Door
Door15 打ち上げ
防衛依頼の帰り道。
アリスをおんぶして帰っていたのだがアリスはやたら上機嫌だった。
「なぁアリス、元気そうだから歩いても大丈夫じゃないか?」
「無理。だってなんでもするって言ったじゃん。」
「そりゃそうだけどさぁ~。」
気づいてないだろうけど、アリスが機嫌良く動き回る度に背中に胸が当たってこっちはドキッとするんだよ!
「蓮、疲れたなら俺が変わって…グフゥッ ︎」
レインが言いかけた所で隣にいたシャルに肘打ちを喰らっていた。
「余計なこと言わなくていいのよ。蓮はあれでまんざらでもないでしょうから。」
何か言われてる気がするが、まぁ置いといて、
「流石に腹減って来たなぁ。」
「そうだ!せっかくだからこのメンバーでご飯食べに行こうよ。蓮が奢ってくれるからさ。」
いや!全員⁈何で ︎
「悪い。俺は子供達が心配だから今日はパスだ。」
「私は構わないわよ。」
レインとシャルが答えて、
「私達もいいわよ。芦屋君ご馳走さま。」
水野達もオッケーらしい。本当に全員奢るの⁈
まぁこんな機会は中々ないからいいか。
いや良くないよね!
城下町に着き良さげな店を探すと皆がよく行く店で落ち着いた。
[花伝]という名前の店で、クインローズにいる者なら誰もが知ってるハンター御用達の店である。
注文を済まし落ち着いた所で、カイさんが自分達が居ない間のことを話し始めた。
「クイーンが出て来た時は本当に大変だったよ。流石に3人で食い止めるのは。」
「確かにな。でも水野がやたら張り切ってたからなぁ。」
「ちょっ!そんな事無いわよ!」
「そうかぁ?香里が頑張ってるんだからここは何としても食い止める!って言ってたじゃねぇか。」
「余計な事言うなぁ!」
ガイさんがブローをかまされた所でカイさんが、
「そういえば気になる事があってさ、前にモンスターの研究してる友人からたまたま聞いたんだけど、ギアントが巣を引っ越すのは大体2~3年に1回はあるらしいんだよ。」
「それなら普通じゃないの?」
篠宮さんの言う通り、たまたま2~3年に1回の時に当たったんじゃないのか。
「だけど時期的に今じゃないんだよ。ギアントは寒くなる少し前に引っ越して寒くなると冬眠するらしいんだ。」
「確かに妙だな。」
そうなると奴らは巣を捨てなきゃならない何かがあったって事になるな。
モンスター達の環境を変えてしまう何か、思い当たる節はあるがここで言うべきではないか。
「まぁ後々ギルドから何かしら情報はあるだろう。」
「そうだね。そういえば、ガイさんとカイさんはクインローズの出身なの?」
アリスが上手いこと話題を変えてくれた。
「いや、出身はキングローズだよ。去年こっちに移ったんだ。」
「やっぱそうなんだ。今まで会ったことなかったから。何でこっちに移ったの?」
質問には兄のガイが答えた。
「キングローズがハンター1番多いだろ。だからギルドからでる依頼も結構争奪戦になること多くてよぉ。それが嫌でこっちに移って来たんだ。」
「あそこは人多いからねぇ。毎日祭りみたいなもんだし。」
シャルは行ったことあるんだな。まぁ国の姫さまなら何かしらの付き合いはあるよな。
「それでも俺達は何とかやっていけてたんだけどな。ただ去年ぐらいからグイグイ出てきた奴がいてな。普通のパーティの倍の速さで依頼こなしててよ。」
まだ世の中にはいるもんだな。強い奴が。ガイは話を続けた。
「んでたまたま、そこのパーティと任務被った時があって行ってみるとな、もう戦っててそれを見て驚いたぜ。4人居たんだが3人で戦ってたんだ。1人は全体見ながら指揮とってて全く手出しせずに終わってたよ。」
「マジですか ︎つまり3人で倍の速さってことですよね⁈何てパーティだ…」
「正直あのパーティを見た時、僕は怖い感じがしたよ。なんてゆうか淡々とこなしているみたいな。」
相当な力を持ってる。1度見てみたいな。
「こっちの人なのかな?」
「流石に全員は分からねぇけどリーダーは向こうの人間だと思うぞ。#如月__・__#って呼ばれてたからな。」
「ゲホッッ!?」
如月と聞いて自分も驚いたが、水野は飲み物吹き出してむせていた。
いや、過敏に反応しすぎだろ。
「おいおい⁈大丈夫かよ?」
「ケホッ、大丈夫よ。気にしないで。それよりガイ、何でそれ今まで言わなかったのよ!」
「いや、今まで聞かれなかったしよ。もしかして知り合いだったのか?」
「苗字が同じってだけで一緒とは限らないけど、俺達の知り合いも相当強いからな。」
「そうね。この間学校の行事でちょっとした試合したんだけど、芦屋君負けてたものね。如月君に。」
「ま まぁな。」
嫌な思い出させやがって。しかも何で水野は嬉しそうなんだよ。
「ふ~ん、なるほどそうゆう事か。」
急に篠宮さんがニヤニヤし出した。
それに気づいてかアリスも、
「あぁ~、なるほどそうゆう事か。」
2人とも水野の気になる人だという事が分かったらしい。
「な 何よ。2人とも。」
「「べっつにぃ~。」」
ここは自分も水野に仕返ししておこう。
「まぁそりゃ水野も嬉し…」
「うっさい!死ね ︎」
「ゴフッ ︎」
水野のストレートが腹に決まる。
いや何で ︎
皆でワイワイ話をしてそろそろ帰ろうかと思った時、水野が小声で話しかけてきた。
「芦屋君、後で話すことがあるから番号教えてもらえるかしら。」
「ん?あぁ分かった。」
ここでは話せない事なのか。
 ーーーーーーーーー
家に帰り花音の作った飯を食べていると水野から電話がかかってきた。
「もしもし」
「もしもし、芦屋君ね。」
「あぁ。んで話って?」
少し間が空いて、
「単刀直入に聞くわ。あなた、ハンターの先生がいるでしょう。Sランクの。」
その事かぁ。自分も聞こうと思っていたが、やはり水野も同じこと考えてたんだな。
「ふぅ。ここで誤魔化しても意味はないな。確かにそうだよ。それを聞くってことは水野も同じか。」
「当たり前でしょ。たった2年でAランクになるには、それぐらいしかないわ。」
今ハンターのほとんどはBかCランクばかりだ。Aランクは才能がある人ならなれるが、なるには最低でも4年はかかる。だが自分達はたったの2年でAランクになった。それはSランクのハンターに教えてもらったから。
「まぁそうだよな。となると如月も同じパターンかもしれない。あの強さは。」
「そ そうね。今度聞いてみようかしら。」
嬉しそうな声しやがって!それは無視するとして、
「だけどそうなると、うちの高校だけで3人もいるのは異常じゃないか?」
「うん、確かにおかしいわ。ただでさえAランクのハンター自体珍しいのに。」
「大体Sランクのハンターだってそこら辺にはいない…」
その時思った。何故自分は先生に会えたのか?
その答えにたどり着く前に水野が言った。
「ドア…そうよ!ドア ︎」
「あなた最初に向こう行った時、変なとこに出なかった?」
「そうだ!出たよ ︎何にもない草原で急にモンスターに襲われてた時に先生に助けてもらったんだよ!」
「私も同じよ。急に森の中に出てモンスターに襲われて先生に助けてもらった。」
全く同じじゃないか。コレが偶然に起きるのは絶対におかしい。
「ずっと不思議に思ってたのよ。前に香里に初めて向こうに行った時の話題になって、香里は最初から町のドアに繋がったって、その時は地球から来た人で町が溢れかえってたらしいわ。」
「これはかなり謎だな。何で俺達だけ。」
「益々、如月君に聞いてみるしかないわね。」
「良かったな。これで如月とお近づきになれそうだな。」
「うっさい ︎いいから死ね!」
うわぁ切ったよ。まじ怖!
まぁこれでゆっくりと飯食えると思ったら、今度はヤバイオーラ出した花音が話しかけてきた。
「兄さ~ん。今の電話…女性ですよね。」
「あ あぁ只の同級生だよ。気にしなくて大丈夫だぞ!」
「死ね!って聞こえましたが兄さんに死ねって言ったバカはどいつですかねぇ…」
「き 気にしなくていいぞ、只の冗談だって。」
まずったぁ!花音がいる時は気をつけるべきだった。
ここは凛に助けをってアイツいねぇぇ!
さっきまでソファでゴロゴロしてたのに逃げやがった!
「全く、兄さんはすぐに女性と仲良くなるんですね。最近はあまり私に構ってくれないし。寂しいなぁ…」
明らかにねだってる。まぁ花音にはいつも飯作ってもらってるし、たまには労わないとな。
「分かった分かった。今度一緒にどっか行くか?何処がいい?」
「フォクシーパーク…」
「えっ⁈」
「フォクシーパークがいいです。兄さんペアチケット貰ったんですよね。」
「あ。あれはマリーが欲しいって言って…」
「はい?」
「い、いやだからマリーが…」
「はい?」
「くぅ~、分かった!もう1枚チケット買うから3人でどうだ?」
「う~ん、まぁいいでしょう。」
よっしゃあ!何とかなった!って、何で
よっしゃあなんだよ。自腹切ってるじゃねーか ︎
アリスをおんぶして帰っていたのだがアリスはやたら上機嫌だった。
「なぁアリス、元気そうだから歩いても大丈夫じゃないか?」
「無理。だってなんでもするって言ったじゃん。」
「そりゃそうだけどさぁ~。」
気づいてないだろうけど、アリスが機嫌良く動き回る度に背中に胸が当たってこっちはドキッとするんだよ!
「蓮、疲れたなら俺が変わって…グフゥッ ︎」
レインが言いかけた所で隣にいたシャルに肘打ちを喰らっていた。
「余計なこと言わなくていいのよ。蓮はあれでまんざらでもないでしょうから。」
何か言われてる気がするが、まぁ置いといて、
「流石に腹減って来たなぁ。」
「そうだ!せっかくだからこのメンバーでご飯食べに行こうよ。蓮が奢ってくれるからさ。」
いや!全員⁈何で ︎
「悪い。俺は子供達が心配だから今日はパスだ。」
「私は構わないわよ。」
レインとシャルが答えて、
「私達もいいわよ。芦屋君ご馳走さま。」
水野達もオッケーらしい。本当に全員奢るの⁈
まぁこんな機会は中々ないからいいか。
いや良くないよね!
城下町に着き良さげな店を探すと皆がよく行く店で落ち着いた。
[花伝]という名前の店で、クインローズにいる者なら誰もが知ってるハンター御用達の店である。
注文を済まし落ち着いた所で、カイさんが自分達が居ない間のことを話し始めた。
「クイーンが出て来た時は本当に大変だったよ。流石に3人で食い止めるのは。」
「確かにな。でも水野がやたら張り切ってたからなぁ。」
「ちょっ!そんな事無いわよ!」
「そうかぁ?香里が頑張ってるんだからここは何としても食い止める!って言ってたじゃねぇか。」
「余計な事言うなぁ!」
ガイさんがブローをかまされた所でカイさんが、
「そういえば気になる事があってさ、前にモンスターの研究してる友人からたまたま聞いたんだけど、ギアントが巣を引っ越すのは大体2~3年に1回はあるらしいんだよ。」
「それなら普通じゃないの?」
篠宮さんの言う通り、たまたま2~3年に1回の時に当たったんじゃないのか。
「だけど時期的に今じゃないんだよ。ギアントは寒くなる少し前に引っ越して寒くなると冬眠するらしいんだ。」
「確かに妙だな。」
そうなると奴らは巣を捨てなきゃならない何かがあったって事になるな。
モンスター達の環境を変えてしまう何か、思い当たる節はあるがここで言うべきではないか。
「まぁ後々ギルドから何かしら情報はあるだろう。」
「そうだね。そういえば、ガイさんとカイさんはクインローズの出身なの?」
アリスが上手いこと話題を変えてくれた。
「いや、出身はキングローズだよ。去年こっちに移ったんだ。」
「やっぱそうなんだ。今まで会ったことなかったから。何でこっちに移ったの?」
質問には兄のガイが答えた。
「キングローズがハンター1番多いだろ。だからギルドからでる依頼も結構争奪戦になること多くてよぉ。それが嫌でこっちに移って来たんだ。」
「あそこは人多いからねぇ。毎日祭りみたいなもんだし。」
シャルは行ったことあるんだな。まぁ国の姫さまなら何かしらの付き合いはあるよな。
「それでも俺達は何とかやっていけてたんだけどな。ただ去年ぐらいからグイグイ出てきた奴がいてな。普通のパーティの倍の速さで依頼こなしててよ。」
まだ世の中にはいるもんだな。強い奴が。ガイは話を続けた。
「んでたまたま、そこのパーティと任務被った時があって行ってみるとな、もう戦っててそれを見て驚いたぜ。4人居たんだが3人で戦ってたんだ。1人は全体見ながら指揮とってて全く手出しせずに終わってたよ。」
「マジですか ︎つまり3人で倍の速さってことですよね⁈何てパーティだ…」
「正直あのパーティを見た時、僕は怖い感じがしたよ。なんてゆうか淡々とこなしているみたいな。」
相当な力を持ってる。1度見てみたいな。
「こっちの人なのかな?」
「流石に全員は分からねぇけどリーダーは向こうの人間だと思うぞ。#如月__・__#って呼ばれてたからな。」
「ゲホッッ!?」
如月と聞いて自分も驚いたが、水野は飲み物吹き出してむせていた。
いや、過敏に反応しすぎだろ。
「おいおい⁈大丈夫かよ?」
「ケホッ、大丈夫よ。気にしないで。それよりガイ、何でそれ今まで言わなかったのよ!」
「いや、今まで聞かれなかったしよ。もしかして知り合いだったのか?」
「苗字が同じってだけで一緒とは限らないけど、俺達の知り合いも相当強いからな。」
「そうね。この間学校の行事でちょっとした試合したんだけど、芦屋君負けてたものね。如月君に。」
「ま まぁな。」
嫌な思い出させやがって。しかも何で水野は嬉しそうなんだよ。
「ふ~ん、なるほどそうゆう事か。」
急に篠宮さんがニヤニヤし出した。
それに気づいてかアリスも、
「あぁ~、なるほどそうゆう事か。」
2人とも水野の気になる人だという事が分かったらしい。
「な 何よ。2人とも。」
「「べっつにぃ~。」」
ここは自分も水野に仕返ししておこう。
「まぁそりゃ水野も嬉し…」
「うっさい!死ね ︎」
「ゴフッ ︎」
水野のストレートが腹に決まる。
いや何で ︎
皆でワイワイ話をしてそろそろ帰ろうかと思った時、水野が小声で話しかけてきた。
「芦屋君、後で話すことがあるから番号教えてもらえるかしら。」
「ん?あぁ分かった。」
ここでは話せない事なのか。
 ーーーーーーーーー
家に帰り花音の作った飯を食べていると水野から電話がかかってきた。
「もしもし」
「もしもし、芦屋君ね。」
「あぁ。んで話って?」
少し間が空いて、
「単刀直入に聞くわ。あなた、ハンターの先生がいるでしょう。Sランクの。」
その事かぁ。自分も聞こうと思っていたが、やはり水野も同じこと考えてたんだな。
「ふぅ。ここで誤魔化しても意味はないな。確かにそうだよ。それを聞くってことは水野も同じか。」
「当たり前でしょ。たった2年でAランクになるには、それぐらいしかないわ。」
今ハンターのほとんどはBかCランクばかりだ。Aランクは才能がある人ならなれるが、なるには最低でも4年はかかる。だが自分達はたったの2年でAランクになった。それはSランクのハンターに教えてもらったから。
「まぁそうだよな。となると如月も同じパターンかもしれない。あの強さは。」
「そ そうね。今度聞いてみようかしら。」
嬉しそうな声しやがって!それは無視するとして、
「だけどそうなると、うちの高校だけで3人もいるのは異常じゃないか?」
「うん、確かにおかしいわ。ただでさえAランクのハンター自体珍しいのに。」
「大体Sランクのハンターだってそこら辺にはいない…」
その時思った。何故自分は先生に会えたのか?
その答えにたどり着く前に水野が言った。
「ドア…そうよ!ドア ︎」
「あなた最初に向こう行った時、変なとこに出なかった?」
「そうだ!出たよ ︎何にもない草原で急にモンスターに襲われてた時に先生に助けてもらったんだよ!」
「私も同じよ。急に森の中に出てモンスターに襲われて先生に助けてもらった。」
全く同じじゃないか。コレが偶然に起きるのは絶対におかしい。
「ずっと不思議に思ってたのよ。前に香里に初めて向こうに行った時の話題になって、香里は最初から町のドアに繋がったって、その時は地球から来た人で町が溢れかえってたらしいわ。」
「これはかなり謎だな。何で俺達だけ。」
「益々、如月君に聞いてみるしかないわね。」
「良かったな。これで如月とお近づきになれそうだな。」
「うっさい ︎いいから死ね!」
うわぁ切ったよ。まじ怖!
まぁこれでゆっくりと飯食えると思ったら、今度はヤバイオーラ出した花音が話しかけてきた。
「兄さ~ん。今の電話…女性ですよね。」
「あ あぁ只の同級生だよ。気にしなくて大丈夫だぞ!」
「死ね!って聞こえましたが兄さんに死ねって言ったバカはどいつですかねぇ…」
「き 気にしなくていいぞ、只の冗談だって。」
まずったぁ!花音がいる時は気をつけるべきだった。
ここは凛に助けをってアイツいねぇぇ!
さっきまでソファでゴロゴロしてたのに逃げやがった!
「全く、兄さんはすぐに女性と仲良くなるんですね。最近はあまり私に構ってくれないし。寂しいなぁ…」
明らかにねだってる。まぁ花音にはいつも飯作ってもらってるし、たまには労わないとな。
「分かった分かった。今度一緒にどっか行くか?何処がいい?」
「フォクシーパーク…」
「えっ⁈」
「フォクシーパークがいいです。兄さんペアチケット貰ったんですよね。」
「あ。あれはマリーが欲しいって言って…」
「はい?」
「い、いやだからマリーが…」
「はい?」
「くぅ~、分かった!もう1枚チケット買うから3人でどうだ?」
「う~ん、まぁいいでしょう。」
よっしゃあ!何とかなった!って、何で
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