異世界でひたすらコンティニュー!
放課後
先生が立ち去ってから、俺を含めたクラスメイト全員がその場で座りつくしていた。
多分みんな何が起きたのか、まだ頭の中で理解しきれてないのだろう……。
この重苦しい空気が流れている中で、ロッカチカが
「……ねぇ?まずみんなここで帰る前に、アリスが無事に目を覚ますまで待ってみないか?単に気絶してるだけなら、そうそう時間もかからないだろうし……。
と提案していた。あれだけ吹き飛ばされてよく生きているだけでも凄いのだが……。
「ロッカチカさんの言う通りですね……ではもしこのまま起きなかったら、私がこのご遺体を持って帰っても宜しいでしょうか?」
ハルバードが言った後半のセリフには全く同意出来ないが、ほかのクラスメイトもあまり反論が無いのかそのまま残っていた。
そして待つこと30分後、先生に吹き飛ばされていたアリスが目を覚ました。
「うぅ〜……すっごい頭とか背中が痛い…….でも切られてないのはどうして〜?」
アリスは自分の身体をあちこち見つめながら、みんなに説明を求めていた。
そこで真っ先に説明をしたのはアリスと対決しようとしたカーリーだった。
「じ……実を言うとな……アリスがこっちに突っ込んで来たと思ったら、先生が貴方を何かしらの方法で飛ばしたんだ……。」
「ほへ?あの先生が私を気絶させたのね……あー見えて戦闘力無さそうに見えたんだけどなぁ……。」
確かに眼鏡をかけた初老のハイテンション先生に、あそこまで力があるとはとてもじゃないが初見では考えられない。
「ではアリスさんも目を覚ましたことですし、最後にみんなで集合写真でも撮りましょうか!」
にこっと満面の笑みを浮かべたロッカチカが何やらカメラらしき物を持ちながら、そう宣言した。
なるほど……こいつの目的はこれだったのか……。まぁ思い出残しにはいいかもしれない。
「賛成!」 「ではこの右腕がよく写るようにしていただきたい!」「くーたんも喜んでる……。」
色々と喜びの声が上がる中で、俺はあまり喜べなかった。
理由は……俺は容姿に自信がないし、それでいて写真写りもとてつもなく悪いのだ。
1回前の高校で証明写真を撮った後に、その写真を自分で見てみたのだが……まるで囚人みたいな表情で撮られていて、それ以来自分の写真が嫌いになったのである。
「伝播くん……?そんなに難しい顔をしてどうしたの?」
そんなトラウマを思い出していると、クリフトちゃんが不思議そうに俺を見つめていた。
ここで俺だけ写真撮影にバックれると、みんなから不審に思われかねない。
「い……いやぁ……なんでもないさ。写真撮影なんて久しぶりだからびっくりしただけよ〜。」
「そっか……せっかくの写真撮影なんだから元気よくいかないと後悔するよ……?」
もう既に後悔してるから問題はない。と言いたくなったが、そうすると俺のプライドが音をたてて崩れていきそうなので辞めた。
「はいはーい!撮影の準備が出来たよ〜!みんなが写るように後ろで詰めて〜!」
そんなこんなで彼女と話していると、準備を終えたロッカチカが俺たち全員を後ろに移動させた。
しかし、この異世界でも写真撮影ってことが普通に行われてるんだな……。
「よーし!今タイマー付けたから、みんなそのまま動かないでね!」
ロッカチカがこっちに来てポーズを決めている。そしてクラスメイトも皆各々のポーズを決めた。
後は俺がポーズを決めるだけなのだが、これがなかなか思いつかない。
仕方ないのでここはベタだが、ピースで誤魔化すことにした。
そしてすぐ後にシャッター音が聞こえて、ロッカチカがどんな写真が取れたのか確認しに行った。
「……よし!ちゃんとクラスメイト全員写ってる!じゃぁこれを後日みんなに配るからね!」
正直俺は要らないのだが……。
そうして俺たちクラスメイトは、それぞれ自分の自由に行動を始めた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「あ〜……もう今日は色々あって疲れたぜ〜……。」
写真を撮り終わったあとに、俺は学校の庭で寝転がっていた。家に帰ろうと思ったが、生憎そこまでの体力が今はないのである。
しばらく異世界の空を眺めていると、不意に誰かから声をかけられた。
「そんなところで何をしてるの……?」
声の主に顔を振り向けると、そこにはちょこんと人形のように立ち尽くしているクリフトの姿があった。
「ん?誰かと思えばクリフトちゃんじゃねーか……今はちょっと休憩してるだけさ。」
しかし彼女にはあまり理解できないのか、首を傾げている。
「休憩するなら学校内の方がいいと思うよ……?それに風邪ひくかもよ……?」
「なんだろうな〜……ほらたまーに外に出たくなる欲求ってやつがあるのさ!俺には!
あと俺はこう見えても結構免疫とか強いと自負してるし大丈夫だって!」
「やっぱり貴方って変だと思うの……。」
直球でこんなことを言われると俺のメンタルに結構響いてくる……。
「まぁ人は千差万別って言うし、そこはご愛嬌ってことで納得してくれよな〜。」
「ふーん……なんでもいいけど、私との約束を忘れてないかしら……?」
あっ……そう言えば帰り道に約束していたような気がする……。
そんな事を思い出していると、彼女の表情がものすごく険しいものになっていた。
さてさて……ここで変なことを言うと、また彼女が持っているぬいぐるみに、スパッとHEAVENへ導かれるからな〜……どうしたものか……。
俺が思いつく選択肢はおよそ……3個といったところか……。
まず1つ目に……普通に謝ることだ。正直これが一番妥当な選択肢だと思う。けれどもそれで許してくれるかは分からないが……。
そして2つ目に、言い訳をしつつ話題を逸らすこと。上手くいけば何事もなく、帰り道に突入することができる!
難点としては、俺にそのようなことが出来る会話力がないことだ……多分この作戦は無理だろう。
最後の3個目は……急用が出来たと言うことにして逃げる……ぶっちゃけこの手段は使いたくないのだが。
まさか異世界でこんな修羅場になることなんて想像してなかったから、どうしたらいいのか全くわからない。
果たしてこの3つの選択肢から何を選べばいいんだ……?
多分みんな何が起きたのか、まだ頭の中で理解しきれてないのだろう……。
この重苦しい空気が流れている中で、ロッカチカが
「……ねぇ?まずみんなここで帰る前に、アリスが無事に目を覚ますまで待ってみないか?単に気絶してるだけなら、そうそう時間もかからないだろうし……。
と提案していた。あれだけ吹き飛ばされてよく生きているだけでも凄いのだが……。
「ロッカチカさんの言う通りですね……ではもしこのまま起きなかったら、私がこのご遺体を持って帰っても宜しいでしょうか?」
ハルバードが言った後半のセリフには全く同意出来ないが、ほかのクラスメイトもあまり反論が無いのかそのまま残っていた。
そして待つこと30分後、先生に吹き飛ばされていたアリスが目を覚ました。
「うぅ〜……すっごい頭とか背中が痛い…….でも切られてないのはどうして〜?」
アリスは自分の身体をあちこち見つめながら、みんなに説明を求めていた。
そこで真っ先に説明をしたのはアリスと対決しようとしたカーリーだった。
「じ……実を言うとな……アリスがこっちに突っ込んで来たと思ったら、先生が貴方を何かしらの方法で飛ばしたんだ……。」
「ほへ?あの先生が私を気絶させたのね……あー見えて戦闘力無さそうに見えたんだけどなぁ……。」
確かに眼鏡をかけた初老のハイテンション先生に、あそこまで力があるとはとてもじゃないが初見では考えられない。
「ではアリスさんも目を覚ましたことですし、最後にみんなで集合写真でも撮りましょうか!」
にこっと満面の笑みを浮かべたロッカチカが何やらカメラらしき物を持ちながら、そう宣言した。
なるほど……こいつの目的はこれだったのか……。まぁ思い出残しにはいいかもしれない。
「賛成!」 「ではこの右腕がよく写るようにしていただきたい!」「くーたんも喜んでる……。」
色々と喜びの声が上がる中で、俺はあまり喜べなかった。
理由は……俺は容姿に自信がないし、それでいて写真写りもとてつもなく悪いのだ。
1回前の高校で証明写真を撮った後に、その写真を自分で見てみたのだが……まるで囚人みたいな表情で撮られていて、それ以来自分の写真が嫌いになったのである。
「伝播くん……?そんなに難しい顔をしてどうしたの?」
そんなトラウマを思い出していると、クリフトちゃんが不思議そうに俺を見つめていた。
ここで俺だけ写真撮影にバックれると、みんなから不審に思われかねない。
「い……いやぁ……なんでもないさ。写真撮影なんて久しぶりだからびっくりしただけよ〜。」
「そっか……せっかくの写真撮影なんだから元気よくいかないと後悔するよ……?」
もう既に後悔してるから問題はない。と言いたくなったが、そうすると俺のプライドが音をたてて崩れていきそうなので辞めた。
「はいはーい!撮影の準備が出来たよ〜!みんなが写るように後ろで詰めて〜!」
そんなこんなで彼女と話していると、準備を終えたロッカチカが俺たち全員を後ろに移動させた。
しかし、この異世界でも写真撮影ってことが普通に行われてるんだな……。
「よーし!今タイマー付けたから、みんなそのまま動かないでね!」
ロッカチカがこっちに来てポーズを決めている。そしてクラスメイトも皆各々のポーズを決めた。
後は俺がポーズを決めるだけなのだが、これがなかなか思いつかない。
仕方ないのでここはベタだが、ピースで誤魔化すことにした。
そしてすぐ後にシャッター音が聞こえて、ロッカチカがどんな写真が取れたのか確認しに行った。
「……よし!ちゃんとクラスメイト全員写ってる!じゃぁこれを後日みんなに配るからね!」
正直俺は要らないのだが……。
そうして俺たちクラスメイトは、それぞれ自分の自由に行動を始めた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「あ〜……もう今日は色々あって疲れたぜ〜……。」
写真を撮り終わったあとに、俺は学校の庭で寝転がっていた。家に帰ろうと思ったが、生憎そこまでの体力が今はないのである。
しばらく異世界の空を眺めていると、不意に誰かから声をかけられた。
「そんなところで何をしてるの……?」
声の主に顔を振り向けると、そこにはちょこんと人形のように立ち尽くしているクリフトの姿があった。
「ん?誰かと思えばクリフトちゃんじゃねーか……今はちょっと休憩してるだけさ。」
しかし彼女にはあまり理解できないのか、首を傾げている。
「休憩するなら学校内の方がいいと思うよ……?それに風邪ひくかもよ……?」
「なんだろうな〜……ほらたまーに外に出たくなる欲求ってやつがあるのさ!俺には!
あと俺はこう見えても結構免疫とか強いと自負してるし大丈夫だって!」
「やっぱり貴方って変だと思うの……。」
直球でこんなことを言われると俺のメンタルに結構響いてくる……。
「まぁ人は千差万別って言うし、そこはご愛嬌ってことで納得してくれよな〜。」
「ふーん……なんでもいいけど、私との約束を忘れてないかしら……?」
あっ……そう言えば帰り道に約束していたような気がする……。
そんな事を思い出していると、彼女の表情がものすごく険しいものになっていた。
さてさて……ここで変なことを言うと、また彼女が持っているぬいぐるみに、スパッとHEAVENへ導かれるからな〜……どうしたものか……。
俺が思いつく選択肢はおよそ……3個といったところか……。
まず1つ目に……普通に謝ることだ。正直これが一番妥当な選択肢だと思う。けれどもそれで許してくれるかは分からないが……。
そして2つ目に、言い訳をしつつ話題を逸らすこと。上手くいけば何事もなく、帰り道に突入することができる!
難点としては、俺にそのようなことが出来る会話力がないことだ……多分この作戦は無理だろう。
最後の3個目は……急用が出来たと言うことにして逃げる……ぶっちゃけこの手段は使いたくないのだが。
まさか異世界でこんな修羅場になることなんて想像してなかったから、どうしたらいいのか全くわからない。
果たしてこの3つの選択肢から何を選べばいいんだ……?
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