異世界でひたすらコンティニュー!
自己紹介 後半戦
「それじゃぁ……休憩時間も終わりましたし、後半グループの自己紹介と参りましょうか……ではそこの君!」
残り5人の中から先生が指さしたのは、至って普通の女性であった……右手に黒い包帯をしてることを除けばだが……。
その女性は立ち上がり、黒い包帯に包まれた右腕を掲げて
「我が名は『アーデン・ロイス』。選ばれた『勇者』の血統を持ちつつ『魔族』の血を受け継いだ偉大なる『聖職者』よ!
PRポイントは……なんと言っても『魔族』の力を持ったこの右腕だな……くふふふ……だが安心したまえ……この聖なる包帯をしている限り君たちに危害は与えないさ……。」
ここまでツッコミどころが多いと、もはや白けた顔で見るのが精一杯である。
まず第一に『勇者』と『魔族』から出来た子どもがなぜ『聖職者』になるんだ?そこは優秀な血統を利用して『魔法使い』とか『勇者』になるべきでは無かったのか?
そもそもヤバそうな『魔族』の能力を持って、何故『聖職者』になれたってこともあるのだが……。
あと聖なる包帯と言っているが、どう見ても色的に闇に染まってるし、こいつ自身の性格もかなり危ない……。
もしこんなやつに呪いの解除とか回復魔法をお願いするぐらいなら、素直に死を受けいれた方が後々いいことになりそうだ。
しかし、そんなヤバそうな子でも先生は
「おおっ!素晴らしい自己紹介をありがとうございまーす!それでは着席してください!」
素晴らしい人と褒め称えていた。やっぱり異世界の常識はよく分からん……。
「ではでは……次の子は一体どんな自己紹介をしてくれるのでしょうか〜?じゃぁそこの君!お願いしまーす!」
頼む…次こそはまともなやつであってくれ!ここまで、ほとんどろくでもない奴しか居ないんだから!!
しかしその女性は俺の儚い期待を、根本から叩き潰して来た。
「はいはーい!私の名前は『フリアエ・ナール』でーす!好きなことは……男と女が夜に行う恋の儀式……すなわち『エロ』ですね。
もちろん男と男……と言った同性同士で行うことも好きよ!PRポイントを知りたい人は、今夜私のベッドで見せてあげる……!」
こんなやつに俺の童貞捧げるくらいなら、一生童貞でいいわ……って割と考えそうになった。
……あとの3人もこのままこんなやつみたいに、危険なやつしか残ってないのか?
だとしたらもうこの異世界生活をリタイアしたい……俺はもうこの世界の常識についていける気がしない。
「ほうほう……これまたいい自己紹介をありがとうございまーす!さてさて残す所あと3人となりましたが、一体どんな自己紹介をしてくれるのか……とっても楽しみでーす!」
先生はこのカオスなクラスメイト達に、なんで期待を寄せることが出来るのだろうか……?
俺みたいに普通の神経を持っていたら耐えられないと思うのだが……いや、普通じゃないからここの教師になれたんだな……。
残るクラスメイトは3人……だがあまり期待は持てない……。
せめて聖人とまではいかないが……常識的な人物が欲しいところだ……。
「それではそこの君!自己紹介をお願いしまーす!」
そして立った女性は……見た目は普通の女性である……。まずここまではOKなんだ。問題はどんなPRポイントを持っているかなんだ……。
「私の名前は『カーリー・ランタナ』。PRポイントは毎日の日々を過ごす中で鍛え上げたこの剣術だ!」
なるほどこいつは『剣士』ってやつだな。この魔法やら銃やらがある異世界で、この道一本で突き進む意思はとても素晴らしい……!
「そして……今1番気になってる人は……つい先程自己紹介をした『アーデン・ロイス』って人だ!理由は……端的に彼女の右腕とこの師から貰ったこの刀……どちらが優れているか気になったのでな……。」
あー……多分この子もダメかもしれない……。惹かれてはいけない人に完全に虜になっている。
今はいいかもしれないけどそのうち絶対後悔するぞ……。
「おおーぅ!なんと立派なPRポイントでしょうか!素晴らしいですよぉ!じゃぁ次は……カーリーさんの隣にいる君にしよう!」
今思ったんだがこの先生って……誰でもこんな感じで褒めちぎるタイプなのか?
正直そんな誰にでも優しい態度でこのクラスは乗り切れないと思うぞ?既に巨乳と貧乳の戦争の火蓋は落とされかけてるからな……。
そして、先生に指名された彼女は……パッと見白衣を着ている。恐らく医者か……研究員だろう……。
「えー……では自己紹介といきましょうか……。私の名前は『ハルバード・セレス』。PRポイントは様々な実験によって身についた解体術ですね……。」
そう言うと彼女は、何処に隠し持っていたのか大量のメスやナイフを取り出した。
……解体するのにあれだけのナイフやメスはいるのか?普通は1本とかで十分だと思うんだが……。
「本来ならどのように解体するか、見せた方がいいかもしれないですが……肝心の解体するものが忘れてしまいましたね……いずれは見せたいと思います。」
そんな物騒なものを披露しなくても……てか家では毎日のように解体しているのか?
この人も失礼ではあるかもしれないが……あまり近寄りたくはない人だ……。ある日手違いで解体材料なんかにされたら、たまったものじゃないし……。
「ほほーぅ!素晴らしい技術をありがとうございまーす!さてさてあっという間に残りは1人になりました!ではでは、最後のフィナーレをどうーぞ!」
もうこの先生の褒めちぎりに飽きたところで、最後の1人になった。
彼女は立ち上がり、西洋の魔女が着ているようなマントをサッと靡かせ自己紹介を行った。
「最後の自己紹介を飾ります『アリス・ユークリッド』と申します。PRポイントは……『格闘技』です。」
はっ?格闘技?そんな西洋の魔女が着てるようなゴリゴリの魔女っ子なのに?
そもそもそんな服装で物理攻撃なんて出来るのか?むしろもっと軽装にするべきだろう。
そんな俺の考えに同調したのか、カーリーと名乗った剣士が
「ちょ……ちょっと待ってくれ?そんなマントやら帽子やら色々と着込んでいるが……ほんとに格闘技なんて出来るのか?」
と疑問を思い切りぶつけていた。よく言ってくれたと、心の中で俺は彼女を称賛していた。
「そうですか……では貴方で試させて貰いましょう……私の格闘技を!」
そう言うとアリスはマントをバサッと靡かせながら、拳を構えている。
マジか?その服装で戦うつもりなのか?
「あくまで戦うことが出来るというのですか……なら手加減は無用ですね……。」
カーリーはカチャッと刀を構えて、アリスからの攻撃を待っている。
いつの間にかこの教室の空気がピリピリしている……ほんの少し前まではこんな空気じゃなかったのに……。
アリスが目にも留まらぬ速さで刀を構えている彼女に向かった瞬間に……バァン!と音が鳴って何故かアリスの方が吹っ飛んだ。
するといつの間にか先生がアリスに近寄り、
「おいたはいけませんよアリスさん……まだ今日は自己紹介しかしてないのに、早速喧嘩なんて……一旦席について落ち着いてください。」
と彼女を軽々と持ち上げたあと、ドンっとアリスを元の席の場所に戻していた。
アリスを席に戻した後にカーリーの所にも近寄り、
「あなたに対しては特に罰則は設けませんが……あまり人に対して深く関わると時に自分の命を失いますからね。」
と彼女の肩をポンポンと軽く叩いた後、先生は教卓に戻って行った。
そして何事もなかったかの様に、いつもの調子で先生は
「ちょーとトラブルがありましたが、ここで今日の授業は終わりまーす!放課後にみんなとどこかに行くのも良し!自由にしてください!」
と言い残していち早く教室から出ていった。
残り5人の中から先生が指さしたのは、至って普通の女性であった……右手に黒い包帯をしてることを除けばだが……。
その女性は立ち上がり、黒い包帯に包まれた右腕を掲げて
「我が名は『アーデン・ロイス』。選ばれた『勇者』の血統を持ちつつ『魔族』の血を受け継いだ偉大なる『聖職者』よ!
PRポイントは……なんと言っても『魔族』の力を持ったこの右腕だな……くふふふ……だが安心したまえ……この聖なる包帯をしている限り君たちに危害は与えないさ……。」
ここまでツッコミどころが多いと、もはや白けた顔で見るのが精一杯である。
まず第一に『勇者』と『魔族』から出来た子どもがなぜ『聖職者』になるんだ?そこは優秀な血統を利用して『魔法使い』とか『勇者』になるべきでは無かったのか?
そもそもヤバそうな『魔族』の能力を持って、何故『聖職者』になれたってこともあるのだが……。
あと聖なる包帯と言っているが、どう見ても色的に闇に染まってるし、こいつ自身の性格もかなり危ない……。
もしこんなやつに呪いの解除とか回復魔法をお願いするぐらいなら、素直に死を受けいれた方が後々いいことになりそうだ。
しかし、そんなヤバそうな子でも先生は
「おおっ!素晴らしい自己紹介をありがとうございまーす!それでは着席してください!」
素晴らしい人と褒め称えていた。やっぱり異世界の常識はよく分からん……。
「ではでは……次の子は一体どんな自己紹介をしてくれるのでしょうか〜?じゃぁそこの君!お願いしまーす!」
頼む…次こそはまともなやつであってくれ!ここまで、ほとんどろくでもない奴しか居ないんだから!!
しかしその女性は俺の儚い期待を、根本から叩き潰して来た。
「はいはーい!私の名前は『フリアエ・ナール』でーす!好きなことは……男と女が夜に行う恋の儀式……すなわち『エロ』ですね。
もちろん男と男……と言った同性同士で行うことも好きよ!PRポイントを知りたい人は、今夜私のベッドで見せてあげる……!」
こんなやつに俺の童貞捧げるくらいなら、一生童貞でいいわ……って割と考えそうになった。
……あとの3人もこのままこんなやつみたいに、危険なやつしか残ってないのか?
だとしたらもうこの異世界生活をリタイアしたい……俺はもうこの世界の常識についていける気がしない。
「ほうほう……これまたいい自己紹介をありがとうございまーす!さてさて残す所あと3人となりましたが、一体どんな自己紹介をしてくれるのか……とっても楽しみでーす!」
先生はこのカオスなクラスメイト達に、なんで期待を寄せることが出来るのだろうか……?
俺みたいに普通の神経を持っていたら耐えられないと思うのだが……いや、普通じゃないからここの教師になれたんだな……。
残るクラスメイトは3人……だがあまり期待は持てない……。
せめて聖人とまではいかないが……常識的な人物が欲しいところだ……。
「それではそこの君!自己紹介をお願いしまーす!」
そして立った女性は……見た目は普通の女性である……。まずここまではOKなんだ。問題はどんなPRポイントを持っているかなんだ……。
「私の名前は『カーリー・ランタナ』。PRポイントは毎日の日々を過ごす中で鍛え上げたこの剣術だ!」
なるほどこいつは『剣士』ってやつだな。この魔法やら銃やらがある異世界で、この道一本で突き進む意思はとても素晴らしい……!
「そして……今1番気になってる人は……つい先程自己紹介をした『アーデン・ロイス』って人だ!理由は……端的に彼女の右腕とこの師から貰ったこの刀……どちらが優れているか気になったのでな……。」
あー……多分この子もダメかもしれない……。惹かれてはいけない人に完全に虜になっている。
今はいいかもしれないけどそのうち絶対後悔するぞ……。
「おおーぅ!なんと立派なPRポイントでしょうか!素晴らしいですよぉ!じゃぁ次は……カーリーさんの隣にいる君にしよう!」
今思ったんだがこの先生って……誰でもこんな感じで褒めちぎるタイプなのか?
正直そんな誰にでも優しい態度でこのクラスは乗り切れないと思うぞ?既に巨乳と貧乳の戦争の火蓋は落とされかけてるからな……。
そして、先生に指名された彼女は……パッと見白衣を着ている。恐らく医者か……研究員だろう……。
「えー……では自己紹介といきましょうか……。私の名前は『ハルバード・セレス』。PRポイントは様々な実験によって身についた解体術ですね……。」
そう言うと彼女は、何処に隠し持っていたのか大量のメスやナイフを取り出した。
……解体するのにあれだけのナイフやメスはいるのか?普通は1本とかで十分だと思うんだが……。
「本来ならどのように解体するか、見せた方がいいかもしれないですが……肝心の解体するものが忘れてしまいましたね……いずれは見せたいと思います。」
そんな物騒なものを披露しなくても……てか家では毎日のように解体しているのか?
この人も失礼ではあるかもしれないが……あまり近寄りたくはない人だ……。ある日手違いで解体材料なんかにされたら、たまったものじゃないし……。
「ほほーぅ!素晴らしい技術をありがとうございまーす!さてさてあっという間に残りは1人になりました!ではでは、最後のフィナーレをどうーぞ!」
もうこの先生の褒めちぎりに飽きたところで、最後の1人になった。
彼女は立ち上がり、西洋の魔女が着ているようなマントをサッと靡かせ自己紹介を行った。
「最後の自己紹介を飾ります『アリス・ユークリッド』と申します。PRポイントは……『格闘技』です。」
はっ?格闘技?そんな西洋の魔女が着てるようなゴリゴリの魔女っ子なのに?
そもそもそんな服装で物理攻撃なんて出来るのか?むしろもっと軽装にするべきだろう。
そんな俺の考えに同調したのか、カーリーと名乗った剣士が
「ちょ……ちょっと待ってくれ?そんなマントやら帽子やら色々と着込んでいるが……ほんとに格闘技なんて出来るのか?」
と疑問を思い切りぶつけていた。よく言ってくれたと、心の中で俺は彼女を称賛していた。
「そうですか……では貴方で試させて貰いましょう……私の格闘技を!」
そう言うとアリスはマントをバサッと靡かせながら、拳を構えている。
マジか?その服装で戦うつもりなのか?
「あくまで戦うことが出来るというのですか……なら手加減は無用ですね……。」
カーリーはカチャッと刀を構えて、アリスからの攻撃を待っている。
いつの間にかこの教室の空気がピリピリしている……ほんの少し前まではこんな空気じゃなかったのに……。
アリスが目にも留まらぬ速さで刀を構えている彼女に向かった瞬間に……バァン!と音が鳴って何故かアリスの方が吹っ飛んだ。
するといつの間にか先生がアリスに近寄り、
「おいたはいけませんよアリスさん……まだ今日は自己紹介しかしてないのに、早速喧嘩なんて……一旦席について落ち着いてください。」
と彼女を軽々と持ち上げたあと、ドンっとアリスを元の席の場所に戻していた。
アリスを席に戻した後にカーリーの所にも近寄り、
「あなたに対しては特に罰則は設けませんが……あまり人に対して深く関わると時に自分の命を失いますからね。」
と彼女の肩をポンポンと軽く叩いた後、先生は教卓に戻って行った。
そして何事もなかったかの様に、いつもの調子で先生は
「ちょーとトラブルがありましたが、ここで今日の授業は終わりまーす!放課後にみんなとどこかに行くのも良し!自由にしてください!」
と言い残していち早く教室から出ていった。
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