異世界でひたすらコンティニュー!
遅すぎるスタートライン
「うぐぐ……うぉー!なんも思いつかねぇー!」
俺は必死に解決策を編み出そうとしたが、30分ぐらい時間が経過しても何も思いつかないままだった。
「ふーむ……しばらく考え込んで居るが大丈夫かな?」
そしてジジイは呑気に話しかけてきている。俺がこんな重大なことで悩み込んでなければ、即座に飛び蹴りをその貧弱そうな腰に決めてやりたいところだ。今はそんな余裕が無いが……。
「大丈夫じゃねーから考え込んで居るんだろうがよー!てかジジイも何か考えてくれよ!そんなところで、呑気な顔してるぐらいならよー!」
しかしこのまま何もしないのも癪なので、自分の中で最高速度の早口を呑気にしてるジジイの耳元へ叫んでやった。
「うぐぅぉー!そんな耳元で叫ばんでも聞こえるわーい!確かに今のお主の能力じゃぁ……なんの策もなしに突っ込んだら死ぬだけじゃな。」
やっぱりジジイもわかっていたんだな……俺の能力が。しかしこうも自分が無能だとどうすればいいのかよく分からなくなる。
だからこそこのジジイには『ある事』をしてもらわければならない。
「分かってるなら話が早い。とりあえずなんか新しい能力をくれや!ほら……例えば『嘘がバレない能力』とかあんだろ?」
そう……『チート能力』だ。これさえあればどんな無能でもなんとかなる。
「なんだとー!?何回も言っておるが、そんなに何個もチート能力をさずける訳にはいかないんじゃ!」
しかしこのジジイはその事が分かってないのか、断固として渡そうとしない。俺にとっては、こんなチンケなルールなんかに従ってるじじいが哀れで仕方ない。
「じゃぁせめてヒントぐらいくれよ!!俺の無能さはわかり切ってるだろうが!!」
「分かってるけど無理なもんは無理!何回でもチャレンジして凹んで来るがいい!」
「くっそ!じゃぁ仕方ねぇ!何回もゲームオーバーになりながらも答えを見つけるかー!」
このままジジイと粘っていても仕方ないし、幸い俺には『コンティニュー』というチート能力を持ってるから、何回でもチャレンジ出来る……はすだ!
「とりあえずがんばえー。」
そんな俺の精神を逆撫でするように気の抜けた声で応援してくるジジイ……年取って身についたのはその煽りスキルだけか?
そんなことを考えながら俺は異世界に戻って行った。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「ーーここは俺が空を眺めてた中庭か……。さてここでのんびりと寝転がってると死ぬから、とりあえず教室に戻るか〜。」
クリフトちゃんが居るとすると『校門前』か『教室』の可能性が高い。なお教室に戻る理由はなんとなくだ……どうせ1発で成功するなんて考えてないからな。
「……ってなんとなく教室に戻ってきたのは良いんだが、誰もいないじゃないか……。」
案外このクラスのみんなはすぐに帰宅するらしい……まぁ初めての入学式だから仕方ないのか?
とりあえず分かったことは早速予想が外れてしまったことだ……。スタートダッシュから調子が悪いな……。
「早いところクリフトちゃんとの恋愛フラグを建てておかないとな……いい加減コンティニューし続けるのが苦痛になってきたぞ……。」
そもそもゲームオーバー自体が気分のいい事ではないし、流石に進展がない出来事を何回も繰り返したくはない。
「できるだけ1発でクリアしてみたいけど……俺の頭脳じゃ無理ゲーだよなぁ……。」
「さっきからずっと独り言を呟いてるけどどうしたのよ……?」
「うぉぉ!?クリフトちゃんいつの間に!?」
そんな暗いことをボヤいているといつから居たのか後ろにお目当ての彼女が居た。
(どうしよどうしよ……さっきの独り言から俺が『コンティニュー』を出来るなんてことが彼女にバレてるかもしれない……!!)
「ちくしょう!!またやり直しだ!」
「えっ?やり直しって……」
俺は素早く本を取り出し、咄嗟にリセットする……成功していれば良いのだが……。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「ーーここは中庭か……とりあえず『ロード』が成功して良かったぞ……もしちょっとでも疑われたら色々終わってしまうし……。」
少なくてもクリフトちゃんの前では『能力』に関してのワードを出してはいけない。ただでさえ嘘を見破る能力があるのだから尚更だ。
「でもここからどうしようか?まだ帰り道に行くとかのスタートラインにすら立ってねぇし!」
俺は今日の放課後の間に『クリフトちゃんに殺されたこと』や『クリフトちゃんの過去を覗いたこと』などを体験してきたが、この世界の時は一切進んでない。
というかまだ『入学式』が終わってからなんも進展していない……。自分で言うのもなんだが色々チートを貰ってもこんなにヘボなのは正直しんどい。
「ーーまずは少しでも進展させとかないと!」
何時までもこんな所に居られないので、俺は早いところ『教室』に向かうことにした。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「……まだクリフトちゃんは来てないな……。」
早足で教室に来た俺は、まず周囲に人がいないことを確認したが……どうやらこの教室に居るのは俺だけのようだ。
「よし!あとは待つだけだ……喋ることもしないでずっと待つ!」
どうせ彼女はあと数分もしないうちにここへやってくるし、下手なことをしない方が良いだろう。
「あら?そこに居たのね、伝播くん!」
そしてその予想は見事的中することになった。ここまでは順調に行けるのだが……。
(この後どうしようか……もうダメ元でいくしかねぇ!!)
「ああっ!クリフトちゃんをちょっと探してたんだ!いや〜……見つかって良かったよ〜。」
とりあえずもう『嘘』とかどうでも良くなってしまった。……だって失敗してもやり直せば良いんだし!
「ーーそうね……。貴方のことを色々探し回って疲れたし、早く帰りましょ!」
思ったよりもあっさり解決しそうで自分でも驚いている......。
もしかしたら罠の可能性もあるが、いくらでも生き返れるためそんなことに恐怖を抱くのは無駄である。
それに今の彼女は俺との約束に意識を向けているから、バレる可能性も低いかもしれない!
まぁ……異世界に来て『死にゲー』のような人生を歩むとは思わなかったが……。
俺は必死に解決策を編み出そうとしたが、30分ぐらい時間が経過しても何も思いつかないままだった。
「ふーむ……しばらく考え込んで居るが大丈夫かな?」
そしてジジイは呑気に話しかけてきている。俺がこんな重大なことで悩み込んでなければ、即座に飛び蹴りをその貧弱そうな腰に決めてやりたいところだ。今はそんな余裕が無いが……。
「大丈夫じゃねーから考え込んで居るんだろうがよー!てかジジイも何か考えてくれよ!そんなところで、呑気な顔してるぐらいならよー!」
しかしこのまま何もしないのも癪なので、自分の中で最高速度の早口を呑気にしてるジジイの耳元へ叫んでやった。
「うぐぅぉー!そんな耳元で叫ばんでも聞こえるわーい!確かに今のお主の能力じゃぁ……なんの策もなしに突っ込んだら死ぬだけじゃな。」
やっぱりジジイもわかっていたんだな……俺の能力が。しかしこうも自分が無能だとどうすればいいのかよく分からなくなる。
だからこそこのジジイには『ある事』をしてもらわければならない。
「分かってるなら話が早い。とりあえずなんか新しい能力をくれや!ほら……例えば『嘘がバレない能力』とかあんだろ?」
そう……『チート能力』だ。これさえあればどんな無能でもなんとかなる。
「なんだとー!?何回も言っておるが、そんなに何個もチート能力をさずける訳にはいかないんじゃ!」
しかしこのジジイはその事が分かってないのか、断固として渡そうとしない。俺にとっては、こんなチンケなルールなんかに従ってるじじいが哀れで仕方ない。
「じゃぁせめてヒントぐらいくれよ!!俺の無能さはわかり切ってるだろうが!!」
「分かってるけど無理なもんは無理!何回でもチャレンジして凹んで来るがいい!」
「くっそ!じゃぁ仕方ねぇ!何回もゲームオーバーになりながらも答えを見つけるかー!」
このままジジイと粘っていても仕方ないし、幸い俺には『コンティニュー』というチート能力を持ってるから、何回でもチャレンジ出来る……はすだ!
「とりあえずがんばえー。」
そんな俺の精神を逆撫でするように気の抜けた声で応援してくるジジイ……年取って身についたのはその煽りスキルだけか?
そんなことを考えながら俺は異世界に戻って行った。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「ーーここは俺が空を眺めてた中庭か……。さてここでのんびりと寝転がってると死ぬから、とりあえず教室に戻るか〜。」
クリフトちゃんが居るとすると『校門前』か『教室』の可能性が高い。なお教室に戻る理由はなんとなくだ……どうせ1発で成功するなんて考えてないからな。
「……ってなんとなく教室に戻ってきたのは良いんだが、誰もいないじゃないか……。」
案外このクラスのみんなはすぐに帰宅するらしい……まぁ初めての入学式だから仕方ないのか?
とりあえず分かったことは早速予想が外れてしまったことだ……。スタートダッシュから調子が悪いな……。
「早いところクリフトちゃんとの恋愛フラグを建てておかないとな……いい加減コンティニューし続けるのが苦痛になってきたぞ……。」
そもそもゲームオーバー自体が気分のいい事ではないし、流石に進展がない出来事を何回も繰り返したくはない。
「できるだけ1発でクリアしてみたいけど……俺の頭脳じゃ無理ゲーだよなぁ……。」
「さっきからずっと独り言を呟いてるけどどうしたのよ……?」
「うぉぉ!?クリフトちゃんいつの間に!?」
そんな暗いことをボヤいているといつから居たのか後ろにお目当ての彼女が居た。
(どうしよどうしよ……さっきの独り言から俺が『コンティニュー』を出来るなんてことが彼女にバレてるかもしれない……!!)
「ちくしょう!!またやり直しだ!」
「えっ?やり直しって……」
俺は素早く本を取り出し、咄嗟にリセットする……成功していれば良いのだが……。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「ーーここは中庭か……とりあえず『ロード』が成功して良かったぞ……もしちょっとでも疑われたら色々終わってしまうし……。」
少なくてもクリフトちゃんの前では『能力』に関してのワードを出してはいけない。ただでさえ嘘を見破る能力があるのだから尚更だ。
「でもここからどうしようか?まだ帰り道に行くとかのスタートラインにすら立ってねぇし!」
俺は今日の放課後の間に『クリフトちゃんに殺されたこと』や『クリフトちゃんの過去を覗いたこと』などを体験してきたが、この世界の時は一切進んでない。
というかまだ『入学式』が終わってからなんも進展していない……。自分で言うのもなんだが色々チートを貰ってもこんなにヘボなのは正直しんどい。
「ーーまずは少しでも進展させとかないと!」
何時までもこんな所に居られないので、俺は早いところ『教室』に向かうことにした。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「……まだクリフトちゃんは来てないな……。」
早足で教室に来た俺は、まず周囲に人がいないことを確認したが……どうやらこの教室に居るのは俺だけのようだ。
「よし!あとは待つだけだ……喋ることもしないでずっと待つ!」
どうせ彼女はあと数分もしないうちにここへやってくるし、下手なことをしない方が良いだろう。
「あら?そこに居たのね、伝播くん!」
そしてその予想は見事的中することになった。ここまでは順調に行けるのだが……。
(この後どうしようか……もうダメ元でいくしかねぇ!!)
「ああっ!クリフトちゃんをちょっと探してたんだ!いや〜……見つかって良かったよ〜。」
とりあえずもう『嘘』とかどうでも良くなってしまった。……だって失敗してもやり直せば良いんだし!
「ーーそうね……。貴方のことを色々探し回って疲れたし、早く帰りましょ!」
思ったよりもあっさり解決しそうで自分でも驚いている......。
もしかしたら罠の可能性もあるが、いくらでも生き返れるためそんなことに恐怖を抱くのは無駄である。
それに今の彼女は俺との約束に意識を向けているから、バレる可能性も低いかもしれない!
まぁ……異世界に来て『死にゲー』のような人生を歩むとは思わなかったが……。
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