甲斐犬黒蜜のお使い
第10話
”特人化促進薬”の製造が始まった。
この魔法薬は、横浜の魔女に以前から頼まれていたが薬材と魔力が足らなくて作れなかった薬。
日本に古来から住んでいる人狼一族の子供が産まれた。けれどもその子供は狼の血が濃すぎて”人狼”化した姿のまま産まれた。
一族の普通の子供は思春期になった頃に人狼そして狼に変化出来る様になる。
族長の息子であったその子供は先祖返りをしたらしい。
現代で無く江戸時代辺りならそのままの姿で山中にある狼神社で大神(おおかみ)として祀られ何とかなっただろうが今はそうも行かない。
”人狼化状態は良く西洋ファンタジーに出てくる。
狼の獣人状態”です。
人狼一族が急遽現代で本拠地にしている横浜で黒蜜おばばに並ぶ魔法薬製造を生業にしている横浜の魔女が呼ばれた。
通常の人化促進薬を試したが効果無し、出来得る力を全てつぎ込んだ魔法薬でやっと人の姿になったが。
一日持たずに人狼に戻ってしまう。
仕方無く禁断の手を使った。
強い毒を毎日飲ませ人狼の力を弱めさせて人狼化を抑え込みその上で人化促進薬を飲ませることにしたのだ。
通常の人狼よりも遥か強い彼は毒位では死なない一日で浄化出来てしまう。
彼は大きく育つ度に力を抑え込む毒と人化促進薬の量が増えて行った。
流石にかなりの量の毒を体内に吸収していれば頭も働かず側から見れば何時も”ボー”とした冴えない少年・冴えない青年・冴えない中年として過ごす人生だった。
三十歳後半に差し掛かり人狼化を抑え込む為に飲んでいた毒に耐性が付き半日一回、鯨でもイチコロの毒を飲まねば成らなくなっていた。
危機を覚えた横浜の魔女は森に篭り魔法薬を作る黒蜜おばばに”特人化促進薬”毒で体を弱め無くて良い強い魔力を含み一度飲めば一月は人化していられる魔法薬製造を半年前に頼んだ。
黒蜜おばばは蜜が新たに持ち帰った薬材と蜜を連れ調剤室へ急いで入る。
薬棚から作り掛けの”特人化促進薬”を出し一万年物の地獄人参の根を小指の先程と地獄マンドラゴラの片足、その他宝物殿から貰って来た薬材を入れ精製しフラスコの中に透明な液体を作り出した。
それを地脈に繋がる装置にセットする。
普段は少しずつ集めた魔力を魔力タンクから薬へ流すのだが今回はタンクから伸びるケーブルを蜜の腕輪に繋げる。
「魔力を貰うよ。用意はいいかい?」
と言った後に装置のスイッチを入れた。
『ズドン!』と物凄い音と閃光が辺りに鳴り響く。
しばらくして瞑っていた目を開いた二人が目にしたのは焼け切れたケーブルとフラスコに入った黄金に輝く真珠の様な粒が沢山。
”特人化促進薬”の完成だった。
フラスコから出した”特人化促進薬”を広めの皿に出し冷ます。
少し触らずに置くと色が落ち着き薬として安定する。
「蜜ありがとう。お前のおかげで頼まれていた薬が完成したよ。薬が安定するまで居間で地獄人参茶でも飲もうか」
台所でお茶の準備をしていた黒蜜おばば。
「あっ!せっかくだから一万年物の地獄人参の切れ端でお茶を飲んで見ようか。蜜、調剤室から人参の切れ端を持ってきおくれ」
頷いた私は調剤室へ向う。
調剤台のある床に黒くて丸い飴が転がっていた。
いつも黒蜜おばばが缶から出して私にも分けてくれる喉飴だ。
私は勿体無いなと思い躊躇無くパクっと口に入れた。
途端に私の目線が高くなる。
調剤台にある地獄人参の切れ端を地獄の腕輪を嵌めた”右手”で掴み居間へ入り。
「おばば・人参・持って来た」
と”声”を出す。
驚いて振り向いた黒蜜おばばの見た者は・・・。
長い黒髪に黒眼の大きな中学生位の大和撫子を具現化したらこうなると言う姿の女の子だった。
深紅のチョーカーに中国の古銭、その左右に牙、右手首には地獄の腕輪。
それだけを身に付け佇む女の子。
床に落ちていた”特人化促進薬”で可愛い女の子に人化した蜜の姿だった。
この魔法薬は、横浜の魔女に以前から頼まれていたが薬材と魔力が足らなくて作れなかった薬。
日本に古来から住んでいる人狼一族の子供が産まれた。けれどもその子供は狼の血が濃すぎて”人狼”化した姿のまま産まれた。
一族の普通の子供は思春期になった頃に人狼そして狼に変化出来る様になる。
族長の息子であったその子供は先祖返りをしたらしい。
現代で無く江戸時代辺りならそのままの姿で山中にある狼神社で大神(おおかみ)として祀られ何とかなっただろうが今はそうも行かない。
”人狼化状態は良く西洋ファンタジーに出てくる。
狼の獣人状態”です。
人狼一族が急遽現代で本拠地にしている横浜で黒蜜おばばに並ぶ魔法薬製造を生業にしている横浜の魔女が呼ばれた。
通常の人化促進薬を試したが効果無し、出来得る力を全てつぎ込んだ魔法薬でやっと人の姿になったが。
一日持たずに人狼に戻ってしまう。
仕方無く禁断の手を使った。
強い毒を毎日飲ませ人狼の力を弱めさせて人狼化を抑え込みその上で人化促進薬を飲ませることにしたのだ。
通常の人狼よりも遥か強い彼は毒位では死なない一日で浄化出来てしまう。
彼は大きく育つ度に力を抑え込む毒と人化促進薬の量が増えて行った。
流石にかなりの量の毒を体内に吸収していれば頭も働かず側から見れば何時も”ボー”とした冴えない少年・冴えない青年・冴えない中年として過ごす人生だった。
三十歳後半に差し掛かり人狼化を抑え込む為に飲んでいた毒に耐性が付き半日一回、鯨でもイチコロの毒を飲まねば成らなくなっていた。
危機を覚えた横浜の魔女は森に篭り魔法薬を作る黒蜜おばばに”特人化促進薬”毒で体を弱め無くて良い強い魔力を含み一度飲めば一月は人化していられる魔法薬製造を半年前に頼んだ。
黒蜜おばばは蜜が新たに持ち帰った薬材と蜜を連れ調剤室へ急いで入る。
薬棚から作り掛けの”特人化促進薬”を出し一万年物の地獄人参の根を小指の先程と地獄マンドラゴラの片足、その他宝物殿から貰って来た薬材を入れ精製しフラスコの中に透明な液体を作り出した。
それを地脈に繋がる装置にセットする。
普段は少しずつ集めた魔力を魔力タンクから薬へ流すのだが今回はタンクから伸びるケーブルを蜜の腕輪に繋げる。
「魔力を貰うよ。用意はいいかい?」
と言った後に装置のスイッチを入れた。
『ズドン!』と物凄い音と閃光が辺りに鳴り響く。
しばらくして瞑っていた目を開いた二人が目にしたのは焼け切れたケーブルとフラスコに入った黄金に輝く真珠の様な粒が沢山。
”特人化促進薬”の完成だった。
フラスコから出した”特人化促進薬”を広めの皿に出し冷ます。
少し触らずに置くと色が落ち着き薬として安定する。
「蜜ありがとう。お前のおかげで頼まれていた薬が完成したよ。薬が安定するまで居間で地獄人参茶でも飲もうか」
台所でお茶の準備をしていた黒蜜おばば。
「あっ!せっかくだから一万年物の地獄人参の切れ端でお茶を飲んで見ようか。蜜、調剤室から人参の切れ端を持ってきおくれ」
頷いた私は調剤室へ向う。
調剤台のある床に黒くて丸い飴が転がっていた。
いつも黒蜜おばばが缶から出して私にも分けてくれる喉飴だ。
私は勿体無いなと思い躊躇無くパクっと口に入れた。
途端に私の目線が高くなる。
調剤台にある地獄人参の切れ端を地獄の腕輪を嵌めた”右手”で掴み居間へ入り。
「おばば・人参・持って来た」
と”声”を出す。
驚いて振り向いた黒蜜おばばの見た者は・・・。
長い黒髪に黒眼の大きな中学生位の大和撫子を具現化したらこうなると言う姿の女の子だった。
深紅のチョーカーに中国の古銭、その左右に牙、右手首には地獄の腕輪。
それだけを身に付け佇む女の子。
床に落ちていた”特人化促進薬”で可愛い女の子に人化した蜜の姿だった。
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