甲斐犬黒蜜のお使い

牛耳

第80話

落っこちて来たUFOをリトルグレイに上空に戻させていたら周りにいる群衆の中から天使の羽根を広げて天界の天使が数人飛んで来た。
普通なら人前で羽根を広げて飛んだりしない筈だけど地獄の軍団やモンスターズがいる中で羽根を広げた天使が居ても誰も気にしてない。
天使長のミカエルさんが私の前に舞い降りて深々とお辞儀をする。
「蜜ちゃん素晴らしい物を見せて頂きました。地上で地獄の軍団やモンスターズが真っ昼間に堂々と歩き回っても誰も気にしないこんな事をやってのけるのは蜜ちゃんだけですよ。我々天使も地上で羽根を広げて飛んだりしたのは一千年ぶり位です。天界で見ていて今なら羽目を外して人々の前に姿を現しても大丈夫と思ってやって参りました。我々アークエンジェルと天界の者も魔女っ子の撮影に使ってください。皆んな地上に来たくてウズウズしてたんですよ。ほら、気の早いモーゼさんがクレープ屋さんでチョコバナナを買って食べながら期待を込めた目でこっちを見てますよ」
ミカエルさんの指差している方を見ると杖を小脇に抱えクレープを食べている白髪に白髭のモーゼさんがニコニコしながら私を見てる・・・。
ヒッ○コックおじさんと紅さん、魔女っ子の三人に視線を向けると笑いながら頷いている。
「天界の人達!撮影が終わったら皆んなにも好きな家電を二点買ってあげるわ!モンスターズ達にも!それと今日の夜に撮影に関わった皆んなをすき焼きとしゃぶしゃぶの食べ放題と飲み放題に連れて行ってあげる!」

私がそう言うとあちこちから天界の人々が踊り出て来た。
こんなにいっぱい隠れてたのか・・・何店舗かに分けなきゃダメねこれは。
ゼ○ス様がニコニコしながらやって来る。
「蜜ちゃん楽しそうな事やってるから皆んなで来ちゃたよ。家電とすき焼きとしゃぶしゃぶ、何だか催促したみたいですまないね」
「良いんですよ。せっかくなんだから大勢で楽しみましょう」
私がそう言うとゼ○ス様。
「ところで蜜ちゃん我々天界の者も魔女っ子の敵役で出して貰えないかのぉ?一回くらい悪者をやってみたいんじゃ」
ゼ○ス様とその後ろに並んでいる天使達が眼を赤く光らせながら妖しく微笑んでいた。

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