異世界でひたすらコンティニュー!

双葉カイト

初めてだらけの異世界高校

 


 始業式に出るために、集合場所である大きいホールまで来た。


 「しっかし……この高校広いな〜。前の世界の高校の何倍もあるぞ。」


 この高校を隅から隅まで歩くとなると丸一日かかりそうだ。


 そしてホールの中に入ると、まるで西洋の宮殿を想像させるような内装であった。


 「こりゃすげえ……この高校どんな金持ちが通ってやがるんだ?」


 豪華な内装に思わずたじろぎながらも、中に進んでいく。


 そして、中心部に入ると沢山の生徒が既に集まっていた。


 「高校ってレベルじゃねーぞ……昔の高校の何倍だよこの数!」


 なんとか平静を保ちながら、適当な席に座った。


 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 しばらく待っていると


『ただ今から!始業式を始めます!』


 ホール内に音声が響き渡る。これから始業式が始まるのだ。


 昔の世界の始業式はかったるいものなのだが、今は全然そんなものを感じない。


 いやむしろどんな話をするのか気になって仕方ない。この世界の事を色々知りたいのだ。


『本学校にご入学して頂き誠にありがとうございます。ここで過ごした3年間が君たちの成長に繋がることを心から願っています!』


 そうだな……俺はこの3年間で万年童貞からハーレム主人公に駆け上がって見せるさ!


 その後しばらく話を続けていたが、当の俺はこれからの自分を想像することに、専念していたため聞いていなかった。


 しばらく経ったら、話が終わったのかみんな立ち上がってぞろぞろと、出口に向かっている。


 「これから俺のハーレム生活が始まるんだ!まずは俺のクラスが、何処なのか調べないと……。」


 とにかく俺は、掲示板がある所まで走っていった。そこには様々なことが書いてあるので、知りたいことがある時にはぴったりなのである。


 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 「ん〜と……俺は3組なのか……。」


 掲示板で色々探していると、自分の名前を見つけてほっと一安心した。ここで名前がなかったら絶望する所であった。


 「よし!見つけたことだしセーブするか!」


 《こまめなセーブは自分を救う》


 ゲーム攻略掲示板に書かれていた名言だが、今になってその重大さが伝わっている。


 何事も《記録》することが大事だ。コンティニュー出来るとは言え、何も考えずに突っ込んでも今回みたいな高難易度ではそれが全く通用しない。


 それにセーブも制限なく出来るため、できる時はちゃんとしておいた方が絶対にいいだろう。


 「……よし!覚悟決めるか!!」


 セーブも終えたことだし、覚悟を決めて自分の教室に入ることにした。


 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 改めて教室に入ると、既に何人か集まっていた。男も居たがやはり女性の方が数が圧倒的に多い。


 ライバルがいない分女性に関しては困らないが、ここで心配なのはまず友達が出来るかどうかである。


 今までずっと童貞で引きこもりであったから同性はおろか異性との会話の仕方などが全く分からないのである。


 「どうするか……このまま異世界でもずっとぼっちだなんて嫌だぞ……。」


 うぅぅ……と頭を抱えていると、「おい!そこの根暗!」と言われカチンと来た。


 「あぁっ!!誰が根暗だ!言ってみやがれこの野郎!」


 振り向くと、そこにはまるで軍人みたいな服装をした女性が立っていた。


 その女性は上から目線で、


 「そうだな……聞こえてない猿野郎に分かりやすいように、もう1回言ってやろうか……この根暗猿!!」


 なんて事を言ってきた。言われっぱなしでイラついたので、


 「はーー!こっちこそ優しい美人の人が居るかと思えば、胸ぺったんのパワハラ糞女じゃねぇーか!あー損したわーー!」


 こっちも悪口で言い返しておいた。こうでもしないと腹の虫が収まらないからだ。


 「き……貴様!!口を開けば胸のことを馬鹿にしよって!!後悔させてやるからな!!」


 キレた彼女が取り出したのはなにか銃みたいなものだった。


 「……なぁそれって本物なの?てかそもそもあんたに撃てるの?絶対無理だろー!」


 「最後に言い残したいことはあるか?」


 カチャリ……と冷たい鉄の音がした。うん……これ多分じゃなくて本気の実銃だ。


 「あー……ぺちゃぱいの割にはやるんだなっ……。」


 俺が言い終わるか終わらないかの所で銃声が響き、もちろん俺は死んでしまった。


 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 「ふぅ……ここでセーブしておいてよかったぜ……。」


 普通に撃たれて死んだ俺はセーブをした掲示板の前に居た。


 「まずはセーブっと……問題としてあとはどうするかだよなぁ……。俺の耐久力はこの世界だと紙と同レベルだからなぁ……。」


 異世界の空を眺めながら、とりあえずどうしようかと思考放棄をしていた。



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