2人いい感じじゃないですか。」
「そうだなぁ。何だかんだで相性いいよな。」
「羨ましいなぁ…」
「ん?どうしたマリー?」
「いやっ⁈何でもないぞ。それより今日は本当に楽しかった。連れて来てくれてありがとう…蓮。」
「私もです。ありがとう兄さん。」
「いや、自分も楽しかったよ。今度は健斗と愛花、凛も連れてみんなでどっか行きたいな。」
「そうだな。私は海に行ってみたいな。まだこっちに来てから見た事がないんだ。」
「海かぁいいですね。夏休みにみんなでどうですか、兄さん。」
「いいねぇ。すげー夏って感じだな。」

そんな感じで盛り上がっている時、如月と水野は、

「すまんな、妹の分まで選んでもらって。俺には何を買ったらいいか分からなくてな。」
「ううん。気にしないで。私は一人っ子だから羨ましいわ、兄妹がいるのって。」
「そうか。」
「仲が良いのね。バイクで送ってあげたり、お土産買ったりと。」
「そうだな。俺には家族が、妹だけだからな。」
「え?」
「俺の両親は、事故で4年前に亡くなったんだ。幸い両親の生命保険と家を残してくれたから、生活には困らなかった。」
「そう…だったのね…ごめんなさい…余計な事聞いてしまって。」
「いや、いいんだ。水野と芦屋には話しておくべきだと思うから。」

それを聞いて水野は少し嬉しかった。

「そう…」
「俺は妹と2人になって誓った。妹を必ず幸せにすると。それが願いになりドアが開いたと思う。」
「じゃあ妹さんの為にハンターになったのね。」
「そうだな。」

水野は複雑な心境だった。この人の心の中に、私は今、どれくらいいるのだろうかと。感情が暗くなりそうだったので話題を変えることにした。

「あ、パレード始まったわ。」

そう言うと、夜に光る煌びやかなショーが始まった。
それをキラキラとした目で見つめる水野を見て如月は水野に問いかけた。

「今日は楽しかったか?」
「えぇ。最高の1日だったわ。ずっと私に付き合ってくれてありがとう。あ、あと昼食の時、助けてくれて嬉しかったわ…」
「いや。あの時は俺がそうしたかった。」
「そ そう…如月君は楽しかった?」
「俺は、水野が楽しんでいるのを見るのが、楽しかったな。」

何かが水野の中で爆発したようだ。

「どうした?」
「う ううん。何でもないわ…」

この人は何の迷いもなく、こうゆう事を言う人なんだなと水野は思った。

パレードが終盤になると、急に花火が上がった。
マリーは青く澄んだ瞳で見つめていた。

「蓮、私は過去の記憶が無いけど、それでも今幸せだ。」
「そっか。たとえ記憶がなくても、これからもっと楽しい思い出作ってやるからな。」
「うん。」 

そしてパレードも終わり水野を見ると物凄く顔が赤くなっていた。

「どうした水野?顔が赤いぞ?」
「うるさい、黙れ!」

えぇ~何で⁈心配しただけじゃん。

「この間の電話で、兄さんに暴言吐いたのはこの人ですか~?」
「いや、だから冗談だよ、花音。気にしなくて大丈夫です。」

この花音を見ると思わず敬語になる。
とりあえずフォクシーパーク攻略って感じかな。

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