甲斐犬黒蜜のお使い

牛耳

第99話

さて、ドバイの髭のおじ様とイケメン君の実家にやって来た魔女一行様。
玄関ホールのデカさにビビりながらメイドさんに案内されてお客様用の部屋に案内される。
(アラブでは家の者以外は客間以外は入れない)
髭のおじ様が客間にいた自分の奥さん達に餡子さんを第3夫人にすると言いイケメン君がシナモンとバーバ・ヤーガをお嫁さんにすると言うと第1第2夫人はパッと顔を明るくて餡子さんやシナモン達に抱きついて揉みくちゃにする。

どうも見た目が可愛い三人を奥さん達、「可愛い〜」と気に入ったみたいだ。

ひと段落して餡子さんとバーバ・ヤーガの実年齢を聞き一瞬怯んだみたいだけれども可愛いし魔女なんてオシャレ!って色々質問攻めにしている奥さん達と小さな子供達。

取り残された私達は、メイドさんが出してくれた美味しいアラブコーヒーを飲みながらそんな光景をノホホンと見ている。

小さな子供に魔法を見せてとせがまれた餡子さん。
壁に掛けてある絨毯を指して「コレを魔法の絨毯にして皆んなで空を飛びましょう!」とか言っている。
それを聞いた子供達は大はしゃぎ!
旦那さんになる髭のおじ様に確認をとってから懐から出した小さな魔道具を壁の絨毯に取り付けて呪文を唱えると壁からフワリと浮いて床上10センチくらいの高さでホバリングしてる。

大きな絨毯に子供達とバーバ・ヤーガとシナモンも乗り込み窓を開けて貰ってアラビアンナイトの世界へGO!

空飛ぶ絨毯を見送った後、髭のおじ様とイケメン君や第1第2夫人達が『魔女って物凄い事を簡単にやってしまうんだね〜自分達も後で乗せて貰おう!』と驚いていた。

私は、黒蜜おばばに言われて宝石を嵌め込んだドアを潜り抜け餡子さんの仕事場から餡子を作る魔道具のサクマ君とボウルに出していた餡子と白玉団子を作る魔道具玉子ちゃんと玉子ちゃんの作った白玉団子を持って帰って来た私はメイドさんと台所へ。

砂糖と塩とお水を加えて白玉善哉を作って皆んなの所へ持って行く。
大量に作ってあるので数人いるメイドさん達にも食べて下さいと言っておいた。

「砂糖と塩とお水以外は魔力で作ってあるのでḤalāl《ハラール》(イスラムの食べ物に関する戒め)を気にしないで良い白玉善哉と言うスイーツですよ!さあ召し上がって下さい!」
と髭のおじ様達にお出しした。

一口食べて皆んなニッコリ。
奥様達は魔道具のサクマ君と玉子ちゃんに食いついている。
黒蜜おばばから魔力を込めると餡子や白玉団子が出て来る様子を実演されて喜んでる。

他にも食材が出来る魔道具は無いの?との質問に"たると"ちゃんが右腕のブレスレットを指して嬉しそうに答える。
「これは、私が作った万能調理ブレスレットです!魔力を込めながら『水400ccと唱えると水が出て塩小さじ一杯!と唱えると塩が出ます。魔力の消費量が多いので普通の魔女には使えませんが黒田の魔女の魔力量なら何とも無いので大丈夫です。出そうと思えばパン粉や小麦粉に胡椒、醤油に油。思い付く物は大体何でも出せますよ。工房にはお米やパン、麺類なら何でも作れる魔道具も有ります。」
エッヘンと無い胸を張っている"たると"ちゃん。

そんな黒蜜おばばと"たると"ちゃんを見ていた瑪瑙ちゃんが私をツンツンと突いて小さな声で聞いて来る。
「私は、まだ本当には子供だから良く解らないけれども蜜子お婆ちゃんと"たると"ちゃん気が効くし可愛いのに何で男の人が寄って来ないの?」
瑪瑙めのうちゃんの質問に顎に手を遣り少し考えた私は「瑪瑙ちゃん『ヤンデレ』って解るかな?あの二人ね一度付き合った相手にはトコトン尽くして尽くし尽きるのよ。と言うか『愛が重い』のよね。黒蜜おばばの前の旦那さんはね、朝昼晩最低三回は黒蜜おばばの好き好き大好き電撃ショックをやられて離婚前には勝手に口から魂が抜ける状態になってたし"たると"ちゃんが付き合った男性が他の女の子を見たりすると『私の愛が足らないのね?何時も一緒にいましょう!』と言って相手の手と自分の手を【融合】して離れられなくしたりする『ヤバイ女』なのよね」
それを聞いた瑪瑙ちゃん。
ウンウンと頷きながら。
「解る〜。ママが言ってた〜「母さんの愛の電撃で何度も何度もあの世を彷徨った。あれが無ければ良い人なんだけれども。瑪瑙はそんな大人になっちゃダメよ」って言われてる〜」とノホホンとした感じで言う。
ブレスレットから胡椒を出したりしている"たると"ちゃんと白玉善哉を美味しそうに食べている黒蜜おばばの二人を見ながらこの二人を相手に出来る強者が現れる日が来るのかしらねと思う私に瑪瑙ちゃんが一言。
「蜜ちゃんの旦那さんみたいに不死身の人狼でも無きゃ相手出来ないね〜」と呟いた。

それを聞いた私は『不死身、不死身かぁ〜誰か不死身の知り合い居ないかな〜?』と考えた。
台北の徐福仙人様は二人のご先祖だし・・・地獄や天界の方々はちょっと無理そうだし。

待てよここはアラビアンナイトの本場よね?。

私は目の前にいる髭のおじ様に聞いてみた。
「バドゥル(満月)さんランプの精霊さんがどこにいるかご存知ありませんか?」

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く