甲斐犬黒蜜のお使い

牛耳

第35話

とある場所での会話。

「この頃話題に上がる黒い犬の使い魔。地獄どころか月のかぐや姫や重力兎にまで月に一度世界の美味を届ける約束をしたそうですぞ!!」
「何と!我々を差し置いて月の者にですと?由々しき事態ですな。我々の居る場所は月から直ぐですぞ?」
「何とかして我々にも月に一度世界の美味を届けて貰え無いだろうか?出来立ての美味しい物を・・・」
「地獄なぞ年に一度の賞味期限当日の水羊羹を食べたのですぞ!それも神社神域で買ってきた物を!」
「しかしあの黒い犬は地獄の使者に成っています。その様な者をこちらに招くのは・・・」
「それならば美味しい物を届けて貰ったとしても私達だけで頂いて貴殿には渡さないと言う事で」
「イヤイヤ、一応私も建て前を述べただけですよ。一層の事、地獄に倣って天使の称号を与えてしましょうか?黒い天使なんて言うのはどうでしょうか?」
「名案ですな。早速黒い犬の使い魔の元に我々からの御使を送り黒い天使の称号を与えるので天界に出頭する様に伝えましょうか。湘南の蒲鉾屋で売っている限定白はんぺんをこちらに来る際にお土産に持って来る様にと」
「うーむ、話しには聞いたが食べた事の無い保存料無しの足の速い限定はんぺんですか?これは楽しみですな。急ぎ御使の天使を派遣させましょう」

蜜は、地獄の黒い人々だけでなく天界の白いけど地獄の黒い方々と余り中身が変わらない食い意地の張った方々に目を付けられた様です。

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