この声が届くまで、いつまでも叫び続けたい

@tsushi

2.ダルイ

まぁ、学校はそれなりに楽しかった。
かったるい講師の講義さえ我慢すれば単位なんて簡単に取れたし、友達もいたからね。
自分でオールラウンドサークル立ち上げちゃったりして、勧誘に精を出しつつもついでにナンパして。
毎日、企画を考えるのが楽しくて仕方がなかった。






でも、いつだって何かが足りなかった。






毎日適当に生きて、毎日遊ぶことばっかり考えていた。
今がよければそれでよかった。
そして、そんな自分にイライラしていた。


自分が大学を卒業したら、もう社会人として生きていかなければならないなんて信じられない。
もっともっと遊びたかったし、大人になんかなりたくなかった。
ずっと子供のままでいられると信じていた。


だけどいくら抵抗しようとも俺は着実に年を重ねていった。
大人への階段を昇るために、誰かが俺の背中を無理矢理押していた。
嫌だ嫌だと泣きじゃくりたい気持ちだった。


ニートっていいよね、楽そうで。
何のしがらみもなく、毎日自由気ままでさ。
働きたい時に働いて、遊びたい時に遊ぶ。
一生学生気分で、大人にならなくていいの。
うらやましい。


まぁ、そんな人生つまらないけどね。


でも、夢なんて持とうと思って持てるものではないし、気長に待つしかないのかな。
どっかで見つかるといいな、俺の夢。
どうしても叶えたい夢。
今度は投げ出さないようにしよう。


そもそも、やりたいことを見つけるために大学行ったはずだったのに何をやっているのだろう。
目先の楽しみに心奪われて、将来のために何かをするなんて考えもしなかった。


このまま大学を卒業して、適当な会社に就職して、適当に結婚してそれなりに幸せにやっていくのかな。
それもいいな。
いや、嫌かな。


でも俺に何か長けている部分なんてないし、才能なんてもっての他。
いいよね、才能のある人は。
進むべき道が明確だし、成功も約束されているから。何でもいいから俺にも才能をくださいよ、神様。


俺に向いている職業は何かって考えたら、公務員だと思う。
実は真面目だし、決められたことを守るのは得意だから。まぁ、頭悪いから無理だけど。


あ、明日もバイトだ。
でも面倒だからサボっちゃおうかな。
でも明日サボったら今月厳しいんだよな。
どうしよう…。


















ハァ…


























































…ダルイ。























































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